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通りすがりの猫缶
大学への通学路になるので、ほぼ毎日、猫神様には煮干を供えている。
が、肩が重くなることはないし、事故にも合わない。
この辻自身は事故は頻発しているが、今のところ死者は出ていない。
猫神様が守ってくれているのだろう。
「新商品で~す。よろしくお願いしま~す。」
「お願いしま~す」
早朝から即販キャンペーンか。ご苦労なこって。
何か手渡される。
おや?缶詰の試供品なんて珍しい。
って?猫缶?
…どーすんだ?これ?
…そうだ。
「猫神様。今日はこんなものが手に入りましたよ」
とお供えすると、
[蓋を開けてくれぬと食えぬのじゃが]
そうそう、そんなこと死んだばーちゃん言ってたな。封を開けてお供えするように、と。
〈パッカン〉
そういえばさっきの声、ばーちゃんの声とは違った様だが…
…まぁいいか。
感謝の気持ちを込めて今日も手を合わす。
「今日も一日、無事過ごせます様に。」




