オオカミと赤いフード
う~ん、色々大目に見て下さい。
この作品には挿絵があります。苦手な方は挿絵非表示に設定してお読みください。
■オオカミと赤いフード■
朝日の差し込む森の小道で、
一輪の美しい花を持ったオオカミが、
落ち着かない様子で、誰かを待っていました。
オオカミが暫く待っていると、
可愛らしい赤いフードを被った少女が、
大きなバスケットを下げて、歩いてきました。
オオカミは、近づいてきた少女に
意を決して声をかけました。
「こ、こんにてぃは!」
オオカミは、噛んでしまいました。
「・・・『お早う御座います』じゃない?」
自分の言い間違いと、少女のツッコミに、
オオカミは立ち尽くしてしまい、手に持っていた花を、
ポトリと落としてしまいました。
「「・・・」」
少女は、落ちた花を拾い上げて言いました。
「綺麗な花ね、髪に挿してくれない?」
オオカミは少し戸惑いましたが、
花を受け取って埃を払うと、少女と向き合いました。
赤いフード少女は、眼を閉じて待っています。
オオカミは、そっと赤いフードとりました。
すると、露になった金髪の上に、
三角形の獣の耳が、ピョコンと飛び出しました。
それは、狼の耳でした。
オオカミは、呆気にとられてしまいました。
少女は、催促するように、耳をパタパタ動かしました。
我に返ったオオカミは、金髪から突き出た、
狼の耳の傍に、鮮やかな赤い色の花を挿しました。
少女は黄金色の瞳をゆっくりと開き、見つめてきます。
オオカミは、息をするのも忘れて、
人狼の少女に魅入ってしまいまいした。
「何か、言ってくれないの?」
少女は口を小さく尖らせ、耳をぴくぴく動かして、
上目遣いにオオカミに問いかけました。
「とても・・・とても似合ってる、素敵だ、とっても綺麗だ」
オオカミは熱に浮かされたように呟きました。
少女は頬を真っ赤に染めて、フードの襟で口元を隠しました。
「ま、魔女の館までお使いなの、エスコートして下さるかしら?」
女の子は、キョドりながらも、
出来るだけ優雅に手を差し出しました。
オオカミは、恭しくその手を取り、少女を引き寄せました。
「喜んでお供いたします。お嬢さん」と、
女の子に合わせ、貴族の社交会のように返しました。
オオカミが出した左肘に、女の子は手を回し、
二人は、四つの耳を揺らしながら、
朝露に煌く静かな森の小道を、魔女の館へと歩き出しました。
「淑女の荷物を持つのは、紳士のマナーよ?」
オオカミは、慌ててバスケットを受け取りました。
爽やかな朝日の差し込む森の、甘酸っぱい一幕でした。
えっと、あとがきっぽいものです。
皆様、今晩は、始めまして。『あじゃらかもくれんきゅらいす』と申します。
この度、初投稿いたしました。
ちょっと小説とは言いがたい、絵本風ショートストーリーです。
掲載されている作品群を読みふけっていたら、怪しくもの狂おしい気分になり、身の程も弁えず、投稿に至ったしだいです。
何と申しましょうか、物語の作るのって楽しいですね。
こんなわくわくする気分のは、久しぶりでした。
こんな素敵な場を設けて下さった皆様、心躍る素晴らしい作品を発表してくださった作家の皆々様、本当に有難う御座います。
今後も、作家様方の作品を楽しみながら、拙い文体でありますが、参加していけたらいいなと思ってます。
何卒よろしくお願いいたします。