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邪神生活に飽きたので舐めプ始めてみる  作者: らたな
第1章 学園生活も楽しそう
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十九話

くっ!いつのまに日が経っていたんだ!?これは…時が加速している!?


すいません、亜人読んでたら遅れました…

すいません、キングダムも読んでました…

あとちょっと短いです。


「ようやく今日から授業か……随分と濃い三日間だった」


謹慎明けの朝。

窓から差し込む柔らかな朝日に向かって烏兎は大きく伸びをした。


両手を大きく広げたその身体は不可思議学園の制服に包まれている。

暗色を基調とした軍服にも似たそれには、赤色のラインが入っていた。


それは今年の一年生を示すものであり、二年生は青、三年生は緑であり、来年は繰り上がって三年生が青色、一年生が緑色となる。


「何言ってるのよ、三日目は寝てただけじゃない」


そんな烏兎を沙由里が呆れた目で見ていた。


「火宮も一昨日は寝てたじゃないか」


「あれは…何で寝ちゃったのかしらね。あんまりその前の記憶がないのよね」


「はは、人間は寝る三分前の事は覚えていないらしいぞ。火宮は三分かからず一瞬で熟睡したんじゃないか?」


「私どれだけ眠かったのよ…」


謹慎二日目、防衛騎士の宗方と遭遇した後。

烏兎は部屋まで沙由里を運び、ベッドへ寝かせ、そのまま自身も泥のように眠った。

次に目を覚ましたのは翌日の午後。

流石の烏兎も激動の二日間に思ったよりも疲れていたらしかった。


ちなみに部屋についてから三十分ほどで目を覚ました沙由里は、いつのまにか部屋で寝ていたことに首を傾げていた。


ま、いっか、と切り替える沙由里。

手早く身支度を整えた後、外へと繋がるドアを開けながら烏兎を呼ぶ。


「ほら、あなたは授業始めてなんだから早くいくわよ。担当が天木教官ってことは、多分同じクラスだと思うし案内してあげる」


「すまん、助かる」


烏兎はそう言って、急いで支給された教材をカバンに詰め、先に部屋を出た沙由里の後を追った。




***




「着いたわよ」


沙由里は教室のドアを開けて言った。

ドアの上部には1ーAと書かれたプレートが下げられている。


「案内感謝する」


「いいえ。寝ちゃった私を運んでくれた恩もあるしね」


そう言った沙由里は続けて悪戯っぽく笑った。


「あ、ちなみにあなたの席、ミリアの横よ」


「ぬぅ!?」


烏兎の反応を面白がりながら沙由里は教室に入っていった。


烏兎もその後を追う。


教室に入ると、数多な視線が烏兎に突き刺さった。


その中には烏兎の強さに対する好意的なものもあったが、その反対もあった。

嫉妬やら怒りなどが理由だろう、何人かの生徒が烏兎をめ付けている。


(あまり心地よいものではないな。まぁ、絡んでこないなら軽く牽制しておくか。絡んで来たら喜んで遊んでやろう)


軽く見回して不快な視線の元を睨みつける。

それだけで烏兎を睨んでいた彼らは一人残らず目を逸らした。


(何だ、気骨のある奴はいないのか)


やや残念そうにする烏兎。

すると沙由里から声が掛かった。


「軽く殺気出してたみたいだけど。何かあったの?」


「ん、何もないぞ」


「ならいいけど」


沙由里の方を見ずに生返事をする。

烏兎は物珍しいのか、教室を見回していた。


教室は大学の講義室に近い作りで、教卓と教壇、黒板が前方に配置され、それと向かい合うようにして生徒達が座る席が、階段のようにして段差をつけて取り付けられた長机と共にあった。


(なるほど、段差をつけて斜めにすることで黒板を見やすくしているのか。斜めにすることで教師の声も通りやすいだろう。考えられているな)


そんなことを考える。


「そんなことよりあなたに紹介したい子がいるんだけど」


「へぇ。誰だ?」


沙由里の台詞に振り向く烏兎。

そこには腰に手を当てて立っている沙由里と、その後ろに誰かが隠れているのが見えた。


「ほら、あなたも隠れてないで出て来なさいよ」


「うぅ…恥ずかしい…」


「何言ってるのよ、あなたが字戸に言いたいことあるって言ってたから連れて来たのよ?」


半ば沙由里に押し出されるようにして、その人物は烏兎の目前に出て来た。


肩の上でさらさらと揺れる淡い栗色の髪は、窓から差し込む光に透けて儚く、その髪色と同色の大きな瞳はやや垂れ目。

柔らかく盛り上がった制服が、その人物は女性だと主張していた。


こちらを覗き込むように見るその少女も、傍に立つ沙由里と同様に紛れもなく美人の類であった。


(素晴らしい胸だ)


烏兎が鼻の下を伸ばしていると、教室のそこかしこからチッ、という舌打ちの音が聞こえて来た。


烏兎が辺りを見回すと、先程よりも多く怨嗟の視線が飛んで来る。

睨み返すが、今度ばかりは視線は消えない。


(何だ?何故我は睨まれている?)


「あ、あの…」


疑問に思っていると、眼前の少女が声をあげた。

烏兎は意識を周囲から目の前へと切り替える。


「ああ、すまない。我は字戸烏兎という。よろしく」


「…っ!すいません、私ったら、自己紹介も忘れてしまって…!」


ペコペコと頭を下げる少女。

予想外の彼女の低姿勢に烏兎もたじろぐ。


「いや、何とも思ってないぞ!」


「そ、そうですよね…私なんて、道端の石ころ同然ですよね…!」


「い、いやそうじゃなくてだな…!」


慌てて少女を宥めると、少女はやっと頭を上げてくれた。

ちなみに沙由里は面白そうなものを見る目で見ていた。


「すいません……私、山見境やまみさか 真赭まそおといいます。…えっと、この度は沙由里ちゃんを助けてくれて、ありがとうございました!」


勢いよく頭を下げる真赭。

烏兎は真赭の言葉に首を傾げた。


「む?我何かしたか?」


沙由里にそう言うと、沙由里は手を合わせて言った。


「ごめん、私が授業に復帰した時、この子にめちゃくちゃ心配されて、ついあなたがS級エネミー倒した話しちゃった」


「何ぃ!?」


驚く烏兎。

真赭がほぼ同時に頭を下げる。


「す、すいません!もしかして秘密になされてましたか!?すいません、すいません」


「い、いやそんなに謝らなくても大丈夫だ。…ちなみにその話は他の誰かには?」


沙由里と真赭に聞く。


「い、言ってないです!」


「真赭だけよ」


「なら、問題ない。…だから山見境もそんなに謝る必要はないぞ」


頭を未だ下げる真赭を宥め、烏兎は言った。


「むしろ謝るのは我の方だ。模擬戦では酷いことをした」


「い、いえ!私は全然大丈夫です!こう見えて頑丈なので!そんなことより、私なんかに謝るなんて、ダメです!やめるべきです!」


「お、おう…山見境がそう言うならそうするが…」


真赭の勢いにたじろぎながら、烏兎は沙由里に耳打ちした。


(山見境、大丈夫なのか?随分と低姿勢で、逆に怖いんだが……)


(その子はそういう子なのよ。でも、心根は優しい子だし、芯は物凄くしっかりしてるわ)


(……そうか。火宮がそう言うなら安心できるか…)


若干不安を感じていたが、ほっと一息つく烏兎。


三人が談笑していると、教室の扉が開き、那由多が入って来た。


「諸君、席につけ。朝礼を始めるぞ……と、字戸か。三日振りだな。謹慎明けの気分はどうだ?」


那由多の言葉に烏兎は苦笑して言った。


「そうですね、最高です」


「ふふ、そうか。お前の席は中央の列の後ろから二番目の机の空いてる席だ。隣のハーノットとは仲良くやれよ」


「気をつけます…」


烏兎はミリアのことを初めは男だと思っており、やや気まずいものを感じていた。


では、と那由多に一礼した後、沙由里と真赭の二人と解散し、指示された席に着く。

隣には無表情のミリアがすでに座っていた。


「あー。よろしく?」


烏兎が挨拶すると、ミリアはこちらを見た。


「ふん、平民と仲良くするつもりはないぞ」


「こちらとしては仲良くしたいんだがなぁ…」


ぽりぽりと頰を掻く烏兎。


「そう言うことは僕に勝ってから言え」


「既に勝ったぞ」


「あれはノーカンだ!」


「そこ、五月蝿いぞ」


ミリアと話していると、那由多に注意される。

すみません、と言ってやり過ごすが、烏兎は会話をやめる気は無かった。


「ハーノットとは話したいと思っていた。お前は冷たいふりをしていたが仲間のことを気に掛けていたし、いい奴だからな」


「……!ふ、ふん、そんな事を言っても知らんぞ」


若干頰を赤くするミリア。

そんな彼女を見て、烏兎は仲良くなれそうだと思った。


「こっちを見るな!」


「何で!?」


ニヤニヤとミリアを見ていると、彼女の右手が鎧に包まれたので、慌てて烏兎は前を向いた。

次回、ようやく説明回!(という名の設定公開)


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