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ある探求者の最期

初投稿です。短くてすいません。

そこは異様なまでに静謐な空間だった。


神殿にも聖堂にも、はたまた異教の神を祀る祭壇にも似たような、荘厳さと禍々しさを兼ね備えた建築物があった。


音一つしないようなその場所で、私の呼吸だけが聞こえていた。


私はこの世界でたった1人の存在になってしまったかのように感じた。


それもそのはず、ここは現世とは異なる位相にある特別な場所だからだ。


……しかしこの場に私の求めていた存在はいない。


世界の中心に存在する、ありとあらゆる全ての根源にして、誰もが名を敢えて言おうとはせぬ、果てしなき魔王……触れてはならない禁忌の邪神。


誰もが忌避するその存在は、しかし唯一私の願いを叶え得る存在だった。



この世の全てを見通したかった。

この世の全てを味わいたかった。

この世の全てに触れたかった。

この世の全ての香りを覚えたかった。

この世の全ての音を識りたかった。



強欲な果てしなき知識欲は私を狭き門へと導き、そして最果てたるこの地まで至らせた。



かの門番に聞いた話は嘘だったのだろうか。


数多の宇宙の最奥に座す、かの存在と謁見することが出来たのならば、その御方はどんな願いをも叶えてくれる……荒唐無稽、誰もが私がその話をしても信じようとはしなかった。


だが私は信じていた。


……それだけを頼りにここまで来たというのに、神殿はもぬけの殻。


魔王の居城へと辿り着いたものの、もはや私の命は残り少ない。


門番に入門の対価としてほとんど全ての命を渡して来たからだ。


私は、失望からか、次第に自らの肉体から魂とでもいうべきものが抜けていくのを感じた。


肉体が急速に老いていくのを感じる。

立っていられなくなった私はその場に崩れ落ち、そこで自らの最期を悟った。


次第に心臓の鼓動が緩やかになるのを感じた。



これが死か。



こんなことならば故郷に残して来た家族にもっと孝行をしておくべきだった…。



後悔と諦念の狭間で意識が次第に黒く塗りつぶされていく。


私という存在が消え、ただの糞袋となる寸前、声が聞こえた。



「我、ちょっと暇しすぎたんで観光旅行いってきます。ちゃんと力も制限して舐めプするから心配しないで下さい。御用のある方はピーッとなる発信音の後に御用件を仰ってください。ぶっちゃけ二千年間くらい留守にしてるけどね☆ピーッ」



おお、偉大なる全知全能よ。


私の旅路は、無意味だったのだろうか。


長いの書けるように頑張ります\\\\٩( 'ω' )و ////

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