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時空勇者とは?

ガッシャーン

「あぁ〜……ちと気になった事があるんだが、いいか?」


サイダー

「うん? 何が聞きたいんだい?」


ガッシャーン

そもそも、宇宙刑事と〈時空勇者〉の違いってなんなんだ? 恥ずかしいかな、オレの膨大なデータにも〈時空勇者〉に関しての情報は何もないんだ」


サイダー

「成程……いや、それはそうだろう。君を造った博士は地球人だろう? 〈時空勇者〉について知っている地球人が居る訳ないさ。寧ろ、知っている地球人が居たら、驚くぞ。野兎がマンモスを産むくらい驚くぞ!」


ガッシャーン

「おぃおぃ、地球の野兎がマンモスを産む訳ないだろ。ハハハハ!」


サイダー

「それくらい〝 有り無い 〟という例えさ」


ガッシャーン

「成程……。〈時空勇者〉について地球人は何も知らないのが、宇宙の常識って事だな?」


サイダー

「うーん……宇宙の常識とは違うかもな。宇宙刑事には常識だが……〈時空勇者〉の存在を知っている者は実はそんなに居ないらしいんだな」


ガッシャーン

「どういう事だ?」


サイダー

「〈時空勇者〉は〈第三宇宙背景放射〉内部の秩序を守る為に存在しているんだが……〈時空勇者〉を目撃したという証言が少ないんだ。役目を果たすと直ぐに姿を消してしまうらしくてな。宇宙刑事内でも実際に〈時空勇者〉を目撃した証言は少ないんだ。少なくても証言は あるからな、確かに存在はしているんだが……」


ガッシャーン

「ほ~ん? 宇宙刑事の上層部には目撃するのも難しい〈時空勇者〉とコンタクトを取る為の手段が あるって事か?」


サイダー

「どうかな? 定かではないが、可能性は あると思うぞ」


ガッシャーン

「──で、その〈第三宇宙背景放射〉ってのはなんなんだ?」


サイダー

「〈第三宇宙背景放射〉っていうのは、俺達が存在している宇宙の正式名称さ。宇宙刑事用語になるんだが、俺達が日頃から言っている〈大宇宙〉は〈第三宇宙背景放射〉内部を指しているんだ。ついでに〈島宇宙〉は銀河を指している。ちなみに〈島宇宙間〉銀河系内部を指しているんだ」


ガッシャーン

「ほ~う、使い分けているんだな」


サイダー

「宇宙警察署は銀河系の中心に設置されているんだ。これはの銀河系でも同じだ。宇宙警察署は宇宙警察支部の本部として機能している。腕時計か方位磁石をイメージしてもらうとわかり易いと思う。今はあいにく腕時計と方位磁石が手元に無いから、紙に描くがいいか?」


ガッシャーン

「その方が助かるね」




サイダーは白紙とペンを取り出すと、カウンターの上に置く。




サイダー

「このえんを腕時計か方位磁石だと思ってくれ。そして、このえんないに俺達が管轄している局部銀河群が あるとする。局部銀河群に属する天の川銀河の中心部に〈天の川銀河宇宙警察署〉が ある。腕時計と方位磁石の中心と思ってくれ。そして時計回りに、北(一二時)東(三時)南(六時)西(九時)と──。北に〈天の川銀河宇宙警察第一支部〉,東に〈天の川銀河宇宙警察第二支部〉,南に〈天の川銀河宇宙警察第三支部〉,西に〈天の川銀河宇宙警察第四支部〉が設置されているんだ。更に──」




白紙に大きく円を描き込むと、時間と東西南北を書き込む。


真ん中に家の形を描き入れ、〈天の川銀河宇宙警察署(本部)〉と書き込む。


時間と東西南北に位置する場所にも家の形を描き入れ、〈天の川銀河宇宙警察第◯支部〉と書き込んだ。




ガッシャーン

「は? だ あるのか?」


タンサン

「この〈天の川銀河宇宙警察第◯支部〉は、宇宙交番の本部になるんだよ。支部を中心にして、宇宙交番が幾つも設置されているんだよ」


ガッシャーン

「……交番迄あるのか?」


タンサン

「うん。〈島宇宙間〉は想像以上に広いからね。小銀河系だからって侮れないんだよ。担当範囲が広いから支部だけじゃ回らないんだ。それで交番を設けられて、見廻り担当が作られたんだ。宇宙交番に勤務している見廻り担当の宇宙刑事は、地球で言う所のお巡りさんかな」


ガッシャーン

「サイダーは宇宙交番で見廻り担当なのか?」


サイダー

「今は宇宙警察支部勤務だ。しかもだ、特別特殊特捜刑事課に配属されている! 凄いだろう!!」


ガッシャーン

「『特別特殊特捜刑事課』だぁ? なんだそりゃ」


サイダー

「ふぅん! 支部からは〝 とくさん〟と呼ばれているぞ。優れた宇宙刑事達が集められて結成されているんだ。支部から絶大に期待されている刑事課だぞ!」


ガッシャーン

「へぇ、そりゃ、凄いな!」


ソーダ

「{……お兄ぃは気付いてないだけで、早い話が支部勤務者の中でも特に厄介者だと判断された問題児を集めた要注意人物課──の事なのよねぇ……}」


タンサン

「{お兄には言えないよなぁ。一番いいのは、お兄自身で気付いてもらう事なんだけど……}」


ソーダ

「{お兄ぃには無理でしょ? それを求めても……}」


タンサン

「{だよなぁ〜〜〜……}」


ガッシャーン

「兄貴が支部から期待されてる刑事課に配属されてるなんて、ソーダちゃんもタンサンも鼻が高いんじゃ無いのか?」


ソーダ

「…………。えぇ……まぁ……ねぇ?」


タンサン

「そうだね、うん……誇らしいよ」


サイダー

「そうか? 誇らしいのか? 兄ちゃん、嬉しいぞ!! ハハハハハ!!」


ガッシャーン

「──で、今は休暇中なのか?」


サイダー

「そうじゃない。未解決の事件が刑事課へ回されたら、上司から 一斉 LINEが届くんだ。上司から 一斉 LINEが来る迄は自由待機をしていてもいい事になっているんだ。そんな訳で、俺は久々に喫茶店でマスター業に勤しんでいるって訳さ」


ガッシャーン

「自由待機を許されているなんて凄いな」


サイダー

「そうだろう? なんせ、優秀な刑事だからなぁ! ハハハハハ!!」


タンサン

「…………」


ソーダ

「……お兄ぃ、笑い過ぎよ? 顎が外れても知らないからね」

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