気付く俺
ん? なんだこれは。
森の中で狩りをしている時に気付いた。
枝が鉈で切られている跡がある。ここで俺は鉈を振るった記憶がない。
今日は家から少し離れた街道に寄ったところにいた。
最近は家の周りでの狩りの成功率が低くなっている。それもそのはず。家の周りは畑になっているし、ゲリラ人形が近づくとやっつけてしまう。動物の生息地域を追いやっている感じになっているのだ。
なので、少し離れた場所まで遠征しないと狩りができない。いつも山羊狩りばかりで、山羊肉も食べ飽きるし、たまには鹿や他の動物も食べたい。果物が取れる場所も街道側に寄っていることが多い。特に砂糖の原料のヤシは街道近くじゃないと取れない。
しかも最近は歩いている時に鉈は使わないようになっている。鉈を振るうと無駄に疲れるし、また振るわなくても歩けるようになった。狩りをするときに音を立てるのは厳禁だし。
なので、ここで鉈を使っているのは俺以外の何者かが行動しているということだ。それも複数人。
木が鉈で切られて道を作っていたり、人間の排泄物を目にする。……緩い感じの。
まさかね。
このままだと俺が何箇所か作っているドクダミの道に辿り着くのも時間の問題だ。
目的はなんだか知らないが俺の家がバレるかもしれない。
家に戻って警戒体制を整えなければならないだろう。
相手に害意がないのなら、下手に俺の家に近づいてゲリラ人形にやられれば俺が悪者になってしまう。看板を建てて用があれば門まで来てもらうようにするべきか。警戒区域にはそれぞれ看板を建てておこう。
ゲリラ人形や弓人形には門にくるものには攻撃しないように指示しておかないとね。




