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使えない祝福とぼっちな俺  作者: woki
フロンティアな俺
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洞窟な俺

 探索や地図を作らせ始め、家周辺のことは徐々に分かり始めた。


 家を起点として、南から西にかけては平地で北側は山になっている。その山は北東に向かって山脈が連なっている。山の頂上からみた光景では山脈を越えた向こう側に海が微かに見えていた。

 南側は街道がありそれを西に向かうと廃村がある。その辺りはずっと平地になっているので、俺が交渉した村まで恐らく平地であろう。地図製作もまだまだ時間は掛かり村までのルートを開拓できるのは先の話だ。


 家から東に進むと塩泉や粘土層、重曹鉱石取れる崖があり、その先を進むと明礬泉に辿り着く。

 今回はその先がどうなっているかもう少し突き詰めたい。



 いつもの明礬泉のところまで辿り着くとあちこちから湯気が立ち込めており、あまりいい匂いではない。そこから東には崖が切り立っており直線的には進めない。よって山を下りながら南東に向かう感じで進むことにした。

 明礬泉は噴出量が少ないのかその立ち込める湯気に比較して湯量は非常に少ない。その少ない湯量がちょろちょろと坂下に流れ込み多少のまとまった水量になると温泉は冷めて、雨水と交じり温泉に浸かる温度ではなくなってくる。

 ある程度進むとその温泉の混じった小川も結構な水量となり渓流と言った風情になってくる。

 その川沿いを歩くがあまり植生は豊かではない。露出している地面、岩肌も白っぽく、崖の地層も白っぽくなっている。川底にも崖や岩から削り取られたであろう砂が白く沈殿している。



 目立ったものも収穫もなく2時間程度、崖沿いを歩いた頃だろうかザァザァと激しい水の流れる音が聞こえてきた。

 音を目指して歩くと崖にぽっかりと空いた穴。つまり洞窟が大量の水を吐き出していた。


(洞窟だ。そろそろビバークポイントも探さなければいけない時間だから今日はここに野営するか)


 洞窟の入口から奥を眺めて危険がないか確かめる。

 清潔な環境ではないと思われるが仕方がない。後で奥を調査することにして、野営の準備を始める。

 崖や岩肌を注意深く見て、鉄砲水などで侵食された跡を見つける。大丈夫そうな場所に乾いた流木を集め火を起こせるようにする。荷物を降ろし、乾いた流木の先に動物の脂肪を巻き付ける。その上に植物の繊維で編んだもので包んで即席の松明を作る。

 火をつけると動物の脂肪が溶け出し、植物の繊維に染み込みそれが燃える。脂肪の大きさにもよるが結構長持ちする。

 それを予備も含め2本作る。作りながら思う。


(ここは魔法のある世界。そして洞窟。あの手の常識に合わせると、今迄出くわさなかったがもしかしたら魔物みたいな奴らもいるのか?)


 必要最低限のものを持ち、念の為に剣も携えて、松明片手に洞窟内部に入っていった。

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