ビフテキを食う俺
元の世界にいたときに見た牛とはかなり違う造形。
角は前に突き出ていて攻撃的。
肩が怒り肩でお尻に向けて細くなっていく。
毛は短い。
この中で若い雄牛を一匹だけ追い込んで早速絞めてみる。
あまり上手く捌けないないけど、皮、脂身、肉、骨、その他臓器に粗方分けてみる。
脂身は煮込んで油だけ抽出して、照明の燃料や調理用の油にする。
骨は骨角器としての材料。
臓器は食えないことはないだろうが大変なのでパス。
皮は当然皮革材料として。
鞣す作業が殊の外大変。
末端部分の処理は大変なので大きな面だけ残しチョキン。
四隅を引っ張り吊るす。
残った肉や油をナイフでこそぎ落としていく。ナイフは油が回ったら切れなくなるので、お湯を沸かしながらナイフについた油を溶かす。切れなくなったら研ぐ。これ以上取れないってところまでこそぎ落としたら、皮の内面を洗剤代わりの燕麦のふすまをこすりつつ水洗い。腕がバキバキに筋肉痛になるし、握力はなくなる。ナイフを握った格好から指が離れない。
ここから相当気持ち悪い。牛から取り出した脳みそをグチャグチャにすり潰しペースト状にして皮の内面に塗りつける。
半分に折りたたみ乾かないように一日放置。まあ、臭いね。
で川で洗い流して、竈の上に吊るして、燻してやる。
本当は何度もスクレイピング(こそぎ落とす作業)と脳みそアタックをするといいみたいだけど、自分だけしか使わないし、これで良しとする。
肉。
肉はね、筋張って固かった。
でも、これぞ肉って主張してくる感じで悪くなかった。調味料があればね。
一頭を一人で食い切んない。燻製状にして置いておくけど4日過ぎた当たりからやばそうな匂いがしたんだよ。
日本人の勿体無い魂に火がついてね。表面を切り落として中心部分をよく焼けば行けんだろうってね。
当然こうなるわな。
牛はオーロックスをイメージしてます。




