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使えない祝福とぼっちな俺  作者: woki
サバイバルな俺
18/118

温泉に浸かりたい俺

 山頂からの眺めで分かったのよ。

 ここって休火山ぽいのよね。

 だからって早々噴火することは考えにくいけど…


 結論から言うと温泉があるかも。

 白煙立ち上る場所を見つけたんだぜ。

 恐らく家から東に10km程度だと思われる。

 直線距離で10kmだとして、山中を徒歩で進むとなると往復で一日仕事だなこりゃ。

 煙が立ち上っている場所は木が生えていないから近づけば分かるだろうけど、温泉の有無は分からんね。


 人里に下りたい気持ちもあるがかなり距離があるので準備はしっかりとやらんとね。



――――



 ずんずん探索しながら歩いていく。


 (もう夕方だなこりゃ)


 夜間の行動はできない。

 碌な照明具を持ってないし。

 未だに焚火のみだしね。


 完全に日が落ちる前にビバークポイントを探す。

 雨季なので突然のスコールに見舞われるし、崖伝えなので落石等にも注意しなければならない。

 獣に襲われないように焚火をするので一晩こせるぐらいの薪も集めなければならない。


 俺が遭遇した限りのこの世の危険性物と言えば、毒蛇、毒蜘蛛、蠍、熊、猪、狼とこんなところだろうか。

 岩場には蛇や蠍などがいるので要注意。座っている間にも頭陀袋に入っていたりする。

 夜間は狼だろうか。森が途切れた場所なので猪や熊はあまり近寄ってこないと思うが、狼はとんでもなくテリトリーが広いからね。

 


 (こりゃ丁度いい)


 岩が張り出しその下に2~3人座れる空間が空いている。

 棒を片手に転がっている岩をどかして蛇等が生息していないか確かめる。


 (今日はここで一晩明かすか)


 鹿の皮を敷き、薪を積み上げ簡単な食事をして座りながら仮眠をする。






 (なんだ?)


 夜空には満点の星空がみえ、満月に近いので月明かりもあり視界は開けてる。

 遠くの方で岩がぶつかり合う音、そうなにかが岩場を歩いている音が聞こえてくる。

 それも一方向からではなくあちこちから聞こえてくる。


 焚火に追加の木を投げ入れ、腰に巻いた鉈の位置を確認し、弓を構える。


 複数の光を反射した網膜がこちらを向いている。


 (この数と、頭の位置から行くと狼か)


 今まで狼とは何度か遭遇したことはあるが、遠方だったり、単体であったりでこちらに気づくとすぐに逃げ出してしまった。

 種類はよく分からないが、体高は俺の腰の位置ぐらい、胴体は1mチョイで全体的に灰色っぽい毛色をしている。


 基本的に野生動物は弱いものを狩りにいく習性があるので、こちらが油断しなければ大丈夫なはずだ。

 こんなところにぼっちでいるだけで弱そうだけど…


 大声をだしながら威嚇をする。


 「ほら!向こういけ!寝れね~だろ!」


 火のついた棒を投げつけねぐらにもどりいつでも弓を構えられるように座る。


 狼達はそれほど執着せずにいつの間にかどこかに消えていった。


 俺はまんじりと日が昇るのを待った。




 翌日探索を開始すると、間欠泉のような場所はあったが、残念ながら入浴できるような温泉は無かった。

 

 そうそう上手くいくことはないのであるが…


 収穫もあった。


 まず、湯の花。恐らくここの温泉は明礬泉だと思われる。

 雨の当たらない場所で針山に結晶が伸びているものを発見した。その昔、親と家族旅行に別府温泉の明礬作りをしているところでこんなような結晶をみたことがある。


 で、温泉の帰り道で、粘土層や、灰白色の鉱床があった。


 それぞれ場所を確認して今後の採掘と調査に期待しよう。

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