人生の失敗2
今回は洋太の話
信司は話疲れたのか
「先に寝るね」と言って
布団と仲良くしてる
「さて、続きにしようぜ。じゃ次は洋太な」
「う、うん」
洋太は少し顔を赤くしながら喋り始める
「僕は中学の時に告白出来なかったことかな」
「お、恋バナ!」
優希は両手を握り締めながら喜んでいた
「う、うん...そうなるかな」
「優希、洋太が引いてるから抑えて」
「わ、わかったわ」
深呼吸...
「いいわ、静かに聞きます」
「うん、えっとどこから話そうかな」
「最初からで頼むぜ」
「僕が生まれたのは...」
「「そこから!?」」
俺と優希は驚きを隠せなかった...
「恋愛の始まりからにしてよ...」
「ふふ...わかったよ」
「洋太...俺達のことからかってるな」
「バレちゃったか~」
「いいから早く早く~」
待ちきれなさそうに手をバンバンする優希
「えっとね、僕が小学生の...四年生頃かな、その時に凄く可愛い子が転校して来たんだ」
「ほほぉ」
まるでおっさんみたいな優希...
「皆もそう思ったみたいで、大半がその子に気に入られようと頑張ってたみたい。
でも僕は男子と遊ぶ方が好きだったんだ」
「え、それってホ」
「違うよ!ただ女の子に興味がなかったというか...遊んでる方が楽しかったからというか...」
「やっぱり、ホ」
「違うんだよー!」
「優希...進まないから...」
「わかったわよ、続けて」
「うん...それで結局何もしないまま中学に上がったんだ...そして僕は部活始め、塾も通い始めた。7時まで部活をして帰ってご飯を食べたらすぐ塾に行って帰る頃には10時を過ぎてて...家は寝るだけの生活だった」
「けっこう大変だったんだな」
「そうだね、自分でも何でこんなに忙しいんだって思ってた。しかも長期休みの時も昼から夜まで勉強だったりする日もあったからね」
「お、俺はそんな生活したくないな」
「私の中学の時なんて遊んでばかりだった気がする」
「話が脱線しそうだ、続きをどうぞ」
「それで塾に通ってる時、トイレに行こうとしたら女の子がヒソヒソ話をしてたんだ。そしたら、さっき話した可愛い子が僕のことを...
「気持ち悪いよね」って話してたんだ」
またしても無言になりそうなのを抑えて
「洋太は気持ち悪くなんかないよ、俺はそう思ってる」
「私もよ」
「ありがとう...」
「でも告白出来なかったことが失敗なんだろ?まさかその子にか?」
「いや違うよ。その後、塾をやめた後少し好きな子が出来たんだ」
「ほほぉ~」
だからおっさん臭いぞ
「確か三年生の冬だったかな。クリスマス直前で皆が告白しまくってたんだ」
「なるほど、それが出来なかったんだな」
「うん、また「気持ち悪い」って言われるのが怖かったんだ。だから告白出来なかった」
「そりゃ...落ち込むよな、俺も言われたら傷つくよ」
「中学生の頃だもんね。思春期で一番傷つきやすい時期だし...」
「あの時ちゃんと思いを伝えられれば...僕自身変われてたんじゃないかなっておもったんだ」
「そうだな、でも俺は今のままの洋太で良かったと思ってるよ」
「え?」
「そこで洋太が告白してたら...俺達は洋太と出会う事すらなかったかも知れないだろ」
「そ、そっか」
「変わりたいならさ。これから変わっていけばいいじゃん。まだあと何十年もあるんだからさ」
洋太は小さな声で「...うん」と頷くと
目からほんの少しだけ涙を零した
「ありがとう」
洋太も寝てしまったので、二人ので会話するのはいつでも出来るだろって話になったので、俺達も床に就くことにした
今回の話は若干実話
次回はかなり短くなる予定