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みなさんは『不気味の谷』という言葉をご存じだろうか?

『不気味の谷』とはロボット工学用語で、ロボットの外見、動きが人間に近づき過ぎるとかえって気味悪く見えてしまう現象のことである。

俺はそんな『不気味の谷』に囚われている数少ない『人間』の一人だ。

…まあ俺の場合は本来の『不気味の谷』の意味とは若干異なり、容姿が整いすぎて逆に気味が悪い現象に陥っているわけなのだが。




小さいころから俺はどんな上質で精巧な人形の隣に置かれても全く違和感がないほど整えられた外見で、一部の人を除く全員から一歩引かれた関係にあった。

しかしそれでも俺は周りに明るく接するよう笑顔を絶やさぬように努めていたのだが、何時までも変わらぬ距離感に等々俺自身疲れてしまい、顔の筋肉を殺し無表情の仮面を被るようになる。

そしてそれは『孤高の王子』という異名でいつの間にか言われるようになった所以になったわけだが、誰とも気軽に話すことさえできない環境に不満を持っていたのは確かだ。

だからこそより力を持つものこそ正義である『異世界』にのめり込んでいったわけだが、あちらでもあまりこの顔は評判よろしくない。

『こんな綺麗な人の隣に私が立てる資格なんて、ないんです。』

『やめて下さい。そんな綺麗な顔して…私が惨めになるじゃないですか。』

そう言って俺の元から離れていった仲間もいた。

俺はこの顔が憎かった。何故こんなに整いすぎた外見を俺にくれやがったのだと神に直談判したいのを必死に抑えていた。

もし神様に一つ願い事を叶えることが出来たならば、迷わず俺は『普通の顔にしてください』とそう頼んでいたであろう。




だから例えこの顔が不気味だという理由だけで特に意味のない暴力に見舞われたとしても、俺は反発することさえ最早無毛な気がするのだ。




バンッ…俺の右頬に思いっきり拳がめり込む。

あまりの勢いに俺は少しだけ仰け反ったが、直ぐに体制を戻した。

きっと俺の右頬は赤くなっているのだろう。

少しだけヒリッといたんだが、直ぐに痛みはなくなっていく。

流石俺、回復力半端ない。



対して殴った方はといえば後味の悪い微妙な顔立ちでその場に立ち尽くしていた。

まるで思わず手が出てしまったんだと言わんばかりに、顔には後悔の色が混じりあっている。

すると



「…こんなところで、暴力はいけない。心山くん」




そう言って紺色に少し黒を混ぜたような髪のポニーテールをたなびかせ、半袖のカッターシャツに膝丈程度のスカートを揺らしながら僕らの間に割って入ったのは、刀を右手に握りしめた赤神朱音あかがみあかねさんだった。

彼女は彼女なりにこの状況を察してくれたのか仲裁役を買ってでたようだ。

…非常に助かった。このまま沈黙が続くのは俺も耐えられなかったし素直に感謝の意を表明したい。

ありがとう。


次いで殴った張本人であるサッカー部のキャプテン、(小麦色の肌におさげのように編み込んだ後ろ髪が特徴のイケメン)心山くん―――――心山英正むねやまひでまさは唇をきつく結んで一言




「…あぁ、わりー。ちょっと気が動転しちまって、な」



と言ったっきりこちらを見ることもなく、近くの大木に寄り掛かるように座り込んだ。

他のメンツからは何も言葉を発することもないままに、時折流れる風の音だけがこの場を支配している。







こんなお葬式みたいな雰囲気に包まれているのには勿論理由がある。

それは時を遡ること約一時間前の出来事だ。

俺たちは命からがらあの狼もどきから逃げて(数はおよそ20頭程度だった。あれぐらいなら俺一人で対処できたかもしれないが、無茶はしないほうが身のためだろう。そう思って手を出さずにいた。)狼もどき共の猛攻をくぐり抜け森の中へ入ることはできたのだが、一人がその場で誤って転倒してしまった。

しかし不思議なことに狼もどきは俺たちが目の前にいるというのに『森の中にいる』というだけで急にその足を元来た道に戻してその場を去って行ったのだ。

まるでこの森が狼もどきにとって最も恐るべき場所だと言わんばかりに、逃げ去る背中は微妙に震えていたような気がした。




(…この森には何か、狼もどきよりも恐ろしい何かがある。)




そう思ったのは俺だけではないらしく、赤神さんも森の中に一切入ることなく逃げ去った狼もどきを見て思ったのだろう。

顔が少しの恐怖とそれより強い喜びの表情を浮かべていた。




(武人としてあの狼もどきより強いものがいると分かり、恐怖よりも強いものと戦えるという強い喜びが勝った感じなのかな?…どこかの戦闘民族みたいな人だねぇ〜赤神さんは)




それに少し呆れると同時に何故か懐かしく思ってしまうのは、自分が弱肉強食の生と死が限りなく近いファンタジー世界にどっぷり浸かってしまったからだろうか?

…赤神さんを見ていると一昔前の自分を見ているようでなんだかほっかりするのと同時に、少し気恥ずかしく感じてしまうのだ。

これが風の噂で聞いた『赤神さんと堂ケ崎くんは付き合ってる。』という妄言の真相だろう。

うん、なんか対になってるみたいに似てるもんね?俺たち

まあでも赤神さんの方がまだ愛らしさ、可愛げがあるから俺ほど親しみにくいってこともないだろうけどな。

はあ…自分で言ってなんか虚しくなってきた。俺も赤神さんのように可愛げが少しでもあればいいんだが。




(…兎に角ここに逃げ込んだっていうクラスメート達と合流しないと。怪我人も多くいることだし)




魔法が使えない世界だということで治癒魔法は使えないが、応急処置のやり方は熟知しているつもりだ。

おそらくここにくるまでに何の処置も出来ていないと思うし、長らく怪我を放置していると死という可能性も十分に出てくる。

だから早く合流して傷を処置しないといけない。

それは生徒会長も思っていたことだろう。

彼は狼もどきが去っていって安心したら腰が抜けてしまったのかその場にうなだれている3人の男達を無理矢理立ち上がらせると




「これで終わったわけじゃないぞ?早くここに逃げ込んだ班と合流しなければいけないからな!」



先頭を歩いて細いけもの道を歩いていく。

それに他の者たちがついていく形で歩き始めた。

しかし歩いても歩いても仲間たちの痕跡はなく、また不気味なくらい他の生き物の気配が感じない。

…まあ相変わらず変な視線は感じるわけだが。

しかもさっきよりもさらにねちっこいような視線がね。

それでも誰も言葉を発することはなく、視線を感じる無音で薄暗い空間の中、一時間くらい森の中を歩いたところでさっきの俺の顔を思いっきり殴る心山くんの出来上がりというわけだ。

いや、別に恨んではいないんぜ?

むしろこの無駄に高くそびえたつ大木のおかげで薄暗い雰囲気の中、俺の不気味な顔を見たとしたら思わず殴ってしまうのも分からんではないし、不可抗力なんだから仕方ないよね?




「…ったくここまで歩いて見つからんとはあいつらどこまで行きやがったんだ?」


「足を怪我した者も大勢いたし、そこまで歩くのは早くないはずなんだけどね。。。」




野球部のキャプテン羽場霧助はばきりすけ(野球部らしく坊主で珍しく肌は焼けてない爽やかさ溢れるイケメン)とバスケット部のキャプテン相沢大地あいざわだいち(垂れ目が特徴の金髪ロング。しかし肩筋がヤバイぐらい盛り上がっている)が額に汗をにじませてそう呟いた。

無言だったこの状況で何とか声を上げて会話をしたようだが、後の会話はもちろん続かない。

再び場に静寂が訪れた。

しかしそれも仕方ないことだ。

彼らにはあの惨状は耐えかねるものだったであろう。

俺は…いや、赤神さんもかな?あの惨状には慣れていたのだけど、彼らはごく普通のちょっと運動が得意なだけの高校生なのだ。

精神に異常をきたしても、または情緒不安定になっても可笑しくはないし、一時間も歩きづらい森の中を歩いていたら身体的に疲労が溜まってしまっても仕方ない。

それを考えるとここまで来られたことが最早奇跡なのかもしれない。

…でもここは少し休んだ方がいいかもしれないね。

皆多分会話をすることも億劫になるほど疲弊していることだろう。

なので俺の方から皆にここで一時休憩をしたほうがいいんじゃないかと申し入れたわけだが、生徒会長に怪訝な顔をされてしまった。




「…こうしている間にも同級生たちは苦しみに悶えているかもしれないのだぞ?そんなことできるわけがない!!それに正直に言えば私はまだお前を『堂ケ崎久音』とは認めてはいないしな。」



そんなことを言う生徒会長の目白木葉連めじろぎはつら(メガネで少し茶髪気味の人。目が狐のように釣りあがっているがあまりキツイ印象は受けない。羨ましい)の顔にも疲労の色が見え隠れしていた。

…このままでは埒が明かない。

ここは心を鬼にして強制的にも休ませるしか。。。

そう思って拳を固めたところでこの面子で唯一の女子、赤神さんが間に入った。




「…メガネ会長、私も少し休憩した方がいいと思う。もしこのまま歩いていても無駄に体力を消耗するばかりだと思うし、ちゃんと話し合いをするべきだと思う。」



「むっ、それは一理あるが…」




メガネ会長と言われたことを気にすることもなく、目白木会長は考えるように顎を親指と人差し指を乗せて皆を見回すと、深いため息をついた。




「はあ…まあこのままじゃあ見つかるものも見つからんか。…よし、少し休憩を挟もう!そしてこれからどうするかについて考えようではないか!!」




会長は豪快にそう言ってのけその場に座り込んだ。

他の者たちも心の中ではずっと休憩が欲しいと願っていたのであろう。

すぐ会長のようにその場に座り込んだ。

でも俺はまだまだ疲れていなかったので、彼らの目を掻い潜り、少し離れたところでそこいらに生える大木を調べ始めた。


それは今まで異世界に行った際には必ずしていることだった。

下調べというのはホントに大事なことなのである。

…それを怠った結果、俺は何度も危ない局面に陥ってしまったからな。

念には念を入れて調査をしても罰は当たらないはずだ。

そしてなにより俺はこの場所にどこかデジャブを感じているのだ。

…前にこんなところに来たことがあるのかもしれない。

そう思うとなおのこと調べずにはいられなかった。

この大木のことを知っていて損もないはずだし、もし何かしらと戦うことになったとしたらその戦いを有利に進められるかもしれないし。

なので俺は慎重にこの大木の周りを注意深く観察したり、大木を叩いてみて強度を測ってみたりした。

その結果…ホントにこれは木であるかも分からないものであることが判明した。

そっと手を回してみても手がつかないほど大きな幹、手で少し叩いてみると金属を叩いているかのように硬く、木皮は紙みたいに薄くてまるで何か液体を重ね塗りしたみたいなそんな印象なのだ。

それにこの大木の下には思いのほか落ち葉が少なかった。

これだけ大きいのだ。もっと人が踏んだら靴が埋もれてしまうぐらいに落ちてるのが普通なのだが…

ホント不思議な木だな。これは

いや違う。この木もどきはもっと別な何かではないかと俺は推測している。

それが何かってのは流石に『鑑定』の魔法を使えない今の俺には分からないわけだが、、、





「…?何やってる『堂ケ崎』くん。」


「…あっ赤神さん?」




いつの間にそこにいたのだろう。

後ろから声が聞こえて振り向いたら彼女がいた。

不思議そうにこちらを眺めている。




「…あまり目立つ行動はしないほうがいい。身のため。」


「…わかった。もう用はすんだから大丈夫だよ?」


「…そう。それなら早くこっちに来てね。待ってる。」




普段無口の彼女らしく淡々とそう告げると4人の元へ行ってしまう。

…そういえばまだ彼らは俺が普通の人間じゃない『化物』なんじゃないかって疑ってるんだっけ?

まあ彼らの言うことは正しいのかもしれない。

531回の異世界転移を繰り返して、それはそれは人間離れした戦闘能力を所持しているし、一般高校生からしたら『化物』と呼ばれても違和感ないんだけど




(でも俺は今のところ正真正銘の『人間』なんだぜ?そこのところは誤解しないでもらいたいものだ。)




俺は一つため息をついて彼らのもとへと急いで向かうのだった。










                ◇












「それではこれから『森に入ったであろう我が同級生たちの救出作戦』を発議したいと思う。」


「ほーい会長の言うままにー」


「そりゃあ何が何でも軽すぎるだろ!?ヒデ」


「まあまあ、いつもこんな感じじゃんか。ヒデは」


「…作戦名長すぎる。やり直し。」


「…作戦名なんてどうでもいいと思うよ?赤神さん」




休憩を30分程度置いて、少し緊張感に欠ける発言のなかで俺たちの会議は始まった。

ちなみに心山くんは会議が始まった途端急におちゃらけていたのだが、それが空元気だということは俺にはわかった。

さっき雰囲気を悪くしてしまったことに罪悪感を感じているのだろう。…なんともいじらしい、いい奴じゃないか。心山くん


それで、まず会長は何故森へと彼らを導いてしまったのかを紐解いていくらしい。

何故それを今ここで話し合う必要があるのか俺には会長の真意は分からなかったが、そんなの責任転嫁の押収になるしかないんじゃないかな?

俺はそんな気がするが




「まず初めに何故彼らを森に導いてしまったのかであるが…」


「えーそれいっちゃいます?」


「そんなの近くに森があったからに決まってるだろう?他に隠れられそうな場所なかったわけだし」


「…」


「それにその案には会長も賛成したはずだよな!?」




どうやら満場一致で森へ身をひそめることを決めたらしい。

まあそれはそうか。

黒煙であまり周囲の状況が分からない中だったわけで、比較的近くに森があったならそこに身を隠そうと普通はするよな。

それに煙が晴れたときに見えた景色を思い出してみても、草しかなかったから、きっと近くには草原がかなりの距離広がっていたことだろう。

そこをただひたすら歩いてもすぐあの狼もどきに見つかって御陀仏だっただろうし、彼らの判断は悪くはないんじゃないかな?

俺はそう思うけど




「ああ確かに賛成はしたが、今ここに彼らがいないのが現状だ。だから何かしなければならないことがあったんじゃないかと思ってね。」


「…ああ。そういうこと?確かに森深くに侵入するなら何か目印でも付けていて欲しかったよね。」


「それとも目印を付ける暇もねーくらいのことが起きやがったかだが」


「可能性はあるね。」


「…怪物に追われてるのかも。」


「…赤神さん、嬉しそうに言うのはやめようか?不謹慎だから」




でも彼女の考えが一番ありえることだ。

あの巨体である狼もどき(まあスライムレベルだが)がああも怯えた森だ。

俺たちの想像を超えた怪物がいてもなんらおかしいことはない。




「だけど血痕が見えないし、その線は薄いんじゃ?」


「…確かにここに来るまでに血痕は見当たらなかった。」


「じゃあ何か見たとか?」


「生きるか死ぬかの時に、ありえるのか?そんなこと」


「逆に生きるか死ぬかの時だからこそ、こう幻が見えたとかさ!」


「…全員にか?それは少し苦しいじゃないか?」


「…だめ?いい案だと思ったんだけど」


「ああ…でも悪くない考えだとは思う。」



幻惑系か…幻聴系か…確かにありえる。

魔法はないにしてもそれを誘発する何かがこの森にはあるかもしれない。

…しかしそれも可能性の一つに過ぎないのだ。

この状況であらゆる可能性の中からどれか一つを探し立てること不可能に近い。

ここは大人しく森の散策を続けるしか方法はないんじゃないだろうか?

これは異世界を長年旅に旅してきた男の経験からくるカンだ。

そうした方がいいと思うけどねぇ?皆さん?




「じゃあさじゃあさ!何かこう『魔法』みたいなのでさ?みんな一変に消されてしまったとか?」


「ないな。現実を見ろ!魔法なんて存在しているわけがないじゃないか!!」


「つーかそもそもここ本当に『地球』なのか?もしかしたら全然違う世界かもしれねーじゃんかよ!?」


「…だよな~。あんな機械で出来た狼が歩くような世界。俺たちの世界ではありえねいことだよ。」


「…魔法。使ってみたい。」


「…少し黙ってようか?赤神さん」




でもこの世界には魔法の概念はないんだよな。

だから異世界を渡り歩いた俺であっても『魔法』は絶対使えないのだ。

そう『魔法』は…だけどね。




「…じゃあ仮に魔法があったとして、俺たちには何が出来る?」


「転移したおかげで魔法が使えるようになっていて、俺TUEEEEEEEEEEが出来る。」


「現実感がない。不採用。」


「…俺TUEEEEEE?」


「…あぁ赤神さんは気にしなくていいよ。ホント」




まさか転移したらそんなチートスキルを持つことができるなんてまだ信じている奴がいるなんてな。

そっち系の小説の読みすぎだこれ。…俺も嫌いではないが




「…ちょっと話が脱線しすぎてるな。本題に入ろう。」


「本題は私たちはどうやって彼らを見つけられるかだ。」


「…ホントにそれどうするよ?手がかり一つありゃしないんだぜ?」


「このまま一本道を歩くより別の道を探っていったほうがいいのでは?」


「何?それ二手に分かれるってこと?」


「そうなるね。少々危険だけど、何連絡付けるようにしとけば大丈夫じゃないかな?はいこれを」



そう言ってバスケット部のキャプテンが懐から出したのは山なんかでよく使う黒い片手で持てるサイズのトランシーバーだった。



「おいおい。てめーがなんでこんなの持ってるわけ?」


「いや~念のためにってじいちゃんが渡してくれたのをすっかり忘れててさ~」


「念のためにって…修学旅行の沖縄で、こんなの持ってくるのお前ぐらいだぜ?マジ」


「…私は刀を持ってきた。」


「…よく銃刀法違反で捕まんなかったね。赤神さん」




まあ犯罪者の赤神さんは右の方に置いておいて、トランシーバーか…それなら2手に別れるのも一考の価値ありだな。

でも決めるのは俺じゃないし、どうせ俺は疑われてるから拒否権も賛成権もないんだろうけど

…後悔しない判断を頼みますよ?みなさん?





「でもこれで二手に分かれて探すことはできるわけだよな?会長?」


「そうなるが…しかしそれでいいのか?本当に」


「何悠長なこと言ってんの!?彼らは今この時にも死んでしまうかもしれないんだよ?そう言ったのは会長だし、多少の危険くらいなんだ!」


「そうそう。少し位無茶してでもみんな助けないとね。」


「…私は賛成しよう。二手に分かれる案に」




どうやら二手に分かれる案に決まりそうだな。

まあ俺も異論はないが、こんな得体の知れぬ場所で二手に分かれることになるのか…

さてどうなるかな?これから




「…それじゃあ二手に分かれることにしよう。チームはどうする?」


「俺とヒデとダイチでいいんじゃないか?」


「みぎにおなじー」


「異論はないね。」


「…任せて。二人は私が守るから」


「…多分赤神さんは俺の監視目的だと思うけどね。」



こうして俺たちは二手に分かれて、森に逃げた同級生たち約30名の行方を探すことにしました。

この分かれるという行為が後々大きな過失へと繋がらなければいいんだけど…

そう思いながら俺は赤神さんと会長と歩みをともにしたのでした。

主人公は色々思うことがあっても割と人の会話に割り込んだりとか意見を言うことはしません。

前にそれで痛い目にあってるので思うだけにしているのです。



次回予告

3人になった一行が目にしたのはこの森の信じられない光景だった!?

乞うご期待!!

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