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始まりの終わり

それからは怒涛の日々だった。

戦いに明け暮れた俺たちを一般市民が何とか食い止めようと武器を持ち、教会へと押し寄せた。

その懸命な姿に俺たちの熱も何とか冷めて、振り返ると王都は半壊し弁護の余地もない。

後処理をする傍ら元の世界の帰り方について考察する俺だったが意外な来訪者が訪れる。

元青王と元黄王、冷徹な雰囲気を纏い俺らの前に立ちはだかった。


しかし結局は杞憂のようで、ようやくそろった七人の王は思い思いに談笑する。

俺は主に聞く役だったが、黄王の舌はよく回っていた印象だ。

道化師の恰好であった彼だが、生前の他人の蹴落とさんとした雰囲気をこの場において解いた。

目の前の彼は彼だが彼ではなく、1000年前だと言うこの世界の彼らにも変化はあるようだ。

そんな楽しい時が過ぎ、王都の図書館にて調べ物をしている俺に言伝が届く。

内容はモルナとの正式な婚約の話であったが、一度本家に顔を出せという強い脅迫であったように思う。


それからまた数週間が過ぎ、無事に婚約を果たした俺。

いや、結構悩んだ末に決めた重要な出来事があったのだがそれをここでは割愛させてもらう。

兎に角元婚約者を蹴落とし、現世と同じく結婚式まで挙げて華やかな門出を祝った。

幸せそうなモルナ、生き残った5人のクラスメートも訓練の傍ら式に出席していた。

そうそう、ロクタヌの訓練は熾烈を極めていたらしいな。

かなりの無茶を彼らに強要したらしい、俺が知らぬ間に何をしてんだと呆れるがこれもこの世界で生き残るため。

自分の命ぐらいは自分で守らなくては、現世のように甘い世界ではないからなここは。


それからまた時は過ぎ、何とか実践に耐えられるようになった彼らに俺の武器を一つ与えた。

会長には『銀の弓矢』を

清詞には『グングニール』を

森脇と言う名のクソガキには『勝利の剣』を

早乙女さんには『最愛の籠手』を

そして赤神さんには『藍手心あいてごころ』を

それぞれ元の使い手である俺の権限を離れて、彼らと共に生きることとなる。


清詞と早乙女さんは如何やら元赤王の奴について行き、世界を見て回るそうだ。

冒険者の真似事をすることになるが、特に不満はなく赤王の奴も嬉しそうにしていたっけ。

森脇と目白木会長は黒聖警軍で情報収集に回るらしい。

何だかんだ言って面倒見はいい元白王だ、彼らを悪くは使わぬだろう。

森脇は一人『解析アナジエータ』なんてスキルを取得して白王の補佐官となったし、エウノミヤは真面目で誠実な目白木会長に惚れこんでお熱らしいしな。

あちらはあちらで楽しくやるだろうさ。

他人の恋路を邪魔することもないしな。



さて、問題は一人残った赤神さんの処遇だが――――



「…わたしも一緒に行く。」



俺とモルナの元へと転がり込んできた。

何とか説得しようと試みるが、聞く耳持たず。結局はこちらが折れる形となった。

まあ彼女は強い、他の4人とは群を抜いて強いのだ。

足手纏いにはなるまい、こちらとしても戦力が増えて万々歳。

少し嫉妬に胸を焦がすモルナを見るのは何気に楽しいし、旅の始まりにはもってこいだろう。


俺たちは今『アポピス』の本部と思われる建物の真ん前にいた。

鉄の要塞、そう言うが易い鉄の塊の前に怖気づく者などここにはない。



「さて、行こうか我が愛しのバルツァ。早く帰って、あの続きをしようではないか。」


「あれはもう、いいんじゃないか?その、子供が出来てしまっては色々と不味い気が」


「何を言っている?私は子供5人は欲しいぞ。」


「…二人とも集中。敵を倒してからに、して。」



苛立つ赤神さんに、未だ薄く笑いを浮かべるモルナ。

パーティーとしてなんか両手に花な状況下。

それに軽く息をつくと俺は意識をシフトさせ、目の前の敵本拠地だろう物を睨む。



ここから始まるだろう様々な戦いに、今俺は挑もうとしている。

高鳴る鼓動、抑え切れぬ意思は容易く俺の限界を超えてくる。

俺の中に潜むじゃしんの野郎も元気そうだ。今日は相応な期待をしても、いいんだよなじゃしん様よ。



「…行くぞ二人とも、最高の始まりとしようじゃないか。」



言葉など、もういらない。

音すらその場に置いて、俺たちは走り出す。

現世界への扉はいずこへか、戦いの火ぶたがここに切って落とされた。

エタりそうだったのでここらで切らせてもらいます申し訳ございません。


また続きがかけそうならば、完結を解いて書き始めるかも。

それがいつになるかは分かりませんが…



それではまたどこかでお会いしましょう!ばいばいー!

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