あかがみ あかね
回想編が長くなったので2回に分けてます。ご了承ください。
私の名前は赤神朱音なんていう赤が二回も使われた少々不思議な名前だ。
現在私立皐月が原高等学校2年生であり、剣に生き剣の道を極めんとする者…と呼ばれている者です。
そもそも私が剣の道に進むことは生まれる前から既に決まっていたようなので、物心つく前に私は当たり前のように剣を握っているような子供でした。
けれどもそれが別に特別おかしなことである、というわけではないのです。
私の家は由緒代々続く神楽流の家系にて、剣を極めんと考えることは息をするかの如く至極当たり前のようなものだったようなので。
現に私を含めた赤神一族は男であれ、女であれ自身の片割れである刀をまるで憲法で義務付けられてるかの如く肌身離さず常に所持しているのです。
そんな私が唯一尊敬している…いや最早崇拝しているといっても過言ではない人物は剣を教えてくれた先生―――――ではなく従姉である深井詩音、シオンお姉ちゃんでした。
お姉ちゃんはとても強い女でした。
小さい頃いつも泣いていた弱虫の私とは違って家族のだれよりも一族の誰よりも腕が立つし、そして何より気品高く気高い。
小さい頃の私はそんなお姉ちゃんに心底憧れて、四六時中後をつけていた気がします。
今考えたら私なんて自分の後ろをやたらとついてくる、鬱陶しい子供でしかなかったことでしょう。
しかしお姉ちゃんはそんな私に苦い顔一つせず、いろんなことを教えてくれました。
一般常識に始まり、華道、茶道、弓道、泳ぎ、裁縫…吸収できるものならなんだって吸収していきました。
私にはそんなシオンお姉ちゃんとの平凡で優しい光に満ちたようなでもとても充実していた日々が大好きでした。
ただお姉ちゃんのそばにいるだけで時間を共有しているだけで、幸せを感じていたのです。
でもそれはある事故を境に永遠に失われてしまうのでした。
交通事故―――――――シオンお姉ちゃんはトラックに引かれそうな小さな男の子を庇って、無残にも轢かれてしまったのです。
実にお姉ちゃんらしいといえばらしい『優しい正義』に満ちた潔い死に方のように思いますが、当時の私は理不尽だ!とこんなのお姉ちゃんも納得なんてしてない!と泣き喚いていました。
全てが満たされたように笑顔を浮かべて眠るお姉ちゃんの棺の前で、ね。
それから私は岩でも食らいつくかのように剣の道にのめり込んでいきました。
お姉ちゃんに少しでも近づきたくて、あの圧倒的に強かったお姉ちゃんを見返してやろうとそう思って
必死に自分の体を苛め抜きました。
そしてその結果高校1年生の冬、私は達人達が参加する殺しの剣世界大会『つるぎのぶどうかい』で見事に優勝。
しかし世間では有りのままの公表というのは難しいようでただ剣道の世界大会で優勝したということになっていたようですが、それでも私自身への反響は凄まじいものとなりました。
これはシオンお姉ちゃんにも達成できなかった偉業だと、家族含め周りの人々は大いに湧きました。
しかし逆に私は目標を見失ってしまった気分になったのです。
お姉ちゃんの面影を追って駆けたこの10年が全て無駄だというつもりはありませんが、何故かとても自分が空虚で剣に振り回されているだけの弱い女の子なんだなってそう感じてしまい、久しぶりに一人で泣いてしまったのを覚えています。
それから数か月後、私は親にお願いをしてよその高校に転校することにしました。
親は最初反対をしていましたけど、『新しい環境で剣を磨くのもまた一考』『あえて慣れないことをしてこそ上達につながる』と都合よく解釈してくれたようで、私を笑顔で送り出してくれました。
本当は全てをなげうって何もかもを忘れたかのように普通の一女子高生として学校生活がしたかったのかもしれません。
今でも上手く当時の気持ちは伝えられないのですが、兎にも角にも私は皐月が原高校に通うことにしたのです。
皐月が原高校を一言であらわすとしたなら、『普通』というのが一番ピッタリときます。
小奇麗にしている白塗りの校舎、少し趣を感じる体育館、適度に整えられたグラウンド、生徒も良くも悪くもはみ出し者のいない友好的な人たちばかり…
自分が元通っていた金持ちが通うような妙に整頓された、上辺だけの人間関係が築かれていた学校とは似ても似つかない場所でした。
(でもこれが退屈なんだ…)
思わずため息が出そうなのを慌てて平然とした顔で前に向き直し、真剣に授業を聞いているふりをした。
…それもそうだろう。彼らと私とでは授業内容に明らかな差があった。
私はここの内容を教わったのは中学3年生位だったと記憶している。
それを高校2年生の内容として我が物顔で授業を行うしかない教卓の先生方も大変だなと同情をこめた視線を送りました。
(…授業もそうなんだけど、私の練習相手がいないってのが少し不満な点だ。)
でもそれも分かりきったことである。
以前の学校のように特進科で運動ばかりしている人ならまだサンドバック程度にはなるのだが、ここは普通科高校。
部活でちょっとスポーツしてますよ程度の人しかいない。
これでは私の練習にはとても体がついていけないだろう。
(一時は剣を捨てて普通の子になるって本気でそう思ってたのにな。やっぱり私には剣が一番なんだ。剣をふるいたくて今もうずうずしてしまう。)
そう自覚したところでまたあの学校に編入するわけにもいかない。
せめてあと一週間後に迫った修学旅行中でもいいから、私の練習相手になりそうな人を見つけなくちゃと私は心の中で決意を固めて聞いたことのある単語が並ぶ黒板をただぼーっと眺めるのだった。
◇
修学旅行は沖縄5泊6日の旅だった。
今日はその一日目、飛行機から降りて荷物をバスの荷台に乗せ、私は深々と席にもたれかかりました。
時期は6月の真っ只中でまだまだクラスになじみ切れていない私以外は、皆楽しそうに隣や横の席とお喋りをしている。
私も会話の中に入ろうと努力しているのだが、話題は私がこれまで露ほども気にしたことのなかったファッションの話や恋バナ?ばかり…
完全に入るタイミングを逃した私は仕方なく本来の目的である『私の練習相手』に相応しい者を見極め始めた。
(おっあのがたいのいい大男なんていいかもしれない…でもなーあの人セクハラ魔人とか言われて女子の間じゃ嫌われてるし、生理的に受け付けない…
ではあの爽やかな美男子は…論外だな。全く体を鍛えている感じがしない。精々鍛えられているのは腰の動きくらいのものだろう。)
中々見つからない練習相手候補に、私がため息をつきそうになるのと同時に隣で盛大なため息が聞こえてきました。
私は驚いて隣の席の男子をマジマジと眺めてしまいました。
(びっくりしたー!…えーと確か彼は『堂ケ崎久音』君、だったかな?)
自分でも半信半疑な彼の名前を思うと何故か少しだけ胸が痛くなった。
…しかしそこまでの痛みはなかったので無視して私はもう一度彼をじっと眺める。
彼は巷で言うところの『綺麗な男の人』に該当している。
その中性的で端正な顔立ちから伸びる黒い艶やかな髪は、道歩く者達を振り向かせるには十分すぎる美しさだ。
瞳は黒真珠を思わせる漆黒の瞳で見つめていると魂ごと吸い込まれてしまいそうなほどに澄んだ憂いを帯びていました。
腕も手も足も男性とは思えないほど細く締まった印象を与えます。
普通の人が着るとダサく感じる我が高校の学ランも、彼がきればそれは舞踏会で踊る綺麗に着飾ったどんな衣装よりも美しい。
本当にただそこに立っているだけで日本刀のような相違一体の美しさを誇る彼が、隣の席に座っているという事実に今更ながらはじめて気づいた私は心の中で狼狽えていました。
(こんな綺麗な人が隣にいるのに気づかないとは!何たる不覚!…それに今思えば学校生活で彼を見かけた記憶すらないぞ!?)
近くで見るとこんなにも輝かしいほどに存在感を放っているというのに、なぜ日常生活で彼は気配を感じることに長けた私でさえも気づかない程目立たないのか。
全校女子に囲まれていても可笑しくないほどの美貌、なのに影が薄いとはどういった酔狂な人だろう。
私はいつの間にか彼に強い興味を持ち始めていました。
これは私がシオンお姉ちゃん以外で初めて人に強い興味を持った瞬間でもありました。
これから何かが起こる―――このとき私はそんな気がして、全身から恋にも似た甘い感情が湧きあがってなりませんでした。
◇
「…何?赤神さんって堂ケ崎くんのこと好きだったりするの?私を無視してそんなに彼のこと見つめちゃってぇーこのこの!」
修学旅行は3日目に入ってバスの座席も変更となり、隣ではなくなった彼を目で追いかけていた私は新たに隣同士になった彼女を憎ましげに見やりました。
「…別に?そんなんじゃないけど?」
「またまたー私の目は誤魔化せないんだからね!」
きゃぴっという効果音が相応しいほどに的確にこちらを苛つかせるポーズをした彼女のことは放っておいて、私は肘をついて不満げな表情を浮かべる彼を見ます。
…ここ2日間彼の行動を見た中で気づいたのですが、彼はどうやら団体行動というものを好んではいないようで常に一人で黄昏ているようでした。
表情はいつもどこか不機嫌そうで、折角の旅行なのに全く楽しそうにしていません。
なんか勿体ないです。もっと青春を謳歌すればいいのに…そう思わずにはいられませんでした。
「…でもホント不思議な人よね~堂ケ崎くんって」
「…確かにそれは言える。あんなに綺麗な男の人見たことがない。」
私が正直に彼を見た感想を言うと隣の彼女は腹を抱えて笑い出した。
「あっ赤神さんがそれをいうっ!?それなんの嫌味よ!ぷはははは」
「…?私はあんなに綺麗な顔はしてないぞ。」
「はあ?…赤神さん、あなたがどれくらい綺麗なのかちゃんと分かってるの?」
「え…?私そんなに綺麗か?」
「当たり前でしょ?男たちの中では『絶世の美少女、高嶺の花』、女子たちの中では『完璧超人、人形ちゃん』なんて呼ばれてるのよ?少しは自覚した方がいいと思うわよ?自分がいかに周囲に影響を与えているかってことを」
「…さっ最善を尽くそう。」
そう答えるのが精一杯で、私は一人頭に疑問符を浮かべていた。
私自身自分の顔が普通ではないことは自覚していた。
端正でありながら幼さを残した顔立ちに少し吊り上がった眉、それに控えめな胸がアクセントとなっているらしい。
また美人と可愛いの比率が7:3の割合らしく『優雅でありながら可愛い』らしいのだ。
無論私はシオンお姉ちゃんみたいな美人で包容力のあるお姉さんを目指しているので、まだまだ及第点には至っていない。
だからその突き詰めた結果であろう綺麗すぎるほどの彼が今の目標に定められている。
しかし周りの人たちは「これが最善で最高だろうが!」と何故だか私は怒られるのだが、それを私は理解できなかったりする。
「でも私は今以上に美人でかっこよくて包容力のあるお姉さんになりた「はいはい、あなたはそれで完璧なんだから。それ以上いじらなくてもいいから」」
むっ…やっぱり私が美人なお姉さんになることを皆が止める。
何故だ?何かの陰謀なのか?それとも・・・
「はあ…流石『人形コンビ』はどこかずれてるわね。ホント残念でならないわ。」
「…人形コンビ?」
「堂ケ崎くんと赤神さんで『人形コンビ』。二人とも普段無表情だし、堂ケ崎くんはフランス人形、赤神さんは日本人形っぽいもんね。」
「…なるほど」
納得した。
私が日本人形っぽいというのは甚だ疑問だが、彼は正にフランス人形に差支えないほどに似ていたのだ。
…なるほどだからなのかもしれない。
彼の名前を思っただけでも胸がチクリと痛んだのは、自分とどこか似ている彼に同調してしまったから。
それほどに彼とは何か特別な繋がりを私は感じてしまっている証拠なのだ。
「…彼は一体何者なんだ。」
「ん?普通…ではないけどただの高校生だよ。スポーツが苦手でよく体育を休んで居たり、テストでは常に全クラス5位以内をとったりするような普通の…」
「…いやそういうことが聞きたいわけではないのだがな。」
何故彼はいつもああやって黄昏ているのか。何故彼の存在を私は今まで知らなかったのか。(まあこれは彼が同じクラスではないのが大きな理由だと思うが…)何故彼は運動が苦手であると嘘をつき(一目見てわかる。一般人とは筋肉のつき方が違うのだ)体育を休んでいるのか・・・
多くの謎を抱えていて、多くのものを抱えているだろう彼に魅せられどんどん彼にのまれていくような感覚
しかし不思議と不快感はなく好奇心だけが気持ちを前へ前へと動かしていた。
こんな感覚剣の試合以外で感じるのは初めてだ。
もっとだ…もっと、彼に近づいていきたい…
そんな欲に駆られて私は思わず笑ってしまう。
「こわっ!赤神さんの笑顔マジ怖いっ」
「へ?…今のは私ちょっと傷ついた。」
ショック、自分の中で一番いい笑顔が出たと思ったのに
「ほらそんな顔するから噂の彼、今泣いちゃってるわよ。」
「…いやあれはただふて寝ているだけだと思うぞ?彼は今疲れているらしいからな。」
事実彼はさっきからふて寝を繰り返していて、今は完全に眠ったようだがここ3日間で一番機嫌が悪いように見えた。
「昨晩はしゃぎすぎたとか?…いや堂ケ崎くん的にそれはないか。」
「…ちょっと心配、だな。」
スケジュール表によるとこれから海で泳ぐ予定となっているのだ。
このままじゃ完全に彼は見学者コースである。
折角の海でそれは勿体ないし、彼の体を隈なくチェックしときたい私としては(無論やましい気持ちはこれっぽっちもない)どうやって彼を脱がすかをよく考えた方がよさそうだ。
「…なーにまた元気になるでしょ!それよりも今は海だよ!海!!」
「…この薄情者め」
そうはいっても今は修学旅行の真っ最中普段話をする機会がない彼女、久米田芽衣子とも自分は気軽に話してしまっている。
…普段は誰とも口きかない無口な私ですらこうなのに彼はあれでいいのか?
他人事ながら心配になってくるが、他のみんなはもうすぐ着くであろう海水浴場に気持ちが浮ついていた。
トンネルの中に入った。これを抜ければ海水浴場は目と鼻の先だと担任の先生は説明している。
バスの中の同級生たちは声を大きく張り上げ、テンションの高まりは最高潮であった。
私もトンネルを抜けたら待っているだろう海へと気持ちを引き締める。
バスは長い長いトンネルの出口へと一直線に向かっていく。
長い長いトンネルを抜けるとそこは――――――草原だった。
…信じられないであろう同級生のためにもう一度言っておこうと思う。
青い草の生い茂る草原DA☆
(なぜだ!?さっきまで海岸線を走っていたはずであろう?それなのにこのような道路のない草原に行き着くなど、明らかにおかしい!!)
この異常事態に一部パニックを起こしている者もいる。
誰も彼も冷静ではいられない状況で私は素早く彼の方に振り返ると、彼は未だに眠りに囚われていてこの騒ぎであるというのに全く目覚めるということをしない。
バスの車体が小刻みに揺れ始めた。
…無理もないことだ。道なき道を走っておるのだから、無論整備などされているわけもない。
地面には小石や砂利が大量に堆積していることだろう。
バスは次第に運転手のハンドルさばきを無視して、動き始めていた。
「うっ運転手!早くバスを止めるんだ!!」
「ムッ無理だ。ブレーキも効かなくなってる!!」
「…飛び降りるしか方法はないのか!!」
そんな絶望的な声が聞こえてきて、我が同級生たちは一層激しく動揺してあるものは肩を震わせ、ある者は現実逃避をはじめ、ある者は狂ったように踊り始める。
…このバスの崩壊もいよいよ猶予がなくなってきたその時、側方から30mは有るだろう巨体をゆらしながらこちらに向かう狼のようなものが見えた。
私は叫んだ。
『今すぐバスから飛び降りろ!!死にたくないやつはな!!』
私が叫ぶよりも前に側方から凄いスピードでこちらに激突せんとする狼のようなものを見た奴もいたことだろう。
存外皆素直にバスの降り口から、窓から外に飛び出した。
私も近くの窓からの脱出に試みた。
そして飛び出す私がバスから最後に見た光景は、放心状態の数人の生徒を懸命になって逃がそうとする教師達の姿と彼が未だに眠っているその向こうで赤い瞳を爛々と揺らしている『化物』だった。
「くっ…!?」
私はなんとか受身をして大事には至らなかったが、ほかの同級生たちはそうはいかない。
足を骨折したのかその場で蹲る人、頭から落下した所為でその場から動かない人(あれは多分即死だろうな。痛みを感じる前に死ねたのは幸か不幸か…)無傷でいるのは少なく歩くのも困難な者が殆どだ。
(…自分が不甲斐ない。「剣の道で右にでる者はいない」とまで言われた私がこの有様とは)
私は奥歯を噛み締めた。
目の前では今まで乗っていた大型バス(定員120名の内生徒が95名、教師8名、運転手とバスガイドさん、カメラマンが乗っていた)が木っ端微塵に爆発を起こし、その爆発に巻き込まれた人は半数以上にも及んでいることだろう。
人間であったそれが爆風によって宙を舞っているのがわかる。
…これで私たちのほとんどは死んでしまったことになる。
確認はしてないがおそらくあの爆発だ。
彼も死んでしまったことだろう。
ものの見事にその身をバラバラにされ、肉塊となってそこら辺の地面にほかの同級生と同じように…ね。
…せっかくシオンおねえちゃん以来初めて強い興味を持った人間であったというのに、悲しいことだ。
あーとても悲しい。
(…それはそれとして、今はどうやってここを生き残るかというのが先決だな。)
でも『悲しい』かな
私は人が死んで『悲しい』という気持ちをどこかにおいてきたらしい。
それはシオンおねえちゃんが死んだときだっただろうか?…それとも剣の修行のためだと師匠に言われてこの手で何人もの命を殺めてしまった頃だろうか?
(まずは手負いの者を安全な場所に移動させ、私とほか戦えそうな運動部でも数人つけての時間稼ぎが一番妥当だろう)
それがいいのか悪いのか今の私には分からない…
でもそれでいいと私は思う。
少なくともこの場から一歩足を動かせるだけの冷静さがまだ保てていれば、今は
私は歩き出した。
足元の久留田芽衣子の生首を見て狼狽えことすらなく、一目見ただけで私は前を向きなおす。
私は…私だけはこの場で誰よりも冷静に状況を確認しなくてはならない。
それが『強者』ということだし、私の一族の誇りだから私は前を向かなくてはならない。
(絶対生きて返す。これ以上の死者を出すつもりは毛頭ないぞ?『化物』)
私は目の前の『化物』を睨みつける。
化物は全身を怪しく光り輝かせ、まるで私の覚悟をあざ笑うかのように挑戦的にその赤い瞳を私に向けたのだった。
ひとがいきなりしにすぎてつらい!
でもそれに臆することなく無表情で先頭をひた走る『人形コンビ』、それがこの物語の主人公とヒロインなのさっ
…なんかゲテモノすぎる気がしてきた。だい、大丈夫だよね?
改めまして次回予告
回想編の続き、赤神さん狂気に身を染める?