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532回目の異世界

よろしくお願いします。

やたら大きな音を立てながら真横を通り過ぎる大型のバイク、そのあまりにも耳障りな騒音に俺は少しだけ気分を害して薄目を開けた。

ここは沖縄にある小さな小島、島の名前を名前を忘れてしまって申し訳ないがそれは兎も角として俺は人生初の修学旅行に来ていた。

小学生と中学生の頃はとある事情で泣く泣く修学旅行を諦めるしかなかったため、こうして無事沖縄へと来られたことはとても嬉しく思う。

現在は一日目の社会科見学を終え、この修学旅行のメインと言っても過言ではないだろう海へとその足を伸ばしている。

ただ朝からずっとバスの中なので、気分はあまり良いものでなかったのは残念でならない。

開けた目の端でバイクよりも五月蠅いのではないかと思わず疑ってしまうほどの騒ぎっぷりが嫌でも映ってしまっていることもこの気分の悪さに拍車をかけていた。

こいつら思いっきり怒鳴って一人残らず有無を言わせることなく黙らせてやろうかなと割と本気で俺は考えたのだが、それで皆から注目されるのは後々めんどくさいかなと思ってやめた。


…日差しが眩しい。外は一面の海景色で東京ではまず見られない一種の神秘めいたものがありしばらくじっと眺めていたのだが、変わり映えはしなかったのですぐに飽きてしまう。

仕方ないので俺は開けていた目を再び閉じて、うたた寝を開始する。

しかし早々寝入るわけもなく、仕方なく俺は昨晩の出来事を思い返す。

思い描くのは資料館で見た戦没者のお墓、戦争の爪痕、そしてこれまで俺が体験した『世界』のことだ。



(昨晩行った『異世界』は最後まで信じては裏切られ、信じなくても裏切られ、だったからな~なんとかこの手で救ったんだけどいまいち納得出来ないというか…なんていうか…)




俺は目をつぶりながら昨晩の『世界』を振り返る。

朝からテンションは急降下、はっきり言って今日は一日ふさぎ込んでいたい気分になる程上手くいかなかった。

いつものように自分の悪かったところを自問自答、繰り返されてきた作業ともいえる。しかし周りはそれを許してくれず、こちらの気も知らないで妙なハイテンションを続ける。五月蠅くて仕方がない。

ここまで他人と距離を感じたことはないだろう。果てしない疎外感が俺を包む。

最もこれは俺のせいでしかないんだろうな。俺がこのような特別な体質であるから、だから交わることなどできないし、理解もされない。

俺はため息をつき、長時間同じ体勢でいたため座る位置を変えた。

すると前のシートが動き出し一人の男子高生がこちらへと顔を向け、話しかけてきた。




「お~い久音く~ん、このお菓子ホントに美味しいんだよ?食べてみるといいよ!」




ニコリと笑って顔を見せたのは幼馴染の安藤清詞あんどうきよし、小学校からずっと同じクラスで高校まで一緒になっている腐れ縁の仲である。

しかもこうして修学旅行では前と後ろの席にいるとは多少なりとも運命ってやつを感じてしまう。

…まあ所詮男であるだからあまり嬉しい感じもしないが、持つべきものは何とやら人と人のつながりは無視などできない。

人懐っこい笑顔で皆に愛想のいい清詞は、俺みたいな仏頂面でこんなお祭りムードな中つまんなそうにしているクラスメートなんかにこうやって積極的に話しかけることが多いのだ。

だからこれもそんなお人よりの結果なのだろうけどお生憎様、今俺はお前を構ってやる余裕がない。

だから少し強くいかせてもらうぞ。

誰に確認しているのか分からぬそんな問いに勿論目の前の清詞が答えてくれるはずもなく、俺は拒絶の言葉を口にした。




「いやいいわ。お腹すいてないし」





そう断言しておきながらも薄目で清詞の方を見るとその手には確かに黄色いスナック菓子のようなものが握られているのが見えた。

…でもそのスナック菓子は全国どこでもコンビニでも行けば食べられるポピュラーなやつだし、珍しくも何ともない。

それに俺がお菓子如きで易々とつられるほど軟な性格していないことくらいお前だってわかってるはずだろう?

ならば何故それで俺の気をひこうと思ったのか小一時間問いただしたい気分である。

…まあそんな面倒なこと絶対しないのだけど。






「…なんだよ~昨日の夜トイレ行ってからノリ悪いぞ~?久音くん、なんかあったの?」





いえないわートイレ入ったら『異世界』に連れ込まれて?そしてなんだかんだで世界救いました的な?そんな戯言を誰が信じるっていうんだい?

だから例え幼馴染の清詞であっても言えないし、言わない。

それに何も異世界に行ったのはこれが初めてというわけじゃないのだ。

実に数百回にも及ぶ異世界転移を10歳の頃から経験している。

そりゃあ最初は楽しかった!自分が伝説の勇者に崇められて、TVの中で輝いていたヒーローになることが出来た気がして気分が良かった。

でもそれも20回を超えたあたりから段々と鬱陶しく退屈に感じて、陰に潜むように剣を振るった。

世界を救うために目立つ必要などどこにあるというのだろう。

何回も何回も何回も、異世界に訪れては宇宙へと旅立ったり、国王として君臨したり、魔王を倒したり…

もう嫌気がさしているのだ。誰かこの終わらぬ異世界転移連鎖を断ち切ってはくれないか?

俺は誰に言うでもなく反論や思いを声には出さず、心で叫んだ。

しかしそれでは伝わるものも伝わらない。ならばどうするか、俺は必死に言葉を探し回るが見つかることはなく。




「…別に、なんでもねーよ。」





ぶっきらぼうにそう答えするしか方法はない、俺は目を思いっきり瞑った。

もし清詞にこのことを正直に告白して信じてもらえる保証も、その結果何が変わるわけでもないのだ。

…もうこれは自分の異世界に迷い込みやすい体質が悪いんだと、そう嘆くしか方法はないのかな?マジ世の中つらたんでしかない。

俺は世界を恨み蔑んだ。それしか俺のとれる手段は残されていなかった。

それに納得でも行かないらしい清詞は俺に食って掛かろうとするが即座に俺が眠気を理由に退ける。



「もうっいつもいつも久音はクールぶっちゃってさ!もう少し人に頼るとかし「はいはい分かった分かったから、少し寝かせてくれ。俺今物凄く眠いんだ」」




強引に会話を終わらせて俺は眠りの世界に身を落とした。

よほどのことが起きない限り俺が起きることはないだろう。それは絶対で絶体だ。

チラッとまた清詞の方を見てみるが、こちらのことは諦めたようで冷たいバスの座席しか見ることが出来なかった。

これで俺の睡眠を邪魔するものはいなくなった筈だ。

…他に何やら不審な視線を感じないでもなかったが、(異世界では)割と常に感じていたことなので無視するに限る。

では心おきなく寝てしまうとしよう。





「…おやすみなさい」




俺の意識はそこで途絶えた。

そして次に目覚めた時それは







         ◇  








起きた…起こってしまった…本来ありえるはずもないもの、異形が目の前に現れる。

どうしてこんな目に…いや、違うな

どうしてまた異世界に…が正確な答えだ。

辺りはバスの残骸が飛散しており、黒い煙も立ち込めている。

見通しは最悪で数メートル先も見えやしない。

しかし俺の前に何かがいるのは分かる。しかもそれは地球では考えられないほどの大きさで、推定30mといった所だろうか。

漂う緊張感も半端ではない。

ここがすでに日本でないことは何回も異世界転移してきた俺にはすぐに理解できたし、異世界であることには間違いないであろう。




(しかしなぜこのタイミングで…いやそれよりも何故皆を巻き込んで転移したのかという方が問題か)



今まで幾度となく異世界に訪れている俺だが流石に一日もたたず転移することは初めてであり、しかもそれが同学年を巻き込んでの転移などあり得ないことなのだ。



(俺のせいか?みんなが巻き込まれてしまったのは…)




俺はみんなを巻き込んでしまったと自らの無意識の所業を悔い、唇を噛みしめた。

しかしいつまでもこうしているわけにはいかなかった。

何故か目の前の巨体はこちらに攻撃してくるような素振りを見せないが、いつその巨体でこちらを攻撃してくるとも限らない。

反撃の準備はしっかり整えなくてはならないであろう。

俺は力の確認作業へと移行する。全ては目の前の化け物、まだ正体の見えない動かない化け物の為。

静かに決意を決める俺が唱えるは異世界の不思議な力であった。



付与魔術ゲベートツァウバー・オン――――――ダメだ全く力が湧いてこない。どうやらこの世界では魔法が使えないらしいぜ。)




舌打ちして俺は拳を握りなおす。

俺が今使った付与魔術というのは身体能力を一時的に数倍にまで上げる魔法だったわけだが、それは不発に終わってしまった。

しかしこれはなんら珍しいことではない。

数多の世界において魔法という概念そのものが存在しない世界も少なくなく、ここもそんな世界の一つだということだ。


『概念なくしてその力を行使することはできない。』


それが数多の世界に存在する数少ない掟の一つで、それを無視することなど神でも出来ないとされているものである。

なのでこの世界で魔法を使うことは出来ない。断じてね

ちなみに地球で魔法を使うことは一応可能だ。

地球ではなんだかんだでファンタジーとして、一般にもそこそこ知られているし概念は存在している為問題なくできる!

…まあできるっちゃあできるがそれは魔法が存在する世界よりも体内の魔力を激しく消耗してしまうのだ。

俺は元々一族の中で魔力がとりわけ多いわけではないし、寧ろ圧倒的に少なく空気中の魔素と呼ばれる魔力の元を媒介にして魔法を放つことを生業にしてきた男である。

とてもじゃないが魔素が完全にない地球では破壊力抜群の魔法をおいそれと放てるわけでもなく、精々指から少量の火をおこしたり、水を少量発生させたりできる程度しかできないのだ。

そんな自分がとても情けない。折角ある力を使えないなんて勿体ない気がする。

しかし嘆いたところで現実は変わらない。改めて俺は現状打てる策を講じ始めた。




(畜生!完全に不利な状況だぜ!こりゃあ)




冷や汗が首を伝わって服の中へと入りこむ。

見つからない生存への道、閉ざされた我が命。

こうなったら拳神から直々に教わった格闘術でこの場を乗り切るしかないのだが、果たしてここまでの巨体にたかが人間一人の格闘術が通じるのか?

ということが心配である。…こんなところで死にたくはないなおい

ようやく周辺区域に纏わりつくように発生していた黒い煙が風で流され、周りの状況がより鮮明に見えてきた。

まず見えたのは夥しい焼死体の数々、さっきまであんなにはじゃいでいた同級生がこの有様だとまるで嘘のようだ。

中にはそれが人であったかも疑わしいほどにばらばらにされた肉塊と呼ぶべきものも存在していた。

…これは普通の人がみたら吐瀉物をぶちまけるだけじゃすまないであろう。それほどに悲惨な状況だ。




(うげーこりゃあ戦場慣れした俺でも少しばかりきついぜ。よくこんなのに耐えられるなあいつら)




そう俺以外にも目の前の狼を模した機械獣に挑みかかろうとする命知らずが少なからずいたのだ。

その数5人!――――まあいないよりはましだと思う。

サッカー部のキャプテン、野球部のエース、バスケット部のキャプテン、生徒会長とうちの学校の層々たるメンバーが軒を連ねる中に一人だけ女生徒が混じっている。

あれは確か今年転入してきた赤神朱音あかがみあかねという少女で、まだ幼いながら剣の道で右に出る者はいないと世間に言わしめたまさしく天才剣士の一人であったと記憶している。

でその彼女が睨みを利かせているため、あの狼のなりそこないみたいな機械獣も動けないと俺は予想していた。

他の誰が見てもそう思うであろう。だって他の奴ら若干涙目で足をガクガク震わせているのだ。

頼りがいは皆無と言っていい。それでも男か!と思わず叫んでしまいたくなった。




(まあ俺だってこんな異世界転移体質じゃなかったらお前たちと同じ反応をしてただろうけどさ。…もっとこう、シャキッとしてほしい。)




煙が晴れて俺の姿をようやく見ることが出来たのか、5人とも驚いた顔でこちらを凝視している。

…うん、普通は死んでるだろうねー俺の足元を見る限り俺の席も相当な衝撃であちらさんにぶっ壊されただろうからねー人間であるのかも疑わしいレベルだよねー

でもこれが10年間異世界転移に付き合ってきた男のしぶとさよ!舐めてもらっちゃー困るぜ。




「…あっあいつ生きてる…のか?」


「ありえない!あそこは正しく化け物の体当たりを真っ向から食らったところだろ?普通の人間なら生きてるはずがない!!」


「じゃああいつは普通の人間じゃない…?」


「…もしくは目の前の『堂ケ崎久音どうがさきくね』は僕らの知る『堂ケ崎久音どうがさきくね』じゃなくて、彼に擬態した別の何か…!?」


「……………」



…何やら俺を巡って会議が始まったようだ。

まあ仕方がないこととはいえ、驚かせてしまったようだな。なんかあのうろたえぶりを見ているとこちらが申しわけなくなってくる。

…あとで謝っとくか。正式に

でも申しわけない気持ちを一瞬忘れてしまうほどに生徒会長は面白い推理をしていた。俺に擬態した別の何か説…面白いね。

ぜひそれで一本小説でも書いてみようぜ?手伝うからさ!




…さてと、冗談はこれぐらいにして俺は最後に目の前の狼もどきに視線を向けた。

彼(彼女?性別は分からない)のぎらぎらとした赤い眼が一瞬だけ俺をとらえた。

しかしすぐにその眼は俺とは反対方向にいる5人の同級生に向けられる。

どうやら俺は文字通り眼中にないようだ。確かに気迫も何もかも抜け落ちちゃってるからな~今は危険性は少ないと判断されても仕方なしだな。



(しかし興ざめだよーこいつが相手ならこんなに肩の力入れんでもよかったなあー)



俺はため息をついて肩の荷を下ろして、瓦礫のそばに寄り掛かった。

その姿を同級生5人も不思議そうな目で見つめていた。

何故ここまで俺がやる気をなくしたのかというと、ぶっちゃけ巨体の正体が狼もどきの機械獣だったからである。

あの機械獣とは一度戦ったことがあった。いや、戦うというのもおこがましいほどの大量虐殺…かな?

何せ奴らは弱い!死ぬほど弱い!俺にとってはドラ○エでいうところのスライムレベルなのだ。

こんなの目をつぶってでも倒せるんだけど、これ以上同級生たちに白い眼で見られたくはない。

だからここではただ『威嚇』をして、こちらから退場することをぜひ期待したいところである。

勿論自暴自棄になってあちらさんが襲い掛かってくる可能性もあるが、まあその時はその時で偶然を装って倒せばいいだろう。

ギブアンドテイク!人間やってみることが大事なんだってどこかのテレビで言ってた気がする。



(んじゃいっちょやりますかー)



俺は瓦礫から離れそして狼もどきを睨み、一瞬だけ凝縮して殺意を込めた視線を送る。

すると狼もどきはそこが潮時だったとでも言わんばかりに一目散に西の方へと駈け出した。

勿論同級生はその光景をただ唖然として口をあんぐりと開けていたが、それにはお構いなしに狼もどきは走りついに姿が見えないところまで行ってしまう。

…うん、中々に素直な奴だったよあいつ。聞き分けのいい子は嫌いじゃないぞー




「あいつ…逃げて行っちゃったぞ?」


「一体なにが…」


「俺らのクラスメートを大量に殺した犯人をこの手で殺せなかったことが心残りだな。」


「…もしかして朱音さんが何かやったの?」


「…私は何もしてない。」




5人は5人とも俺がやったとは露とも思っていないようだ。

…よかった。これで多少は恐怖とおびえの目で見られることもなさそうだ。

俺は少しだけ胸をなでおろして、5人に合流した。




「…詳細を教えてくれるか?」




「…あん?詳細ってそりゃあーバスがトンネル抜けたと思ったらさ?いきなり景色が変わって…」


「そうそう!いきなり草原に出ちゃってびっくり!車道もないから車体滅茶苦茶揺れたよな。」


「…ああ、そしたら今の狼みたいな機械で出来たやつがいきなり襲ってきてよ。バスは全壊。ほとんどの者がその爆発で・・・」


「で、何とか爆発に巻き込まれなかった30人程度の生徒があいつから逃げてそっちの森の中に逃走。俺たちはこいつを足止めしてたってわけ」




「…了解。大体のことは把握した。」




俺がしみじみとそういうと、未だに疑いの目をかける5人は一斉に俺に質問してくる。



「で?てめえはホントに『堂ケ崎』か?」


「ちょっと信じられないよね。あの爆発直下にいた人が生きてるなんてそんなこと」


「俺もその意見に賛成かなー?」


「…何か隠していることはないか?『堂ケ崎久音どうがさきくね』?」


「…私はあなたがバスが爆発を起こすその時まで爆睡していたところを見ている。言い逃れはできない。」



「えっえーと。。。」




俺は考えた。この場を何とか乗り切る妙案をひねり出そうと必死だ。


本当のことを言うと昨日の夜異世界に行ったときに『一回だけあらゆる衝撃から身を守る』魔法をかけておいたのだ。

結局それを使う機会もなく帰ってきたからすっかり忘れていたが、まさかここで発動するなんて思ってもいなかっただけに俺でも少々びっくりしている位なのだ。

だからと言ってそんなことを言って信じてもらえるはずもなく、だから俺はそれ以外で彼らを納得させるような妙案を・・・・




「ん?あれは…」


「…何?誤魔化そうとしても無駄だよ?」


「…いや違う。ほらあっちのほうから…何かが向かって…」


「「「「「え?」」」」」




俺以外の5人は俺が見ている方向にいち早く向いた。

じっと眺めていると彼らにも見えるだろう。さっきの狼もどきが大量の仲間を引き連れてこっちに向かってくる様が




「さっさすがにあの数は無理じゃないかな?」


「逃げろ!早く森に逃げるんだー!!!!」




生徒会長の声が足がすくんで動けなくなっている彼らを動かした。

彼らは次の瞬間、流石運動部と呼ばれるほどの瞬発力をみせて、我先にと近くにある森に走りだした。

俺もそれに遅れないようについていく。(本気を出せば彼らを簡単に抜き去ることが出来たが、意味はないので俺は少し遅れる形でついていく。)




「…後でちゃんと理由を聞かせてもらうからね?『堂ケ崎』くん?」


「ん?…分かったよ赤神さん。」



彼女はその答えに満足したのか少々勝ち誇ったような顔をして先に進んでいった。

それに対して俺はと言えば、赤神さんは俺と同じく普段あまり感情を表に出さない子だから珍しいもん見れたなと嬉しくさえ思った。



こうして俺らは森の深く深くへと足を運んで行った。そこに何が待ち潜んでいるかも全く知らないままに…

ただ運命の歯車は静かに回り出したのであった。

次回予告

次はヒロイン赤神 朱音をベースに書いて行きます!


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