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幕間:ベアトリスの真意

ついに明らかとなるベアトリス叔母さんの真意。

目的は何なのか。

シアンは止められるのか……

見届けてください。

ベアトリスはとぼけたフリをして、

屋敷の中を散策する。


「兄さん……」

「あんなにいい子を置いて死ぬなんて……」

「馬鹿よ……」

深くため息をつくベアトリス。


「ばあさん」

「どこにいくつもりですか?」

「お嬢様を騙すために……」

「白々しい演技までしやがって……」

鬼のような形相で、にらみつけるシアン。


「あらあら、シアン」

「バレてたのね?」

ベアトリスはしらばっくれる。


「……当たり前です」

「屋敷中の会話は全て魔力を、」

「使って監視してます」


「とんだ地獄耳ね」

わざとドン引きしたフリをするベアトリス。


「黙れババア」

「目的はわかってるぞ」

「カトル様の書斎だろ?」

もはや敬語も消えているシアン。


「そんな殺気を漂わせないで」

「屋敷どころかセカイが、」

「吹き飛びそうよ」

「それに……」

「私が死んだらアリシアが悲しむわ」

ベアトリスはおどける。


「ちっ……」

「どこまでも食えないババアだ」

「さすが帝国の諜報員は隙が無いですね」

シアンは本題に入る。


「あら、どこからわかってたの?」

ベアトリスは、

少しだけ驚いた顔をする。


「最初からです」

「その羽織り物は帝国の名産品」

「貧乏人の苦労したばあさんが、」

「買える代物ではありません」


「それに独特の歩き方」

「周囲を伺う視線」

「突然の帰還を装う周到さ」


「アリシア様を懐柔し」

「屋敷に居座る図々しさ」

ベアトリスに指をさすシアン。

名探偵顔負けの推理力だ。


「最後の方は私情が入ってない?」

ベアトリスは呆れた顔をする。


「その通りです」

「さて、消えるか立ち去るか」

「選択肢をあげます」


「私はね……」

「人生の全てをかけて……」

「あの愚かな王と王国に……」


「復讐するために戻ってきたのよ」

「絶対に引き下がらないわ」

諜報員としての凄みを見せるベアトリス。


「そうですか」

「交渉は決裂ですね」

「今から王城に送って差し上げます」


「私からのご厚意だと、」

「思ってください」

笑顔で宣言するシアン。

目が笑っておらず、

冷酷な執行者の顔だ。


「アリシアから解雇されるわよ?」

ベアトリスはまったく恐れていない。


「構いません」

「それに……」

「お嬢様を利用するのだけは悪です」


「おお、愛が重すぎてセカイが滅びそうね」

両手をヒラヒラさせて煽るベアトリス。


「私が欲しいのは禁忌の道具だけよ」

「それがあれば王国を滅ぼせるわ」

「でも開けられないようだから……」

「……あなたに手伝って欲しいの」


「ああ、あのガラクタですか?」

シアンは思い出したかのように言う。

「え?」

唖然とするベアトリス。


「あれは破壊して吸収しました」

「中の情報は非公開です」

「来るべき時に開示する手はずになってます」


「カトル様と約束したので……」

「必ず情報とアリシアを守れ」

「命にかけても」

「ということで残念でしたね」

シアンの表情は一瞬しか見えなかったが……

その勝ち誇った顔にイライラするベアトリス。


「さあ冷めないうちに夕食にしましょう」

「ばあさんはドクダミおかゆが、」

「いいですよね?」


「シアンー!」

「叔母さん!」

「どこなの?」

「もう夕食にしない?」


明るい声が廊下に響き渡る。

ああ、この声はずっと聞いていたい……

シアンは内心喜びを感じる。


「今向かいます」

「ベアトリス様はお腹が痛いそうで……」

「遅れるようです」


ベアトリスはその場に立ち尽くし、

計画が破綻したので絶望している。

シアンは涼しい顔で立ち去っていった。


「さてとドクダミおかゆを作りますか……」

「食欲も失せてそうですから」

厨房で気合いを入れるシアン。

「アリシア様はシチューとパンでいいですね」

可愛らしく鼻歌交じりで、料理を作り始める。


シアンが優秀すぎて絶望するベアトリスどうでしたか?

喜々としてドクダミおかゆを作り出すシアンを、

好きになってくださったら嬉しいです!

続きも楽しみに待っていてくださいね。

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