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夢中躍動

初投稿になります。見つけていただきありがとうございます♪


史実に忠実ではありませんのでご容赦くださいませ。

寛大なお心でごらんいただければと思います。

山中の獣道を焦燥した集団が歩いている、中には傷を負った者もいるようだ。


先頭を歩く少年は、ここまでの道のりを思い返してなのか傷を負った者を心配してなのか、それとも両方なのか…泣き出しそうな顔をしながらも時々振り返りしていたが、木立の間からの光景にクリっと闊達な目を更に大きく見開いて少し安堵したような表情になり


「和上、人里があります!助かるかもしれませんよっ!!」

と後ろを振り返りながら叫んだ。


「スーのばかっ!?気付かれたらどうすんだよ!お前はいつも慎重さが足りないんだよっ」


集団にいた知的な細い目をした同年代の少年に注意されるとしまったという表情をしながら辺りをキョロキョロ見回していた。


傷を負った和上と呼ばれた人を支えるように歩いていた、和上と同じ衣の屈強そうな青年が離れた場所の岩を見据えながら


「そこにいるものよ!何用か!!」


突然内力を込めた鋭い声で岩に向かって発すると立っておられず岩に隠れていた者たちは転げるように飛び出した。

一同に走る緊張感とは裏腹にヨロヨロと立ち上がったのは、スーやカンと変わらない年頃の少年と少女の2人。


「さすが岳衛(がくえい)さま!先手必勝ですね」

スーと呼んで嗜めた少年カンが声をあげる。


「かはっ ゴホッゴホッ」と隠れていた2人は気を当てられむせ返り呼吸を整えながら少女がもう1人の少年に涙を浮かべながら少年に何やら喋りかけている。



この騒動に捉われていた一行は気づかなかったのだが

バキバキっと倒木を踏み割り突然下方からすごい勢いで駆け上がってくる坊主頭の僧侶が1人


「待たれよ〜待たれよ〜!!」


中年の体格のしっかりした男が必死にさけびながら。


「岳衛さま、言葉がわかるようですね」

と、カンが言うと


「なかなかの力も持っているようだな、気を抜かぬように」と岳衛、更に静かに


「そこで止まられよ」


その男は素直に応じると両手を合わせ合掌しながら


「私は麓の里に住む小笹(おざさ)と申す僧侶にございます、そこに倒れておる2人の子をお助け願いたく」


岳衛が手のひらを向け


「その前に、なぜ我々の言葉がわかる」


「はい、我々の里は都への街道から近いゆえ使節の方や商人らと交流するうちに」


「なるほど、ではこの子らは何故我々に近づいたのだ」


「それは、その少年が里に帰って来るなり山に入ったら怪我をしたお坊さまがいるから薬を持っていってあげないとと薬草を持って飛び出たので慌てて後を追いかけてまいりました」


一同は愕然とした、誰も気配を感じ取れなかったことに


「気づかなかっただと…」


特に岳衛は驚き、このまだ幼さが残るような少年がという思いと確かに先ほど感じた気配は最初2人分では無かったからだ。


そのやりとりを怪我をしながらも見守っていたリーダー格の人物が


「南無阿弥陀、元より我々はこの地の方に危害を加えるつもりはありませぬ、確認せず子供に気を当てるなどむしろこの者の修行不足、しかも我々を気遣い来てくれた優しい子らでしたか、小笹殿にも何卒お許し願いたく…」


と最後の方は苦しそうに、だがよく通る声で話すと一行は皆頭を下げて詫びを入れる。


もう1人道服を着た者が


「私は将小遥(しょうしょうよう)と申します」


声からは女性の道士のようだ。


「こんなことになり申し訳ないのだが恥を忍んでお頼みしたいことが、怪我人もおりますうえに長旅で皆疲れております、しばらく里で休ませてはもらえないだろうか?」

「全員が厳しければ怪我人だけでも…」



「なんの、元よりそのつもりで追いかけてまいりました、それほど広くはありませんが皆さまをお連れするくらいなら大丈夫です」


と小笹が心良く答えると

バキバキと倒木を踏み割り駆けてくる音が


「いたぞ!!あっちだ」


「小笹和尚、着いてきてって言って!」


といつの間にか覚醒した少年が一番に駆け出し促す


「着いてこいと言っております」


皆無言でうなずき後に続くと一面に笹が生い茂った場所にきた、すると少年が合図し笹に飛び込むと姿が消えた。


「どういうことだ⁈」


不思議に思いながらも従うと急に足場が無くなり暗闇に


「なるほど、笹に覆われて見えなかったが溝があったのか」


雨水の通り道になった溝ができているようで大人も中腰になればすっぽり見えなくなる。溝は麓の里近くまで続き程なく下山できた。


追手は急に消えた一行に驚き辺りを捜索するが目視だけでは見つけられなかった。


「面倒なことになったわ」

「この山中で仕留めておきたかったのだがな」



麓に見える里を見下ろしながら武装していた追手の隊長らしき人物が呟いた。


…………………………………………………………………

……………………………………………

…………………………………



………ドカッ ゴスっ 


ズルッ ガンッ…「……… ったぁ」

バスが信号で停まったのと、隣りの席の友達がふざけ合って勢いよく倒れてきたようだ。


「後ろ!静かに座っとけ!!着くまでに怪我して病院やぞ!」

担任の先生の怒号が聞こえる。


「お前よくこれだけ騒がしい中寝れるなぁ」

ぶつかってきた友人も呆れている


「…ぅん〜〜」

「寝てたのか?それにしても変わった夢だったなぁ」


「何なに、夢までみてたの」


「あぁ、昨日晩に香港アクション映画観てたからかな?」


車窓からは大阪と奈良にまたがる金剛・葛城の山並みが蒼く見えていた。












いかがでしたでしょうか?といってもまだ何も始まってもいない状態なので感想もないのかもですが、初めて自分から行きたいなと思いってたどり着いた大峯奥駈道で出会った人や景色も含めた神秘的な空気感が出せればなと思います。

大峯山寺から大峯奥駈道を進むと遙か続く山並みの先に何があるのかロマンとワクワク感でいっぱいになったのも思い出します。


それではよろしくお願い致します。

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