お前は何を売っているんだ
─人と金属と槌の音の町。
─ドワーフの国。
国の名はヴィシソワーズ。
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「なんかもうちょっとイかした名前にならんかったの? 大臣さァ…」
「おい国王。お前その立場でそれ言う??? ご先祖に何か言う事ない?」
「語呂わっるwww」
「バチヒゲがよォ…」
「今はワシが1番偉いもーん。なんだ、運営方針に文句あんのかヒゲ」
「ねぇよヒゲ。 国益右肩上がりじゃボケ。 有能カス」
「君褒めてけなすの上手いね♡」
「おかげさまでな!!!」
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王? とその臣下の大臣による取り留めのない会話とは全く関係ない場所。
─都市が確認できる街道。 冒険者達が通行を良くする処から少し離れた崖─。
「ククク…“見”えたぜ…アレが俺様の次の“ステージ”だな…」
「はいはいそうだねー。聞いた感じだと他の大陸とも交易が盛んだって聞いてるし見たことないの沢山あるかもね〜」
「ほぅ…それは俺様の拠点にしても面白そうだな…ヨシ決めた! 行くぞ!!」
「決めたも何も都市に行く目的なんだけどね…後、片膝立てて顎に手当てる程のカッコつけしてるところ悪いんだけど危ないよ? 崖だよ」
「クハハ危ない? 俺が? 有り得ないなぁ!? 見よ! このイハロゼ様の尊大なる勇姿オギャッ!」
「はい莫迦。 そんな端いたら足場崩れて踏み外すよねぇ」
「助けて! 助けて!下ヤバい! スゲー高い! 落ちたらヤバいって!」
「えー…美しいもの以外あんまり触りたくないなぁ…」
「助けて! 落ちる! タニクロサァン!!」
「うるっさ…はいはい」
「違うの! 手! 手でたすけて! ホネ筋肉どこにあるんだよ!! フゥーーーーーーー(安堵の溜息)」
「タスカッテヨカッタネ」
「ッぺ! 雑魚崖がよ! ちょっとばかしビビらせやがって!!」
「キミが悪いと思わない?」
「そんなこたぁねぇな!! 脆いカス足場が悪い! よって俺は無罪!!」
「うーんこの。 で? もう様子見は気が済んだ? 僕は良いけどキミが選んだ道多分この先こんなんばっかだけど。 行く?」
「やっぱ普通の道にすんべ」
「ハイ」
謎の全身黒コートで特異に目立ち、なおかつ騒がしい男。
一方ボロきれのローブを纏いながらも不潔はなく静かで厳かな杖を持った女性。
─謎の2人組が都市の門を叩こうとしていた。
to be continued…