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死獣神~腸の書~  作者: 天馬光
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柚の生態(1)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。

 猫宮柚。学校では天然ドジっ子として通っている龍のクラスメート。その裏の顔は、黒猫というコードネームとコピー能力を持つ生粋の拷問殺人狂であり、親の仇である龍と特捜5課の命を付け狙う復讐者。

 龍と激戦を繰り広げたあの敗戦以降、死獣神入りした彼女は、ほぼ全ての依頼に関わるという雇用条件のおかげで、グングンと依頼数と獲得報酬を伸ばしていき、現在最古参である朱雀に次ぐランク3位の殺し屋となっている。

 その一方で龍への復讐も未だ諦めておらず、スキあらば彼の命を狙う毎日を送っていた。


 ところが、もうすぐゴールデンウイークに入ろうかという平成18年4月28日。生徒らも登校し、活気づきだした教室に彼女の姿は無かった。


「あれ? 猫宮さんは?」


「そういえば、いないね。欠席かな?」


「だとしたら珍しいな。ネコが学校休むなんて」

 ほぼ皆勤賞の柚の不在について、未来や宙らクラスメートらと一緒に龍達が口々に話し合っていると、担任である紫乃が教室に入ってきて、彼女の口から、柚が高熱で欠席したという報告がされた。

 学校では元気印の天然娘な彼女が風邪をひいたことに、龍達生徒はざわめいた。


「あいつも人の子っちゅーわけか」


「そりゃそうだよ。なんだと思ってたの?」


「なので、後で誰か彼女の見舞いついでに、宿題とプリント類を届けに行ってあげて」

 紫乃はそう言ったあと、自身の担当である国語の授業を始めた。



 放課後。紫乃と愛花以外の死獣神メンバーは、柚の見舞いに行くことにし、未来と彼女の幼なじみである宙と美夜を誘ったが、断られてしまった。


 未来はデミ・ミュータントの研究を世に広め、そのついでにFBIのハッカー対策を強化するために、昼休みからアメリカに行ってるため、交渉の余地無し。

 宙は突然叔父が亡くなり、その通夜に出席するからという真っ当な理由だったが、問題は美夜である。

 彼女は実入りのいい援助交際に赴くからという不純かつ自分勝手極まりない理由で誘いを断った。


「そんなことしてる場合ですか?」


「大丈夫大丈夫。あいつのことだもん。ゴールデンウイーク明けたらケロッとして、いつものあいつに戻ってるよ」

 一理あるが楽観的すぎるその考えに、武文らは呆れたが、無理に連れて行く必要はないと彼女の気持ちを尊重し、自分達だけで見舞いに行くことにした。


 ちなみにこの後、美夜は宙に態度を叱責され、教室を出るギリギリまで両頬を引っ張られるという罰を受けることとなる。

 柚の欠席で始まった今回。

 彼女の体調不良+龍との恋愛話なので、ここから少しの間は血なまぐさい展開はありません。

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