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死獣神~腸の書~  作者: 天馬光
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絆は炎と共に(1)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。

 両陣営の戦いは元々の実力差と海姉弟対策をしていたことで、終始死獣神が優位に立っていた。

 馬鹿力とリーチの長さで叩き潰そうとする王龍を、自慢のスピードと手数で翻弄する朱雀。

 圧倒的実力と広範囲攻撃で、長里以外のザコを一掃する黒猫とペガサス。


 皆がそれぞれの持ち味を生かして仕事をこなす中、最も早く決着がついたのは、流星錘対策をしてきた青龍と凜華の一騎討ちだった。


「スキを見せた? そこ!」

 そう言って凜華が放った全ての流星錘を、青龍は1つ残らず薙払い、バラバラにした。

 当然、中に入っていた青酸カリは、大気中へとぶちまけられ、青龍の体内に入ることなく気化する。


「青酸化合物は気化してしまうと、毒性を失ってしまう。これがあなたに苦しめられた白虎君と玄武君達のおかげでみつけたあなたの流星錘の弱点です」

 念の為、鼻をつまみながらそう言う青龍の解説を聞いたことで、見破られていたことに気付いた凜華は、自らの敗北と死を悟った。


 しかし、その終わり方を望んでいない者が王龍の他にもいた。彼女が死ねば自分も殺されるとわかり、王龍より先に声を上げた長里だ。


「何やってんだ海凜華! お前は毒女なんだろ? だったら俺を拒んだお前のチューで、あのクソガキを殺してみせろよ!」

 自分はコソコソ隠れて命令だけいっちょ前にする長里に、凜華は内心イラっとしたがその通りだと思い、流星錘と一体化している手袋を外した。

 それによって露わになった彼女の両手を見て、青龍は思わずギョッとした。彼女の手はその美しい容姿とは対照的に、正視できないほど醜く焼け爛れていたのである。


 凜華自身、この手の反応にはもう慣れたのか、むしろ好機と言わんばかりに彼に接近し抱きつくと、大人らしい濃厚で熱いディープキスを交わした。

 これで彼を容易く毒殺できる。いい具合に拒絶反応が出た凜華は、いつもの流れで自然と青龍から右手を離し、隠し持っていた毒針を手に取ろうとした。

 あっという間の決着となりかけた時に判明した彼女の手の秘密。

 何故こうなったかは後に明らかとなります。

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