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死獣神~腸の書~  作者: 天馬光
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天翔る不死鳥となれ(1)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。

 翌日。トーナメントを勝ち上がった大牙は、ついに決勝戦でムルタと戦うこととなった。


 試合は今日の午後7時から。それが決まった大牙は当初、VIP席で見ていたムルタをリングの上から挑発する余裕を見せていたが、時間が経つにつれ、武者震いと同時に緊張が高まっていき、開始1時間前まで迫ったこの時には、龍と琴音の激励もロクに届かないほどガチガチに固まってしまっていた。


 そんな彼の緊張を吹っ飛ばす珍客が、龍達と入れ替わりに部屋を訪ねてきた。何故か本選を棄権した緋蘭である。


 びっくりした大牙が訳を聞くと、緋蘭は昨夜の一戦から、今の自分の実力では優勝できないと判断し、やむなく棄権することにしたらしい。

 それでは一族を見返すという本来の目的も果たせなくなってしまうが、彼らから見放されている以上、武者修行がてら勝手に家出してもいいのでは? と、彼女なりに考え結論づけていた。

 すなわち、今後彼女が大牙やムルタに挑むことがあっても、そこに一族の事情などは関係無く、彼女自身の自己満足のため、ということになる。


「そうっすか。ま、あんたらしくていいんじゃないっすか? で、それを伝えるためだけにわざわざここに?」


「そんなわけないでしょう? 1つは、私を負かしたあなたを激励し、ガチガチに緊張した体をほぐすため」


「あざーっす」


「もう1つは、昨夜の復讐をするためだ」

 礼を言った大牙は、彼女の口から出た『復讐』という単語に、とてつもなく嫌な予感がした。


「昨日、私はお前に侮辱された上、手抜きの攻撃1発をくらって敗れてしまった。これは雷一族にとって、屈辱以外何物でもない。だが再戦しようにも、今の私ではお前に勝てない。そこでこの雷緋蘭。武闘家としてではなく、()としてお前に復讐させてもらう」


「へ……? それってどういう……?」

 真意はわからないが、ゾッとする何かを感じた大牙はそう聞いたが、数秒後、彼女の復讐が始まると、その意味を嫌でも知ることとなった。

 廊下に木霊するほど大きくて獣じみた悲鳴を、何度も上げながら……

 『あーぁ』の一言に尽きます。

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