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死獣神~腸の書~  作者: 天馬光
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変化する2人の殺し屋(4)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。

 それから3日間、翔馬は恋人がいないことをいいことに、仕事だということを忘れて、彼女とイチャイチャしながら、幸せで平穏な時間を過ごしていた。

 彼にとってこれほど至福の時間はそうそうないだろう。



 ところが、滞在4日目の夜。ゴールデンタイムのバラエティーを2人仲良く見ていた時に、彼のパラダイスはついに崩壊の時を迎えた。


「……あ」


「どうした? 朋美ちゃん」


「来ます」


「来るって、何が?」


「……(げん)

 そう言ってすぐ、ガックリとうなだれた朋美を見て、翔馬は気絶したと思ってテンパり、彼女の肩を揺さぶりながら何度も声をかけた。


 が、髪が茶色から燃えるような赤色に変色した彼女から返ってきた言葉は、


「……うっせーなぁボケが。俺は朋美じゃねぇよ。俺はぁ……玄だぁっ!」

 という翔馬の度肝を抜く衝撃的なものだった。


 そこにいたのは、翔馬好みの大人しくて優しかった彼女などではなく、粗暴で男らしく、なんだったら(おとこ)と表記した方が正しそうなそんな奴だった。


 玄と名乗るその人物は、近くにあったハサミで自分の髪をジョキジョキと短く切ると、言葉を失い立ち尽くす翔馬の全身をくまなく観察し、


「……お前、いい体してんな」

 と、一言言った。


 何がなんだかわからず、翔馬はキョトンとしていたが、玄はお構いなしに彼を無理矢理風呂場まで連れて行き、用意していたロープを天井に吊すと、手慣れているのか素早く彼の両手を縛り上げた。


「な、ななな、何を!?」


「そう怯えんな。おっと、そういや自己紹介がまだだったな。俺は玄ってんだ。よろしくな」


「は、はぁ……」


「しっかし、こんなスケベ野郎が手伝いにくるたぁな。朋美もあいつも、男を見る目がねぇな」

 そうボヤく玄を前に、事態をまだ把握できない翔馬は、この豹変は演技か何かだと思い、何とか元に戻ってくれるよう説得したが、玄は聞く耳を持たず、それどころか、


「さーてと、久々の人間サンドバッグだ。腕が鳴るぜぇ」


「え? ちょ、嘘ぉ……」


「ラーウンドワーン、ファイトッ!」

 と、言って、翔馬を容赦なくボコボコにする始末であった。



 玄いわく、この行為は一種の愛情表現らしいのだが、受ける方としてはたまったものではなく、翔馬は食事と睡眠以外ほぼエンドレスでこの苦行をくらうという地獄を受けるハメとなった…………

 はい。真っ逆さまに地獄に落ちました。

 翔馬をどん底へと突き落とした玄の正体が何なのか、薄々気付いた方もいらっしゃるかもしれません。

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