柚の生態(3)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。
突然の事態に当惑した龍達は、礼儀として玄関先で待機していたが、待つこと数分。澪が干してあった布団をかけたことで、もうトラブルは起きないだろうとホッとした雲雀から、入ってもいいと許しを得た男性陣は、柚の家に入った。
彼女から話を聞ける状態だとわかると、武文は早速、なんで素っ裸で出て来たのか質問をぶつけた。風邪で弱っているところを暴漢に襲われた可能性が少なからずあるからである。
すると、柚はよほど言いづらいのか視線を逸らし、
「……笑わない?」
と、濁すように聞き返した。
武文らは絶対とは言い切れないが一応頷くと、柚は死獣神メンバーが呆れ果て、開いた口が塞がらなくなるようなアホな内容を語り始めた。
彼女が熱を出した原因。それは、昨夜うっかり掛け布団を汚してしまい、替えの布団も無かったため、仕方なく布団無しでいつものように裸で寝ていたためである。
「アホ丸出しやん」
「ですね。まぁそれだけに、色々とツッコミたいところはありますけど、全裸って……普段からそうなんですか?」
「うん。だって、肌と布団が擦れる感じって……気持ちいいから……」
熱のせいなのか恥ずかしさからなのか、柚は頬を赤らめ、布団で鼻まで隠してそう答えた。
そんな愛らしい仕草をして、あのドスケベがキュンとしないはずがない。
「柚ちゃん。その照れ反則。そんなかわいい子猫ちゃんは徹底的に愛撫しねぇとな! ダーイビング押っし倒しー!」
翔馬はそう言いながら跳躍し、彼女に覆い被さろうとしたが、彼のこのバカなマネは基本的に妨害されることが多く、命中率が低い。
今回もその例に洩れず、雲雀からは空中飛び膝蹴りを、柚からは股間蹴りをくらい、翔馬は悶絶した。
「ごふぅ……タ、タマがぁ~」
「自業自得やドアホ。にしても、ここまで変態やったとはなぁ……呆れしか出てこぉへんわ」
「まぁ、そうでしょうね。そうだと言われかねないことが他にもあるし、自覚もしてる」
その返答に、見舞いに来た全員が彼女の変態性は治せないと匙を投げた。
「救いようのないド変態やな。うつる前に帰ろ」
「お、俺も。これ以上やったら、2度と子供を作れねぇ体になりそうだし、今から仕事があっから。けど、次こそは……」
「次あんなことしたら、脳天にドリルをぶち込むよ」
そう言われて、翔馬は鳥肌が立った。
「王賀先輩は?」
「……そんな変態さんの熱を治す気も、介抱する気もありません。なので、失礼します」
澪がそう言った後、死獣神メンバーは持参してきた宿題とプリントを残して、逃げるように帰っていった。
これから明らかになる柚の変態性も大概ですが、翔馬のスケベっぷりもご存知のとおりなかなかのものです。
そんな彼がやったダイビング押し倒しはいわゆる派生技みたいなもので、1番多用しているのは相手の胸を揉むダイビング鷲掴みという技(?)です。
いずれも彼の代名詞的技ですが、成功率は限りなくゼロに近く、使用直後もれなく反撃をくらいます。




