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心変り  作者: 信太
充実
9/13

9


「そろそろ寝よっか。もう3時だし。」



「そうですね。少し眠いです。」



結局、部屋に入って飲み直していた。1ヶ月振りに入った部屋は、ソファが無くなった代わりに座椅子が1つ置かれていた。小物類もいくつか増えている。




「ね、泊まってくでしょ?」




今断れば、そのまま家に帰してくれる気がした。




「帰るの面倒なんで、泊まらせて貰いますね。」



「りょーかーい。歯磨いてくるね。お客さん用の新しいのあるから、磨いていいよ。」



「まじすか。ありがとうございます。」



「どういたしまして。」



歯磨きして、散らかった部屋を少し片付けた。志帆はもうベッドの中だ。多分、選ぶことが出来る。



「どうして来ないの?こっち来て一緒に寝よーよー。」



「や、いいですよ。狭いですし。」



「じゃあ私がそっちに行く!」



床で寝てる自分の所へ、毛布一枚持って近づいて来た。



「広いし。文句無いでしょ?」



「......」



「いい枕もあるし。」



「太ももですよ。それ。」



「ちょうどいいの。」



「はあ。もう寝ますよ。」



少し経ってまた、手を掴まれた。逃げたりはしなかった。








「志帆さん?起きてるんですか?」




「んーー。」




「どうかしました?」




「んーん。」




「志帆さん?」




「んーーー?」





「俺、志帆さんのこと、好きなんです。」







言葉が突然口をついて出てきたので、自分でも驚いた。全然伝える予定なんてなかったし。どうしよう。でも。



「.........」



志帆から返事は無い。




「志帆さん?聞こえてますか?」



「......んー。」





「もっかい言いますね。俺、志帆さんのことが好きなんです。付き合って欲しいです。」




悟が言っていたような、都合よく扱われるだけのような存在でいるのは、もう嫌だった。自分でもよく分かっていた。志帆さんはあまり俺の方を見てくれていない。


そうだ。どうせダメなら、今ダメになってしまった方が、この先の為になるだろう。そんなことを考えていた。



「.........」



沈黙が続く。流れる時間がひどく遅く感じる。耐えるのは大変だった。



「......私ね。多分、君が思っているような人間じゃ無いの。」



「どういうことですか。」



「よくわからないんだけどね、君といると、自分が酷く悪い人間なんじゃないかって、そう思えてくるの。」


何を言っているのか、分からない。




「ごめんね。君とは付き合えない。」



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