表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心変り  作者: 信太
充実
7/13

7


3月。春休みが半分以上経過した頃。


大学の卒業式があった。その夜サークルで飲み会があり、出席することになった。



志帆とその元彼も参加していた。



くじ引きで席が割り当てられたが、2人の席は近く、志帆が何もなかったように振舞ってる様子が見てとれた。





周りが騒いでいたのでわかった。どうやら浮気相手と志帆の席が隣のようだ。元彼が浮気相手と付き合っていることは、その時聞いた。2人で一緒に卒業するらしい。





「「先輩方、卒業おめでとうございます」」


1次会では卒業生に色紙やプレゼント等を渡し、全員で写真を撮って終わった。2次会はカラオケのあるバーらしい。



時間は午後9時を過ぎた頃。ラーメンを食べて帰りたかったが、海が行きたいと聞かないので付き合った。1次会は60人程いたが、2次会は大体30人程だった。



志帆と元彼、浮気相手もその中にいた。



皆2次会では思い思いの行動を取っていた。カラオケで楽しそうに叫んでいる人、座席で思い出話に花を咲かせている人、酔い潰れて寝ている人もいた。



2次会が始まって1時間程経ったとき、遠くで志帆が泣いているのを見た。女友達が慰めている。



ふと周りを見ると、志帆の元彼が浮気相手と肩を抱き寄せていた。



なんだかとても親しげで、付き合ってるのだから当然か、と思った。内心腹わたが煮えくりかえっていた。



志帆が心配で、目が離せなかった。近寄ることは、出来なかった。




0時を回った頃、2次会が終わった。3次会の提案があったが、流石に帰ることにした。海は行くらしい。元気なやつだ。




会場から家まではタクシーだと10分程だが、歩きたい気分だったのでそうした。志帆のことは見なかった。



すたすたと歩いて帰っていると、後ろから志帆の声が聞こえたので振り向いた。







腹わたが煮えくり返っていたのは建前で、自分の中にほんのわずか、本当に少しだけだと思うが、嬉しさの感情があることには気付いていた。自分が、ひどく嫌いになりそうだった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ