表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心変り  作者: 信太
充実
2/13

2


志帆とよく話すようになったのは、1年生の秋になってからだった。


10月に大学祭があり、自分の学科では1年生が出店をする決まりがある。そこで出店の代表をやらなければならなくなった。


学科の1年生50名程が集まり、話し合って代表を決定するのだが、あろうことか(かい)が自分を推薦してきた。



海とは同じサークルで、高校は異なるが地元が同じだったため、よく話すようになった。講義を一緒に受けたり、サークルが終わるとよく先輩達に居酒屋に連れられ、飲みに行くことが多かった。


明るく、楽しいことが大好きな奴だ。よく笑い、よく喋る。交友の幅が広く、違う学科に同い年の彼女がいた。女性にセクハラめいたことを言ってしまうのがたまに傷な人だと自分は思っている。



「だってお前なら向いてるし、上手くやれると思ったんだよ。」


海が俺を代表に推薦した理由らしい。



話し合いは平行線を辿っていて、アルバイトがあるので早めに切り上げたかった自分は、代表を引き受けてしまった。




代表の仕事は大変だった。大学祭は学生が有志で行うもので、規模はあまり大きく無い。


出店の代表はよく召集され、飲食を提供するには保健所の許可を取る必要があること、調理をする人は検便を提出しなければならないだとか、そんな説明を受けた。



「今年の出店代表なんだってね。」


サークル終わりの飲み会で、志帆がそう話しかけてきた。どうやら昨年の代表だったらしい。



「そうなんですよー。色々大変で。」


「私もその頃結構大変だったなあ。ね、手伝ってあげよっか。」


「いいですよ。悪いですし。」


「いいのいいの。今年は何出すの?」


「去年やったのと同じのやろうかなって思ってます。他のをやる理由もないんで。」


「私達のと同じやつね!色々アドバイスしてあげる。」


「ありがたいっす。」



それから志帆とはよくLINEするようになった。



『検便とか早めに集めないと、出してくれない人がいるから困るよ!』


『やっぱそーですよね。ありがとうございます』



『材料は業務用スーパーで買うと楽だし、値段も安いよ!』


『それは知ってた。笑』


『えー。なんだよー笑』



大学祭が終わった後もLINEのやりとりが続いていて、志帆の家にもよく行くようになった。



志帆にはこのとき、2個上の彼氏がいる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ