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ちょっと聞いて欲しいんだわ

作者: ホライズン

自分が中3のとき父親がパーキンソン病にかかったんだ、けれど両親は自分に黙って、なのに『パーキンソン病とは』とか『パーキンソン病の治療法』っていった専門書を物置で隠れて読んでんだわ。そんなの子供でもわかるってのに。

両親がそんなんだから小心者で周りばかり気にしてる自分は気、遣って気付かないフリしてたの。そんで高校行けるのかな、部活やっていいのかなって思ったりして。そこを両親は何事もなく普通に行かせてくれるから驚いた。

いざ高校生になるとさあ勉強して良い大学行って親孝行するか、って考えてたんだけどモチベーションがそんな長く続くワケなく…。ただ偶然かどうか部活はチャンスが来た。自分らが代の年は関東大会の出場枠が2つ多くなってると、そして自分らの高校はその2つに入れる実力だと。ただそういう時に限って自分らは下手、しかも歴代を争うくらいね。めちゃくちゃ努力したよ、これだけは負けるかってくらい。結果は行けた。しかも歴代2番目の好成績残して。これで少しは返せたかなって。

当初の勉強だ。これも見事名の知れた大学へ合格できた。苦労して通わせてくれたから頑張れたよってどれほど思ったことか。

そして、1番聞いて欲しいこと。

20になった時父親がダメになった。手の震えで仕事ができなくなったんだ。父親は仕事を誇りに感じてたし、自信ももってた。それができなくったんだ。

もう心配で心配でとにかく外に出さなきゃって思って10年ぶりくらいの旅行に行ったんだ。結果は大成功。夕食では飲めない酒をこれでもかってくらい飲んで1人部屋で潰れて寝てたんだわ。それで自分らもそろそろ寝るかって寝床入ると母親が「ありがとう、楽しかったよ」って。当の本人は恥ずかしくてすぐ寝たふりしてたけど。それで聞いた話になるけど、翌朝早起きの母親と目が覚めた父親がぐっすり寝ている自分を見て「ああ、幸せだな」って目に涙ためて言ったらしい

んだ。そんなの今話すなって帰りの運転中父親とつっこんだわ。けれどその話で、ああこれで返してやれたかな、って思えたよ。

そんなことを目に涙ためて話す自分のこと聞いて欲しかったです。ありがとうございます。


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