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ドミネントチルドレン  作者: 鳥居 明美瑠
3/5

記憶のその先

着いたようだ…だが、息が切れている。

「ここか…はぁはぁ、」

中に入ろう、そう思った時だった。

「慎くん、ちょっと待って」

呼び止めてきたのは、向井百合だった。

「お前、…奈月はどこだ、何している。」

「あなたを待ってたの、くると思ったわ」

「なぜだ、」

「敵の情報、それと渡す物があってね。

あとこれ、…ピンチの時に読んでねそれじゃ」

向井は手紙を渡してきた。なんなんだ…

「速く行かなければ、ビルも、奈月も、危ない。」

俺は急いでビルに入ってエレベーターまで向かった。

「くそ!しょうがねえ!」

エレベーターは壊れていたから階段で行くことにした

。くそ!足がもげそうだ。


-ビル内部、25階-

「おいおい!その程度か?避けてばっかじゃ俺は殺せねえぞ?」

「くっ…音速なのに…なんで攻撃ができないの?」

攻撃するひまがない…避けるのに必死だ。

level7の会社員も助けながらなんて…

もう、やられる。

「カズキ!目を覚まして!お願い!」

「俺はもう奈月の知っている俺ではない、

ふっ…俺の勝ちだ!」

だめ!避けれない死んでしまう…どうしたらいいの…


-今から2年前ほどのことだった-

私、東城奈月には2歳年下の弟がいた。弟が能力を手に入れてしまったのは私よりも速く、能力は視憶。

視界に入る人間の記憶を見ることができる。

その能力のせいで弟は引きこもってしまった。

「嘉月。学校いくよ。」

「やだ、行きたくない…」

いつも通り、学校に行くよう部屋に入ると、

嘉月の様子はおかしかった。いままでこんなことを言ったことはなかった。私は優しく声をかけた。

「どうしたの?学校でなにかあったの?」

「…」

「悩みがあるの?お姉ちゃん相談のろうか?」

「人の記憶が見える…みんな僕の悪口を言ってる…

もう…行きたくない…」

嘉月は泣き出してしまった。

人の記憶が見える…本当なのだろうか…

でも嘘を言ってるようには見えない。

「じゃあ今日は学校休む?」

嘉月はそっと頷いた。

「じゃあ行ってくるね。」

そう言って私は学校に行った。

「あれ?奈月、弟の嘉月くんは?」

「なんか、学校行きたくないって…変なこと言ってたの…人の記憶が見えるとか…」

「なにそれー学校行きたくない口実がそれ?変わってるねー」

「でも嘘言ってるようじゃなかったから」

「もーそんなんじゃ詐欺合うよ?」

友達はそう言って自分のクラスに入っていった。

嘘…ついてるのかな?


次の日、また次の日もその次の日も…

嘉月は学校には行かなかった。

一週間がたった。

嘉月が私に声をかけた。

「お姉ちゃん…」

「どうしたの?」

「今日は…行く…」

嘉月がそう言ってくれて、私は嬉しかった。

いつも通りの嘉月が戻ってくれるのかなと。

そう思っていた。放課後だった。

「あ、嘉月帰ってる。学校どうだったんだろう」

私は嘉月の部屋に向かった。

「嘉月、」

ドアを開けた時だった。

「え、あ、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

私は部屋の前に座り込んで、動けなくなった。

ちょっどお母さんが仕事から帰ってきていた。

「どうしたの?奈月え、ええ!?」

母も大泣きした。父に電話をした。

「なんで…なんで嘉月が死なないと行けないの?」

家族は悲しみと涙に包まれた。

机には遺書が置いていた。


-僕はもう生きるのがつらい。お姉ちゃん、お父さん、お母さん、ごめんなさい。

信じてもらえないと思うけど、僕は能力を手に入れてしまった。能力は視憶。視界に入った人間の記憶を視ることができる。でも、この能力のせいでぼくは苦しめられた。僕の悪口を影で言ってる友達の記憶が見えちゃって。誰も信用できなかった。

久しぶりに学校に行ったらまた悪口を言っている記憶が見えて、もう僕はつらくなって、自殺をしてしまいました。本当にごめんなさい。


私はまた大粒の涙が流れた。後悔しかなく、弟になにもしてやれなかった自分が嫌になった。

でも私まで引きこもったら、同じだ。私は嘉月の死を無駄にしないように前に進むことにした。

そして、それから私も能力を手に入れてた。

1つは音速移動、もう1つは能力者感知。

高校に入ると、その能力に反応した。


「えー今日から担任になる田中ですよろしく、次はみんなから自己紹介しようか、1番からいこっか。」

7番目のときだった。

「えっと…尾形和樹です、よろしくお願いします。」

私の能力が反応した。尾形和樹、能力は創炎。

そいつはマスクをしていたが、なんとなく嘉月に似ていた。なんだか涙が流れてしまった。


休み時間、尾形くんを呼んでみることにした。

「えっと…尾形くん?ちょっと来てくんない?」

そう言って屋上に呼んだ。

「なんだよ、なんか用か」

「あなた、能力者だよね?」

「な、なんでわかったんだ!お前、何者だ。」

「私の能力は音速移動と能力者感知。」

「な!?2つ!ありえねえ…」

「俺は能力者を束ねているんだ。お前も来い!」

そう言ってそいつは私の手を握って外に出た。

「おら、乗れや」

「バイクなんかいいの?」

「大丈夫だよ、免許もとっちまったし、自分でお金出したんだし。そんなことはどうでもいい。行くぞ。」

私は驚いたが、嬉しさも感じた。能力者の役に立つことができるかもしれない。そう思った。

「あ、えーと…」

「奈月でいいよ、よろしくね。」

「あ、ああ。俺も和樹でいいぜ」

そのまま、沈黙が続いた。

その時だった。

「な……!?」

「どうしたの?和樹」

彼はバイクから降りた。

「おい!貴様!なにしている!」

「ちょっとはなしてよ!」

「おい!はなせ!」

かれの仲間であろう2人の人間が研究者に捕まえられていた。

「お前たちを力を科学に取り入れてやる。」

「百合とアツシをはなせ!」

彼は怒りに任せ、研究者とその車を焼き払えるほどの

炎を放った。

「そんな!うわぁぁぁぁぁぁ!」

「和樹!やめて!そんなのダメ!」

和樹は数分前の和樹ではなかった。

「邪魔だ!!」

和樹は私にも普通の人間には避けきれないほどの炎を放った。私はその場には入れず逃げることにした。

私はそのまま家に帰った。

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