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うっとうしい話

席について、チャイムが鳴るのを待つ。

すぐに五時間目が始まった。


あたしはため息をつきたくなった。

今日のシメは学活。

席替え。

あたしはこのイベントが

鬱陶しくてたまんない。


べつにドコの席に行っても

おんなじだよ。

あたしの隣に座った女は

眉をしかめるし。

あたしに惚れてる男は

必要以上に話しかけてくる。


そういう男に限って

やたらと女子に人気があるのが厄介だ。

そういう男とばかり話してると

また女たちに陰口の嵐が巻き起こる。

「香田は男好き」

ばか言ってんじゃないわよ。

男好きはみんな一緒でしょ。

下手したら

あんたたちの方が

男に飢えてるように見えるよ。

あたしはただ。

男に好かれるから

そう言われるだけ。


うんざりする。

嫉妬とか。

そんな思いをぶつけられるほど。

あたしは

いい思いなんかしてないのに。

むしろ、落ちっぱなしだよ。


あたしは先輩受けがいい。

むろん、男の。

その先輩も例に漏れず人気者だったりする。

先輩ひとりにつきファン数名。イコールあたしの敵の数。

男の先輩のファンは女の先輩だったりする。

つまり。

入学してから、しょっ中呼び出し。

いつもごたごたしている。

事なかれ主義の友人たちは

すみやかに去って行った。

賢明な選択。

あたしもあの子らの立場だったら

おんなじことしてた。

ヘドが出るよ。


そんな中、大野はいわゆる『たいしたことない男』で、

だからといって

みすぼらしいわけでもない。

しかも。

大野が誰かに思われてるとか

そういう噂は聞いたことのがない。

同学年だからわりとそばに来てくれる。

貴重な存在だ。

男好きの汚名は免れないけど。

誰かの恨みを買うこともない。

だから、奴の好意を利用して

そばに引っ張っておきたいと

思ってしまう。

いつまでも続けられるもんでもないだろうけどさ。

はっきりいって

あたしもたいがい

くだらない女だ。


同じ中2の、女の不良グループにも目をつけられている。

そんなあたしと好んで一緒にいるような女なんかいない。

なら。

噂なんか気にしないで。

男友達ばっか作ってればいいともおもう。

けど。

あたしって、空っぽなんだ。

恋愛の好きとか

そういう情抜きに

相手を引っ張る魅力なんかない。

人間的な魅力がさ。


ハルキには…。

ほんと、必死こいてキャラ作って。

からっぽの中身を悟られないように必死になって

近づいていた。

こんなタイヘンなこと。

惚れた相手じゃなきゃ、

とてもじゃないけど出来ないよ。


あたしはそもそも人に同調するのが

大苦手だ。

社交辞令のひとつも言えない。

だから仮に男関係の

迷惑なごたごたがなかったとしても

あたしはひとりぼっちだったような気がする。


毎日顔をあわせているのに交換日記。

可愛い文字。

同じクラスなのにお手紙交換。

プリクラ交換。

友達の友達の顔写真なんかもらって、

どーするっていうの。

そういうのがよく

わかんない。



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