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くだらない話





「俺、原田と付き合うことになったんだ」


ハルキは言った。


あたしの耳は、一瞬なんの音も捉えられなくなった。


うそでしょ?


「マジで?」


あたしは言った。


声がすこし震えた。


平静を装うのが、こんなに大変なことなんて、


思ったことなんか、なかった。


指の先も、足の先も、ほっぺたも、


いっきに冷たくなる。


息をするのが苦しい。


胸がどきどきする。


うそだ。


うそだって言ってよ。


そんなのうそだって。


でも、そんなことはありえない。


ハルキは照れくさそうに、そっぽを向いた。


やめてよ。


あたしの前で。


あたし以外の女を思って、


そんな顔、しないでよ。


「なんであたしに、そんなこと教えてくれるの?」


ハルキは言葉を選びながら、こたえる。


「それはまぁ、香田とはさ、一応いつも、つるんでるし」


ばかじゃないの?


あたしが、あんたとつるんでるのは。


あたしが、あんたと仲良くなりたいからって、


ずっとそばにいたからなんだよ。


なに、深めの友情なんか、持っちゃってるの。


なんなのそれ。


ほんと、ばかみたい。


「あんたの事、スキになる奴なんかいたんだね。物好きだねぇ」


ハルキの顔は、いわゆる賛否両論の顔だ。


いいと言う人もいるし、そうでもないと言う人もいる。


成績だって、中の下。


取り立てて目立つタイプじゃない。


あんたを気にかける女なんて、


あたしくらいのもんだと思ってたよ。


だから、安心して、


あんたをスキでいられたのに。




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