第5話 - 竜界
とりあえず第5話投下。
***
それから俺は、アルスとこれからどうするか話し合った。
『実は、この世界には竜界、魔界、人間界がある。我は竜界の者だ。あの狼たちは、魔界から来てると我は思ってる』
「ってことは、ここは人間界ってことか?」
『そういうことになる』
「で、俺は人間界にいたら目立っちまうよな」
『そうだな』
「じゃあ、どうすんだ?」
『お前は、竜界に行く覚悟はあるか?』
へ?また覚悟とか聞くんだ。
「俺はいいけど、俺みたいな部外者がそんなとこへ行っていいのか?」
『うむ。我がなんとかする。心配するな』
・・・などと話した後、竜界に行ったらどうするかなども話し合った。
その結果、俺は、竜界では真名を教えるわけにはいかないらしい。
ということで「ドラド」と名乗ることにした。
まぁ、ドラドという名前も何となくで決まったのだが・・・。
そして話が終わった。
『・・・では良いな。決して真名を教えるなよ』
「うん分かってる」
『では、竜界へ』
アルスはそういうと俺の目の前でなにか呪文らしきものを唱えてる。
その間、暇だったので、人間界の、自分が住んでた町をしっかりと目に焼きつける。
その時に気付いたのだが、どうやらドラゴンは人間の何十倍も視力がいいみたいだ。
遠くの建物までしっかりと見える。
その時、アルスが口を開いた。
『竜界に繋がった』
「マジで?」
よく見ると、そこには、まるでブラックホールのような穴があった。
『ここに入れば、竜界に行ける』
ここでまた疑問発生。
「どうでもいいけどさ、アルスは、真名で呼んでいいの?」
『我はドラゴンだから、大丈夫だ』
「じゃあ、なんで俺はダメなの?」
『それは、お前が今ドラゴンだからだ。ドラゴンが人間の名前を名乗ったら契約したとバレてしまう。バレれば面倒なことが起こるんでな』
俺は面倒事が嫌いだ。だから、それ以上アルスに聞く気はなかった。
『では行くぞ。龍人・・・いや、ドラド』
「おう!」
そして俺は竜界へと足を踏み入れた。
***
ブラックホールのような穴を抜けると、そこには衝撃的な光景が広がっていた。
遥か彼方まで続く草原。そこを飛び交うドラゴン。草原の先には、ドラゴンが集まり話している。
俺はそんな光景を唖然として見ていた。
『どうだ? ドラド。気に入ったか?』
「あ、あぁ。すげぇ」
俺は今までこんな広大な草原もこんな平和な風景も見たことがなかった。
それで、すごい以外の言葉が見つからなかったのだ。
『そうか。それはよかった。』
アルスは安心したようにそう言った。
『さて、ここでじっとしているわけにもいかない。ドラド、飛べるか?』
「たぶん飛べるけど・・・その名前なれないな」
『ハハハハハ! まぁ、そのうち呼ばれ慣れるだろう』
「わ、笑うな!」
『それはすまぬ』
俺はアルスに笑われ、ちょっとムッとしたが、そこは、持ち前のあきらめの良さでスルー。
『それはそうと、ほんとに飛べるか分からんからちょっと羽ばたいてみろ』
「分かった」
俺はそういって翼に力を込め羽ばたいた。すると体が浮き、上空へ昇って行った。
『すごいじゃないか。初めてなのにここまで飛べるとは』
俺の後を追ってアルスも裏から飛んできた。
「そんなにすごいのか?」
『あぁ。実際は親が飛び方を教えて、何回も練習してやっと飛べるようになるからな』
「そうなのか?! 俺、やっぱ天才?」
『行く方向がずれてる。こっちだドラド』
「あ・・・え? ・・・お、おう!」
華麗にスルーされて軽く傷ついた。
「で、アルス。どこに行くんだ?」
『竜王の所だ。お前と契約したことを報告しなければならない』
「あ、なるほど・・・って、教えていいのか?」
『あぁ。それに、報告するのが決められているからな。・・・あっ、言っておくのを忘れていたが、竜王の前では、お前は真名で呼ぶ。お前も真名を名乗っていいぞ』
「え?良いの?なんか知られちゃダメとかそんな感じの事言ってたじゃん」
『竜王はいいのだ。それに、知られてはいけないのは普通の竜たちだ』
「あ、そう」
そんなことを話しながら俺達は竜王の所へ向かった。
***
竜王がいるという洞窟についた。
洞窟はかなり奥まで続いているらしくドラゴンの優れた視力と集光性がある目でも全く先が見えない。
「かなり長いんだな」
俺はアルスにそんな言葉を漏らした。
『まぁな。竜王は国を守らなくてはならないお方だ。浅い洞窟で敵に殺されたりでもしたらそれこそ国が大混乱に陥りかねんからな』
「やっぱそんなもんかなぁ・・・」
そして俺達は歩き出した。
・・・なんかつまんないです、はい。
文章力上げないと(;´Д`)
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