第15話 - 脱出
第15話投下~☆
・・・にぎやかな生活が始まるはずだった。
でもそれは俺の理想に過ぎない。その理想は瞬く間に崩れていく・・・
あれは、その次の日だった。
《大変よ! やつらが攻めて来たわ!!》
【『なんだって!?』】
「「???」」
飛び込んで息を切らせながらラウが叫んだ。
そしてその内容に驚いたのかアルスとガルダが叫んだ。
俺と和真はよくわからず、ただ唖然としていた。
『まさかこのタイミングでやつらが攻めてくるとはな』
【ホントだぜ。全く・・・】
「やつらって誰なんだ!?」
アルスたちが自分たちだけで納得していることにしびれを切らしたのか和真が話に割り込んだ。
『とりあえずここを離れることが先決だな』
【和真。とりあえずここから逃げるぞ。話はそれからだ!】
「・・・分かった」
和真は渋々納得したが、何か気に入らないみたいだ。
『お前ら、こっちだ!』
アルスが指差しているところを見ると、抜け穴らしき物があった。
《準備がいいのね》
【全くだ】
そしてその抜け穴に俺達は入った。そして、追手が来ないようにか、アルスがその抜け穴に繋がる所を塞いだ。
その抜け穴は、所々に水晶がついており、ドラゴンなら十分先が見通せる明るさになるよう外側の光を取り込んでいた。
『もうすぐ抜けるぞ!』
アルスが外に聞こえない程度の大きな声で言った。目の前には木の葉や木々で覆われた出口があった。
外の様子を確認したガルダがこっちを振り向いてうなずいた。(先頭はガルダで最後尾がアルスだ)
『大丈夫のようだな。みんな出来るだけ早く出て、ここからは飛んで逃げるぞ!!』
アルスが叫んだ。抜け穴を出ると、そこは川のほとりだった。
そこから俺達は一斉に飛んだ。先頭はアルスだ。
『まさか、このタイミングとはな』
アルスは飛びながらそう言った。
【ホントだな】
《全くよ》
ラウとガルダは口々にそういったが、俺と和真は理解が出来ていないので、ただついていくしかなかった・・・
「おーい。アルスー」
飛んでいると裏からドラゴンの声が聞こえた。
俺達は裏を振り返った。するとそこにいたのはアラッドだった。
【閣下!御無事で!!】
《竜王様!!》
ラウとガルダはアラッドが来てびっくりしていたがアルスは冷静だった。
「敬語はやめてくれ。尻尾がむず痒い」
《【しかし】》
見事なハモり。
「命令だ。敬語はやめろ」
《・・・分かったわ》
ラウは口を開いたがガルダは頷いただけだった。
『で、アラッド。何しに来た』
「見りゃわかるだろ。逃げてきたんだよ」
『・・・仕方ない。ついてこい』
アルスは、少し考えて、アラッドにそう言った。
***
・・・あれから何キロ飛んだだろうか。
俺達は偶然見つけた洞窟で休んでいた。
『さて。お前たちにはまだ言ってなかったな。やつらの事』
「で、なんなんだ一体? やつらって・・・」
『うむ。それは・・・』
運命の歯車が狂いだした瞬間だった。
読んで下さってありがとうございます(*´∀`*)
今後は、一応不定期更新とさせていただきます。
これからも『ドラゴンと共に』及び作者『kroud』をよろしくお願いします。