表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/20

第12話 - 親友

第12話投下!

「ふぁ~あ。ねみぃ~」


俺は、結局あれから一睡もできなかった。胸騒ぎがするのだ。

アルスはまだ寝てるが、俺は一人で狩りに行くことにした。


「何がいいかなぁ・・・ん?」


ふと見ると、牛の群れがあった。

牛と言っても、この世界の牛は、緑と白のまだら模様だが。


「あれにするか」


俺は、その牛の群れを狙って狩りを始めた。

狩りの方法はいたって簡単。

上空へいって、牛たちから見えないようにして狙いを定める。そして、そのまま急降下して捕まえる。

かなりシンプルだ。


「・・・今日の収穫はこんなもんかな」


今日の狩りで捕まえたのは、牛を3頭程だ。


「とりあえずアルスのとこへ帰って、分けるか」


そう考え、俺は寝床へ帰った。



***



洞窟に帰った俺だったが、アルスはまだ寝てる・・・


「アルス~。おきて~。めし~」


『・・・』


起きない。なら尻尾で起こすまで。


「そりゃ!」


『ぎゃー!!!!!!』


「アルスおはよう。これ、今日の収穫」


『痛いじゃないか!』


「だって起きないんだもん」


『それは今日の狩りの収穫か。なかなかやるじゃないか』


すると、



アルスー起きてるかー


洞窟の外からアルスををよぶ声が聞こえた。


「誰だろう?」


『ふむ。我の家に尋ねてくるのは2、3匹だから、恐らくこの声はガルダだろう』


「ガルダ!?」


『うむ。我の唯一無二の親友だ』


「親友居たんだ」


『意外だったか?』


「うん。それよりアルス。早く出ないと」


『おぉ。忘れていた』


そう言ってアルスは洞窟の外へ歩いて行った。その間、俺はやることがないので、今日獲った牛を食べた。

1匹食べ終わる頃にアルスが帰ってきた。アルスの裏には2匹のドラゴンがついてきた。片方は、アルスとほぼ同じくらいの体長で赤いドラゴン。もう片方は、アルスより若干小さくて黄色いドラゴンだった。


『おぉ。ドラド。紹介する。こいつが・・・』


とアルスが言いかけていた時に赤いドラゴンが挨拶をした。


【俺はガルダだ。よろしくな】


「は、初めまして。俺はドラドです。こちらこそ」


【敬語はよしてくれ。堅苦しい】


「分かった。俺もそっちの方が良い」


すると、今度は黄色いドラゴンが挨拶をした。


「俺は、ザクです。よろしく。あ、後、俺も敬語はやめてください」


「分かった。じゃあ、俺も敬語じゃなくていいよ」


そう言って、握手をした。


『ところで、ガルダ。我に用ってなんだ?』


【あぁ。実は・・・俺、契約者を持った。契約者はザクだ】


「『え?』」


思わず二人そろって言ってしまった。


【お前は親友だから、話しておこうと思ってな】


『そういうことか。ならば我も嘘はつけんな。こいつは我の契約者だ』


「【えぇ!?】」


ガルダとザクもびっくりしていた。


『なんだ。そんなに意外か?』


【いや、なら、手間が省けたと思ってな】


『どういうことだ?』


【実はこいつの親友を探してる。しかも、元・人間のな】


俺はその時感じた。この黄色いドラゴンは・・・

そう思っていたら、ザクが口を開いた。


「俺の親友の名前は、龍人だ!そいつを探してる」


『何!?』


俺はやっぱりと思った。


「・・・ってことはザク、いや、お前は和真だろう」


「やっぱり、お前は龍人だったんだな」


「あぁ。」


俺達が話してると、アルスが話してきた。


『それにしてもなんで・・・』


すると、ガルダが話し出した。


【ザク・・・いや和真は、親友を探すために、親友ともう1度会うために人間を捨てたんだ】


『ところで、このことはアラッド・・・いや竜王には話したのか?』


【いや、まだだ。俺はこいつの力量を知らない。だからそれについても相談に来た】


『どういうことだ?』


【アルス、一生のお願いだ。和真を鍛えてくれ。頼む】


ガルダはそういってアルスに頭を下げた。


『・・・なんで我なのだ?』


【俺は、教えるとかそういうことがめっぽう弱いんだ。だから、うまく教えられない。なぁ。頼む】


『・・・ふむ。親友の頼みだ。断るわけにもいくまい』


【ありがとうな】


そう言ったガルダの目からは、一筋の涙が流れていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ