第11話 - ドラゴンへ・・・(和真side)
第11話投下~
※修正履歴
最終更新日:2011/11/16
・余分な字があったので削除しました(内容に変更はありません)
俺は一か八かの賭けに出た。
「・・・分かった。俺を竜界へ連れてってくれ!!」
俺は腹を決めて、ドラゴンにそう言った。
【――ほんとに人には戻れないぞ? それでもか!?――】
「あぁ。それに、ドラゴンのとしての生活も悪くないと思ったんでな」
【――なら、ドラゴンになるために契約をするぞ――】
「あぁ!」
【――契約の段取りは簡単だ。お互いの名前を教えあって、それから、ドラゴンである俺の血を飲む。それだけだ。ちなみに、ドラゴンになるときは激痛が走るからな――】
俺は、『血』という言葉を聞いた時に、若干ビビったが、ここまで来て、後戻りする気はない。
【――じゃあ、契約を始めるぞ――】
「おう!」
【――まず、俺の名前はガルダだ――】
「俺は、逢坂和真だ」
【――じゃあ、和真。心の準備をしておけよ――】
ドラゴンはそういって、自分の前足を、鋭い爪で軽く切った。
【――準備は良いか!?――】
「おう! いつでも。」
ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!
そう言って俺はドラゴンが差し出してきた前足からドラゴンの血を飲んだ。
【――もういいぞ――】
「OK。わかっ・・・っぁ!!!!!!」
分かったと言い切る前に俺の体に激痛が襲ってきて、立っていられなくなった。
例えるなら、鉄の杭が何本も突き刺さってる落とし穴に「これでもかっ!」ってほど落とされてる感覚だ。
よく腕を見ると黄色い爬虫類のような鱗が生えてきた。
これがドラゴンになるってことか・・・
俺はそう思いながら、ドラゴンになっていく身体を見ていた。
手の指は人差し指と中指、薬指と小指がくっつき、鋭く頑丈な鍵爪が生えてきている。
腕は、筋肉がついていき太くなってくる。足にも手と同じ変化があった。
感覚で分かったのだが、尻尾や翼も生えて来ている。角も生えて来ている。その過程で髪の毛は全部抜け落ちた。
1分程経っただろうか。今度は、体がだんだん膨張していく。
今、足元は、ほとんど見えていない。
顔も、上顎と下顎が突き出していき、鼻は、上顎に吸収された。首も伸びていっている。
目や口内にも変化が現れた。
目が、内側から、鋭い刃物で突き刺され、そのまま抉られているようで、開けていられない。
歯も、今までの歯がすべて抜け落ち、鋭い牙へと生え変わっていく。
そして3分位たった時変化が落ち着いた。
「グルルルゥ・・・つ~。痛かったぁ。」
俺はたった今ドラゴンになった。
【おい! こっちに来い! 竜界に行くぞ!!】
そうして俺は竜界へと旅立った。
***
竜界・・・。俺は、そこの壮大な自然に自分の目を疑った。
こんなに広大な草原も、こんなにのどかな風景も見たことがなかったからだ。
【気に入ったか?】
「あぁ。すげぇ・・・って!! 普通に話しできるのなんで!?」
【お前がドラゴンになったから】
「あ、やっぱ?」
【分かってるんなら聞くなよ・・・】
「わりぃわりぃ」
そうして、俺の竜生活が始まったのだ。
もちろん、親友探しの日々も・・・
これで和真視点の話は終わりです。次話から龍人視点に戻ります☆