1/20
第0話 - プロローグ
前置きみたいな感じで
ここはどこだろう…。
何もない空間。
自分が立っているのか、寝ているのか、それさえもわからない。
何も見えない、何も感じない。
ただ一つわかるのは、自分が目を瞑って居るという事だけ。
声が聞こえる―――。
何の声だろう。
近づいてくる―――。
少しずつ、だが確実に。
でもなんだろう。
どこかで聞いたことあるような、懐かしい声。
でも、人の声にしては何かが違う。
また一歩、近づいた。
「…と…」
さらに近づいてくる
「りゅ………と…」
何が言いたいのだろう…
「りゅ…うと…」
俺の…名前…?
「龍人…」
目を見開く。
その先に居た"モノ"は―――。