Ep1 紺青の街
天井を見上げると、首ががくんとなって、口もぽかんと開いてしまう。
高い高い天窓からは、目がくらむほどの光が差し込み、石造りの床を白く照らし出していた。
あんな所にある、あんなに大きな窓…一体、誰がどうやって拭いてるんだろう。
「直生くん、お待たせ。行こうか」
父上の、古い友人の呼ぶ声がして。
はい、と短く返事をすると、僕は小走りでその人の元へ向かう。
彼の歩調に合わせるように小走りになりながら、優しげな横顔を覗きみると。
天窓の光を受けて、銀色に光る短い髪に手をやりながら、彼は穏やかな口調で僕に声をかけてくれた。
「王妃は孤児院の慰問に出てらっしゃるそうだよ。お目通りが叶わなくて、残念だったね」
「いえ、また機会はありますし。王にお会いできただけでも」
『本当に…直生は父上そっくりだな』
そんな風に言って、懐かしそうに笑った王。
威厳の中から気さくな性格が滲み出ている、会うたびにほっとする人だ。
王妃にお会いできなかったのは、確かに残念だけど…それはそれで、良かったような気がしていた。
彼女の笑顔を見ると…どうしても、辛くなってしまうから。
故郷を発った、あの日。
『行って参ります、母上』
いつものように、声を掛けてみたものの…いつものように、返事はない。
静かに眠る母上の顔を、僕はただただ…見つめていた。
母上の優しい笑顔は、遠く懐かしい昔の思い出の中だ。
「どうかした?」
「あ………いえ」
「長旅で、ちょっと疲れちゃったかな」
「大丈夫です」
「そっか」
満足そうに頷いて、彼は年齢を感じさせない、子供のような顔をして笑うのだった。
街を少し歩いてみたい、とわがままを言ってみた僕は。
男性と別れ、城下町に足を踏み入れた。
そして。
思わず…息を呑んだ。
目を丸くして、何度も人とぶつかりそうになりながら、こちらの道、あちらの道と、様々な物を商う店がずらりと並ぶ、紺青の街を歩いてみて。
…ため息が溢れた。
なんて、賑やかなんだろう。
四方の邑の中で、東邑が一番豊かだと聞くけど…やっぱり、宗主国には敵わない。当たり前のことだけど、ここまで違うなんて思ってもなかった。
僕と同じくらいの年の少年も、皆かちっとした服を身に纏い、颯爽としていて…僕よりずっと、大人っぽく見えた。
そこまで考えて…かっと、顔が熱くなる。
きょろきょろしている僕は、きっと…物凄い田舎者に見えているだろう。
不意に俯いて、石ころを小さく蹴ってみる。
と…その時。
「いや!!!」
若い女性の悲鳴が聞こえ、慌てて声の方へ向かう。
すると、艶やかな着物を身に纏った女性が屈強そうな男達に囲まれ、腕を掴まれていた。
「離して!離してください!!!」
「おい、待てよ嬢ちゃん」
「そっちからぶつかっといて、そりゃ無いんじゃねえの?」
「だから…ごめんなさいって」
「ごめんで済んだらなんとか、って…言うじゃねえか、なあ」
彼女を弄ぶように、楽しそうな男達が顔を見合わせている。
怯える女性を見ていたら………
腹の底から、怒りがこみ上げてきた。
確かに、東は田舎だけど。
少なくとも…あんな風に女性を侮辱するような、ふざけた連中はいない。
…そう思ったら。
「やめろ!!!」
自然に、体が動いていた。
腕を捻られて悲鳴を上げる男の傍から、女性がもがくように逃げ出し。
振り返って…怯えた瞳でこちらを見つめる。
「逃げて、僕には構わず!さあ!!!」
「あっ………ありがとうございました!!!」
女性が逃げていくのを見送って、男の手を離すと。
そいつの仲間達は…獣のような鋭い目で、こちらを睨みつけていた。
「…なんだぁ、このガキ」
「大人の話に首突っ込むなんざ…どういう躾受けてんだろうなぁ?」
「女性に乱暴するなんて…大の男がすることじゃない」
「へえ」
素っ頓狂な声を上げ、男達は一斉に、下品な声で笑い出した。
「随分と正義感の強いガキだなぁ、おい」
「ちったあ痛い思いさせてやったほうがいいんじゃねえの?」
「そうだな」
こきこきと太い指を鳴らし、男達がこちらに近づいて来る。
『喧嘩なんて、弱い人間のすることだ』
故郷では、父上にずっとそんな風に言われてきたけど…今回ばかりは仕方ない。
とはいえ。
僕一人に対し、相手は十人近く…しかも体も一回り以上大きな、大人の男達だ。
ひやり…と、背中を汗が伝う。
と…その時。
「ちょっと待ちな、お前ら」
そこに立っていたのは。
僕より少し小柄な、青い瞳の少年だった。
拍子抜けした様子の男達の間をすり抜け、少年の傍に駆け寄る。
「大の大人が寄ってたかって、何?弱い者いじめ?」
「…てめえ、何のつもりだ?」
「別に。うちの近所で揉め事、起こされたくないだけ」
「…あ」
男達の中の一人が、太い指で少年を指差す。
「こいつ…知ってるぞ!確か、そこの道場の」
男達に動揺が広がるのを見て…腕組みをした少年は、満足そうに頷いた。
「そゆこと!だからお前ら、痛い目見たくなかったら」
「ちょっと待てよ、チビ」
低い声で制され…彼は、かあっと顔を赤くする。
「何だと!?」
「んだよ、チビにチビって言って何が悪い?」
「う…うるせえ!!!」
どうやら、彼は…僕以上に、自分の身長を気にしているらしかった。
「チビって言うなチビって!!!今はチビかもしんないけど、俺だってすぐに」
「ちょ…ちょっと、君」
「うるさいなぁ、お前は黙ってろって!」
今は…それどころじゃないだろ。
そう思った瞬間。
男の拳が、彼の顔に飛び。
「ひっ…」
小さい悲鳴を上げ、彼は体を縮めて男の大きなゲンコツを避けた。
その姿に…ちょっと驚く。
ただの子供かと思ってたら…こんなに反射神経がいいなんて。
でも。
ただの偶然だったのか、彼は青ざめた顔で叫ぶ。
「お前っ…急に何すんだよ!?」
「ああ?」
男達は、獲物を捉えるように…じわりじわりと、こちらに近づいてくる。
「実はなぁ…てめえんとこの連中には、随分世話になっててよぉ」
「そーそ、迷惑してんだよな。てめえらみたいに、妙な正義感振り回しやがって」
「な…んだよ………」
さっきまでの、余裕の態度はどこへ行ってしまったのか…彼は不安そうな顔で後ずさる。
「てめえのその綺麗な顔、ボコボコにしたら…ちったあ気が晴れるかと思ってなぁ」
「そ…そんなこと」
口の端から唾を飛ばし、少年は焦ったように怒鳴った。
「そんなことしたら…お前ら、うちの親父に何されるか分かんねーぞ!?お袋だって黙ってねえし、それに…わかんねーけど、多分ねえちゃんだって」
「ああ?」
「そしたらなぁ、ボッコボコにされんのはてめえらの方だぞ!?それでもいいのか!?」
必死な彼の言葉に………
大きく一つ、ため息をついた。
こいつ………自分がどれだけカッコ悪いこと言ってるか…分かってんのかな。
負け犬の遠吠えに、男達が退く気配は…勿論ない。
「んなこたあ、後で考えらぁ…」
「とりあえず、すかっとしてぇんだよ、俺達はな」
男達に迫られ…僕達は、じわじわと壁際に追い詰められていく。
これは………普通に喧嘩するよりも、不利な状況かもしれない。
そんなことを、焦った頭で考えている間に。
物騒な笑みを浮かべた男達は、すぐそこまで迫っていた。
「さあ、早くこっちに」
その時。
男達が伸ばした手を、ひょい、と…またしても鮮やかな動きですり抜け。
少年は僕の手を、がしっと掴んだ。
「えっ………?」
「…おい、逃げんぞ」
早口で囁いて。
少年は…物凄い勢いで、駆けだした。
「てめえら、待ちやがれ!!!」
「待てこらあ!!!」
「…待てと言われて待つ奴があるか」
小さな声で悪態をついて、少年は男達を振り切るように走り続ける。
僕の腕を…掴んだまま。
「ね…ねえっ」
「ああっ!?何だよ、今お前の質問に答えてる暇は」
「いや!いいからその手、離して!走りにくいんだってば!!!」
あ、と呟いて。
彼は、握っていた手をぱっ、と離した。
やっと自由に動けるようになって…無論走りながらだが…ほっ、とため息をつく。
「わっりぃ大丈夫か?」
「うん。で…僕達、どこに向かってるの?」
「…どこにも」
「………えええ!?」
「とりあえず、あいつら振りきりゃ勝ちだ!余計な事は考えないで、気合入れて走れ!…って………えーと」
少年は息を切らしながら…僕の顔をじっと見た。
「お前…誰だっけ?」
「……………」
言葉を失う。
………変な奴。
男達の怒声にかき消されそうになりながら、東邑の育ちで、今日紺青に着いたばかりだということを、僕は少年に早口で説明した。
へえ…という、間の抜けた相槌を打って、彼はにっ、と笑って見せる。
「俺、一馬!お前は!?」
「直生」
「そっか、よろしくな!!!」
じゃ、と呟いて…ちらりと脇道に視線を向け。
「こっちだ!直生!!!」
急ブレーキを掛けて立ち止まり、方向転換をして…一馬は、別の細い路地に飛び込んだ。
「何してんの?」
走り続ける僕達の頭上から聞こえてきたのは…あどけなさの残る、少年の声。
「見りゃわかんだろ、悠斗!逃げてんだよあいつらから!!!」
背後の男達を指差し、一馬は知り合いらしい少年に叫ぶ。
大きな厚い眼鏡をくい、と持ち上げ。
悠斗と呼ばれた少年は、自分のいる…屋根の上に僕達を誘った。
「上って来たら?あいつら、さすがに屋根の上までは追って来れないだろ」
「………そうか!!!」
はっとした顔になって…一馬は目を輝かせる。
「やっぱ、悠斗は頭いいな!行くぞ直生」
ひょい、と身を翻し…一馬は、傍に伸びていた屋根のひさしに飛び乗った。
…やっぱり。
こいつ、喧嘩は弱そうだったけど…運動神経はいいらしい。
屋根に上り、悠斗少年と共に走りだした僕達の足元から、てめえら卑怯だぞ、とか何とか…男達の怒声が飛んでくる。
僕達より一回り小柄な悠斗は、そんな男達にふい、と涼しい視線を向け。
「こっち」
小声で言うと、隣の路地の屋根に飛び移った。
その身軽さに…思わず息を飲む。
「おい、待てよ悠斗!」
「いいから、ついて来なってば」
促されるままに、小さな背中を懸命に追い、いくつも屋根を飛び越え、細い路地や民家の庭を駆け抜けて。
「………あれ?」
気がつくと。
男達の姿はどこにもなく…堀端の静かな通りに、僕達は立っていた。
「いつの間に………」
「大人が通れそうにない所、選んで通ってきたから。それより」
きょろきょろする一馬を見つめ、ため息をつく…悠斗少年。
「一馬…あの連中に何したの?」
「何…って」
聞き返す一馬に、大げさにため息をつくと、彼は眼鏡の縁に手をやった。
「どうせ後先考えないで、『とりあえず走ってりゃ振りきれるだろう』くらいの感じで逃げてるんだろうな、っていうのは、上から見てて分かったけどさ」
図星をつかれ…一馬は顔を真っ赤にして怒鳴る。
「な…なんだとぉ!?お前、人のことまるで馬鹿みたいに」
「でも…逃げるってことは、怒らせるようなことしたってことでしょ?あんな厄介そうな連中と、一体どんな揉め事起こしたんだろうって…気になってさ」
「そっ…そりゃあお前…」
そこまで言って。
不意に、一馬はきょとんと目を丸くして、首を傾げた。
「そういや、俺………何か、したっけ」
「いや…お前は何もしてないよ」
単に…僕の揉め事に首を突っ込んで、巻き込まれた…いや、騒ぎを大きくしただけだ。
とはいえ、責任を感じていた僕は…彼に謝ることにした。
「ごめんね、一馬。僕のせいで」
「そんなの、気にすんなって!それよりさあ…こいつ!」
本当に全く気にしていない様子の一馬は、楽しそうに悠斗少年の背中を叩く。
「俺の幼馴染で、悠斗って言うんだ!スッゲえ頭良いんだぜ、こんなチビだけど」
「…チビはお互い様だ」
「うるせえチビって言うなチビって!」
一馬って…何でこんなに『チビ』に過剰反応するんだろう。
「悠斗、こいつは直生。紺青に来たばっかなんだって」
「…そうなんだ。この時期ってことは」
ズレた眼鏡を直し、彼はじっと僕を見つめる。
「この春から、士官学校に通うとか…そういうこと?」
「うん」
そうなのか!?と、嬉しそうな声を上げる一馬。
「じゃあ、俺達と同期じゃん!?年は?16?」
「いや…15」
「そっかあ、じゃあ俺とタメだ!お前よりは1個上だな、悠斗」
「…1個…って」
紺青には、士官学校と呼ばれる、軍のエリート候補生を育成する機関がある。
そこでは、勉強だけでなく、武術剣術…それに、『神器』と呼ばれる不思議な力を持つ道具の扱い方を学ぶ事が出来る。卒業すれば、紺青でも高い地位が望めるとあって、紺青の属国からも若者たちがこぞって志願する、皆の憧れの場所だった。
普通は、16で入学するのが普通。17歳や18歳でやっと入学試験に合格する人もいる中で、僕や一馬のように15歳で入れる人間は、とても恵まれていると言える。
だが。
14歳なんて、正直………聞いたことがない。
驚く僕を得意そうに見ながら、悠斗はズボンのポケットに手を突っ込む。
「まあね…色々と特例が認められたっていうのもあるけど、それでも入学試験では結構苦労したんだよ。見ての通り…体格差もあるしね」
「んなこと言ったって…主席入学なんだから、大したもんだぜ」
幼馴染の快挙を、一馬は大きく頷いて賞賛する。
まあね、と満更でもなさそうに目を細め。
また、さっきまでの冷静な表情に戻って、悠斗は一馬に尋ねた。
「これからどうするの?あいつら、たまに騒いでるの見かけるけど…結構しつこいでしょ」
「…そうだなぁ」
眉間にシワを寄せ、うーん…と唸り。
一馬は何か閃いたように、ぽん、と両手を叩いた。
「そうだ!」
そこは、古い道場のような所だった。
入り口に立っていたのは…さっきの連中より、さらに屈強な男達。
臆することなく、よお、と片手を上げる一馬に…密かに感心してしまう。
「…何だ、ぼっちゃんか」
………知り合い…なのか?
そういえば、さっきの連中も…なんか、言ってたような気がするし。
実はこう見えて…凄い奴なのかもしれない。
「見張りご苦労!蓮兄、いる?」
その時。
「一馬じゃねえか」
振り返ると。
そこに立っていたのは、すらりとした長身の…黒髪の青年。
「蓮兄!ちょうどよかった」
「おー、何だ悠斗も一緒か。珍しいな」
濃紺のローブを羽織った眉目秀麗な青年は、不思議そうに首を傾げて僕を見つめる。
「そいつは?友達か?見かけねえ顔だけど」
「直生。実は、ついさっき会ったばっかなんだけどね」
「へえ………あれ?お前もしかして」
何か言いかける彼を遮り、一馬はぱん、と両手を合わせた。
「蓮兄頼む!助けてくれ!!!」
「………何だ?」
道場の中で、ごつい男達に囲まれ…落ち着かない雰囲気の中で、事の次第を話すと。
胡座を掻いて座る『蓮』と呼ばれた青年は、話は分かった、と膝を打つ。
立ち上がると、さらさらの髪がふわりと揺れ。
好奇心いっぱいの赤い瞳が、きらきら輝いた。
「おい、聞け」
よく通る蓮さんの声に、道場の大男達は、しん…と静まり返る。
「隊長命令だ。てめえら、一馬達を守ってやれ」
「押忍!!!」
「了解しやした!!!」
一斉に道場に響き渡る、男達の野太い声。
…隊長。
そういえば。
寺の入り口の看板に刻まれていたのは、たしか…『太陰』という文字。
「太陰隊…隊長」
呟いた僕に、嬉しそうな顔で答える一馬。
「そ!蓮兄は十二神将隊太陰隊の隊長なんだ。俺の自慢の」
「お兄さん?」
髪や目の色は違うながら、目鼻立ちが似ている気がしていたので、そう尋ねると。
蓮さんは…げ、という顔でこちらを見て。
いや、そうじゃなくてさぁ…と可笑しそうに口を開いた一馬を、慌てて遮ろうとした。
「こら、待て一馬!それは言うな」
「だって…どうせ分かることだろ?紺青にいたら、これはどーしたって耳に入ってくることだろうし。あのな」
「おい!一馬ってば」
にやりと笑って、一馬は蓮さんにぐい、と親指を向けた。
「蓮兄は…俺の」
その時。
蓮さんは、一馬の首を長い腕でぐっ…とロックした。
「うっ………」
目を白黒させる一馬の顔が、みるみる赤くなっていく。
「はっ…なせ…れん………に…い」
「そーだ、カズ坊それでいい!兄ちゃんだよなぁ?」
「そ………」
何か言いたげな一馬だったが…ぐいぐい締まる首に、身の危険を感じたらしい。
「そ…う…です」
蚊の鳴くような声が、道場に弱々しく響くと同時。
蓮さんは一馬を解放し、満足そうに何度も頷いた。
「よしいい子だ!やっぱガキは素直じゃねえとなぁ」
「げっ…げほげほげほ」
「大丈夫か?一馬」
うずくまる一馬の背中をさすって、悠斗は非難めいた目を蓮さんに向ける。
「まったく…蓮は、加減てものを知らないんだから」
「大丈夫大丈夫、一馬がどんだけ頑丈か、俺がいっちばんよーく知ってるからよ!」
目を丸くする僕達を尻目に、けらけらと高笑いして。
「………そうだ」
蓮さんは、いたずらっぽく…にやりと笑った。
「なあ…カズ坊」
「なっ…何?」
不敵な笑みに、胸騒ぎを覚えた様子で…後ずさる、一馬。
「守ってやるにゃ、守ってやるがな」
「…だ…から………何だよ!?」
「かと言って…連中がお前らを追っかけんの、やめさせねえことには…お前も安心して、家に帰れねえだろ?」
「………だからっ」
「だからぁ…な?」
背の高い蓮さんは、体を屈め…一馬の顔を覗き込んで、口の端を上げた。
「おめえも…祭りに参加しろ」