悪役令嬢に転生しましたが
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した。ただし原作のゲームはやったことないし、乙女ゲーム自体触れた事がない。
前世好きだった悪役令嬢もの小説みたいに、幼少期出会って、王子や攻略対象たちと仲良くなって…数年して学園に入学。特待生として平民のヒロインが入学してきた。とても高い魔力があるので平民達からは一目置かれている。
別に脅したりするつもりもなかった。攻略対象たちに手を出さなければこちらも何かする必要はない。
そんなある日の事だった。
空が割れ、雷が落ち、国が滅んだ。
「ど、どういうことよ…」
おかしい。私は何もしていない。攻略対象たちと仲良くなったのがいけなかったの?やっぱりヒロインのための世界だから、逆らったらいけなかったの?でもじゃあ、なんで悪役令嬢は存在しているの?嫌われるため?そんなの可哀想すぎるじゃない。被害者じゃない。こんなのおかしい。
「私は…負けない…!!」
「この君と僕の輪舞曲って乙女ゲームさあ」
「うん」
現代で、とある仲のいい姉妹が家でゲームしながら会話していた。寝ながらなのでとてもだらしがないが、家の中なのでいいだろう。多分。
「悪役令嬢出ないんだね?このミーナって子とか婚約者で悪役令嬢かと思ったのに、プレイしたらそんなことなかった」
「うーん乙女ゲームであんまり婚約者持ちの攻略対象はいないかな~、女の子を嫌われ役にするのもあんまりないかも…」
「あと、ヒロインがラスボスだったね」
「ヒロインは邪神の転生体だから強い魔力があるんだよね、本当は心というものがないヒロインが、攻略対象達と絆を育む事で愛を知って破壊兵器じゃなくなるから」
「バッドエンドでヒロインが世界を滅ぼすとは思わなかったよ…乙女ゲームってみんなこうなの?」
「そういうのも割りとあるね、ちなみに限定版にはもっと詳しい設定とか小話があったりするから、読みたかったら言ってね、貸すからね」
「乙女ゲームって商売の仕方が阿漕だよね…」
「負けないわ!私負けないわ!運命に抗って見せる!私は悪役令嬢だもの!」
そんなゲームだとは知らずにミーナはとりあえず自分を鼓舞するのだった…。