プロローグ
幡生木敬太・高校二年生・ぼっち
―もう一度言おう。ぼっちである。
ぼっちと言えば、何を思い浮かべるだろう。陰キャ・引きこもりとか、どっちかといえばネガティブな言葉が浮かびがちだ。
高校生になれば、高校生デビューだの、アオハルだのを楽しみにして高校生活を無駄にしないよう努力するだろう。
しかし、全ての高校生が素晴らしいアオハルを手に入れられると思ったら大間違いだ。友達作り、部活選びに手間取り、波に乗り遅れてしまえば、浜に取り残されたウミガメの子同然だ。
そして現在。俺は帰宅部、友達なんているはずもなく、ただ呆然と高校に通い続けている。
普通の高校生なら、休み時間になれば仲の良い友人複数人と話を弾ませ、飯は皆で囲んで食い、放課後になれば、部活があれば友達と部活へ、部活が無くとも友達と談笑しながら帰宅するものだろう。
しかも俺、嫌われ者っぽい。
今は「いじめ撲滅」とか言われてる時代だし別にいじめられてるわけではないが、少なくとも温かい目は向けられてないだろう。
授業中に不用意に目立ってしまえば、クラスメートからの冷たい視線が身に注がれるということは免れない。
「あー、転生したいな」
現実逃避じゃないが、そんなことを思うこともあった。
今日も授業が終わり、さっさと荷物をまとめて家への帰路につく。
学校の階段を降り、校門へ向かって歩を進め、校門をくぐろうと足を踏んだその時、俺の人生は変わった。