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負けヒロインと待ち合わせ


 水瀬に指定された時間の20分前にスポーツセンターに到着した俺は中に入りベンチに腰掛けて彼女の到着を待つ。だが、前世含め女子と遊んだ回数は1.2回しかも二人っきりで遊ぶなんてことはなかった。しかも、水瀬のような美少女となれば今まで遊んだことなど一度もない。

かなりお洒落な部類の白黒ジャージを着て、中には半袖の黒シャツを着て申し訳程度のお洒落として首に親から貰った紫水晶のネックレスを付けている。前髪が最近伸びて邪魔になったので軽くワックスで上に上げて如何にもスポーツマンみたいな格好だ。

だが、これはイケメンがすれば物凄く似合っているとか褒められるのだろうが、いかんせん前世今世ともにパッとしない顔の俺には分不相応な格好だったかもしれないと今からながら不安になってきた。


(ワックスはやり過ぎたか?でも運動によっては玉が見えなくなるからしないとちゃんと試合にならないし、ネックレスは運動の時に邪魔になるな。でもこれが無いと何かダサいんだよな〜。はぁ、今から不安がってもしょうがないか。とりあえず飲み物でも飲みながら心を落ち着けよう)


そう思った俺は財布をポケットから取り出し、中にある自販機に足を向ける。

そのタイミングで、スポーツセンターの入り口が空いたのを感じそちらを見るとそこには、紺色と黄色のジャージに身を包み普段はしていないポーニーテールを揺らしている水瀬がいた。

正直水瀬のジャージは学校指定の芋ジャージでしか見てなかったが、それでも彼女はそれを着こなしていた。だが、そんな彼女がジャージを本気でコーディネートの一つとして組み込んだのだ。普段から水瀬を見ている俺といえどもそんなことをされれば、彼女の魅力に魅入られてしまうのも仕方がない。

しかも普段制服のブレザーによって抑えられていた、凶器が何の拘束もなく晒されている。

あっ、揺れてる。スポーツブラしてねぇのかあれ?てかしててあれならやばくね?俺の理性今日持つのか。


「あっ、湊川君いた!…………こんにちは湊川君、突然誘ってごめんね」


水瀬はその凶器を揺らしながら、俺のもとに駆け寄り笑顔で挨拶をしてきた。


「…………こんにちは、いや別にいいよ。ちょうど今日運動したい気分だったし本当いいタイミングだった」


俺は視線その凶器に向けないよう、視線を彼女の顔に向けるように意識しながら返事を返す。


「本当に?」


水瀬は俺の返事がおかしかったせいで、不安そうに上目遣いで見上げてくる。


「いや、本当だよ。ちょうど部屋に閉まってたサッカーボール取り出したタイミングで水瀬のメッセージ来たから本当ちょうど良かったよ」


(ちょ、それやめてもらえません?上目遣いだと貴方のご立派なお胸様と美少女フェイスのダブルパンチでドキドキしすぎて死にそうなんで)


と表面上は冷静に彼女を安心させる言葉を言っているが内心めっちゃテンパっていた。


「ふふっ、そっか……なら良かった。湊川君に迷惑かと思って不安だったんだ」


そう言った彼女は安堵の表紙を浮かべた後、柔らかな微笑を浮かべている。

俺にとって水瀬はアイドル的な存在だ。正直そんな彼女の魅力的な表情を間近で見ている俺の心臓は、普段の二倍くらい早くなるのは当然。さらに頰に熱が集中しているのがハッキリと感じられくらいに緊張している。


「本当気にするなよ。水瀬と遊びたいから俺はここに来てるんだ。嫌ならメッセージの時点で断ってる。とりあえず中に入るための券俺が買ってくるから、靴しまってこいよ」


俺はそう言って、顔を背けて水瀬に離れる。


(危ねぇ、あれ以上いたら俺が緊張してるのバレるとこだった。俺はあくまで友人として水瀬と接するんだ。友人相手に緊張するなんて普通じゃねぇ。メッセージのやりとりみたいに気安く行け)


俺は自分にそう言い聞かせ、過去最速に速まっている鼓動を収めるべくゆっくり歩いて受付に向かった。


だが、胸が高鳴っていたのは小鳥も同じだった。


(あの格好反則だよーーーー!無理、イケメン過ぎるよ!ここからさらに汗とかで二割マシでしょ!?そうなったら無理、私緊張し過ぎてまともに動けないよ)


普段は髪が長くて、あまり素顔を見る機会が無かったが間近で見ると奏の顔はかなりの整っていた。しかも小鳥の好みどストライクのクール系。奏が近くにいたため何とか隠していたが、靴箱に靴を持って行った瞬間先程の光景を思い出し、顔を真っ赤に染め頬を手で隠し悶えていた。





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