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負けヒロインはハイスペック


「水瀬、買ってきたぞ…………?って、何してるんだ?」


俺は、入場券を買って水瀬の元に戻って来ると彼女は真剣な表情で何かを呟いていた。


「…………落ち着くのよ、私いくらあの時落ちたとはいえ、これは流石にちょろ過ぎる。恋愛マンガじゃあるまいし……ぶつぶつぶつ」


何かに取り憑かれたように、言葉を発しているが何をいっているか早すぎて聞き取れない。

マンガだと、結構こうなるシーンはあったけど内容はまちまちで今夜の献立とか、テストの間違えたところ考察する時とか、慌てている自分落ち着けるため等、多様なため一様にこんなことを考えているんだろうということは分からない。


しかし、この状態になった彼女は外部からの衝撃がない限り止まることはない。仕方がないので俺はここに着いた時に買っていたキンキンのスポーツドリンクを彼女の首筋に当てる。


「ひゃっ!?な、何?」


水瀬はあまりの冷たさに正気に戻ったようでキョロキョロと辺りを見回し何をされたのか把握しようとする。


「水瀬がどっか行ってたから、冷たい飲み物でこちらに戻したんだよ。声かけても反応ないから」


「そ、そうなの。またやっちゃった。って!湊川君もしかして私が言ってたこと聞こえてた!?」


「いや、特に何も聞こえてない。早口と小声で何言ってるか全然わからんかったよ」


「はぁー、良かった」


水瀬は俺の返答を聞き安堵の息を漏らした。どうやら、聞かれたら困ることを考えていたようだ。変にここで内容聞いてたらギスギスする可能性もあるし、この俺の対応は間違いではなかったみたいだ。

何かギャルゲーの選択肢で正解を選んだ気分だ。まぁ、水瀬は元は二次元の女の子だしギャルゲーに出てもおかしくはないか。


「とりあえず中いって何ができるか見よう。それで何のスポーツするか決めようか」


「そうだね、出来れば卓球以外がいいな〜」


「ん?苦手なのか卓球」


俺は前世の知識と今世の知識を振り返っても彼女は基本的にスポーツ全般は得意だったと記憶している。だが、彼女の反応を見るにやりたくはないようだ。


「いや、苦手ではないんだけど出来ればしたくない競技なんだよ。卓球って」


水瀬はそう言ってあははと、何かを思い出し苦い笑みを浮かべた。


「そっか。ここは色々なスポーツがあるし他のすればいいだろ」


この時俺は何気なく発した言葉はフラグとなり彼女がどうしてしたがらないかというのがこの後すぐ知ることになる。











「卓球になっちまったな…」


俺は、水瀬のしたくなかったことをする羽目になり申し訳なさで一杯だ。卓球のコートは一般に開放しているのだが、他のコートは大会や、シニアクラブの交流試合などで埋まっており卓球以外の選択肢がなかったのだ。


それを知った俺達はお互いに乾いた笑みを漏らすしかなかった。


「ううん、私が誘ったのに前もって今日何があるか調べなかったのが悪いんだから気にしないで」


「そっか、まぁ卓球もやってみれば案外楽しいかもしんないしやろうか」


俺達はそう言ってラケットを持って卓球台につき、向き合う。

俺は、サーブを打つべくピン球を真上に投げる。

そのタイミングで水瀬が口を開いた。


「先に謝るんだけど、別に卓球はきらいじゃないの。ただ勝負にならないからしたくなかったんだ」


俺はその言葉を聞いた瞬間、あぁそういえば君そんな設定あったねと思いながらサーブを打つ。

水瀬はそれを高速スマッシュで打ち返す。ピン球はその勢いそのままコートを仕切るネットに突撃とてつもないドライブのかかったピン球はシューーーと音を立てしばらくの間空中で留まり、数秒後ポトリと落ちた。


「私物凄く強いからやってる人は、ただボコボコにされるだけで不快になるからしたくなかったの」


水瀬はそういうと、悲しそうな笑みを浮かべた。

そう彼女は小中の間卓球クラブに入っており、その期間中に出場した大会は全て優勝。確か、異名が付いてて『終焉を告げる者』と呼ばれていた。その名がついた理由は彼女との試合はあまりにも一方的で敵対した者全ての心を折り、その全員が卓球を辞めたからだ。

彼女が高校に入って卓球をしなかったのは、自身のせいで他人から卓球を嫌いになって欲しくないから。心優しい彼女には自身が大好きなスポーツは人を傷つける凶器になってしまうことに耐えらなかったのだ。

しかも、残念なことに水瀬の辞書に手加減と言う言葉は載っていないだから、一度でも初めてしまえば最後、試合が終わるまで全力全開だ。

そんな不器用な彼女は俺が不快な気持ちになるだろうと思って卓球を選択肢から外したかったのだろう。

だが、それは見当違いも甚だしい。


「水瀬、一つお前は勘違いしている」


「え?」


俺はそう言ってピン球を拾い再びサーブを開始する。そしてオレの放ったサーブはネットの手前ギリギリに落ち急激なバックスピンがかかりオレのコートに戻ってくる。


「俺をお前は弱いと思っているようだが、俺はかーなり強いぞ?」


そう言って前世全国高校大会で優勝した俺はニヒルに笑うのだった。








ちな、こんなこと無理やろと思う方いるでしょうが意外と卓球って回転が掛かるのでテニヌみたいなことも何個かできます。ゼロ式どろっ○とか、ヘカントケイ○ね。

但し絵面は微妙になるけど。

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