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窓からの桜

作者: タマネギ

まだ見えないよ。咲いているところ。

一日中、窓から外を見てたけど、

桜の花は見えなかった。


春になったら、かってに見えると、

そう思い込んでいるなんて、

春のこと、何も知らないな。


がんばらないと、

桜の花は見えないんだろ。

ほんとの花は見えないんだ。


春は二通り、道は二つに

分かれてるから。

やっぱり、がんばる道を行かないと。


そんなことはないよ。

誰にだって、桜の花は見えるよ。

君は、がんばろうとしてるけど。


ぼくはがんばろうとしていない。

それでも、日は照らすし雨は降る。

風は吹いてくれるし、水だって。


春に二通りあるなんて、

道が二つに分かれるなんて、

気にしていてもしょうがない。


善いも悪いもないってこと。

君が、そう思い込まされただけ。

桜の花は、そのうち見えてくる。


ほんとうの心根の花もね、

心を真ん中にすれば、誰にだって

見える、見えてくるんだよ。

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