02話 小話
部屋を出て奥へ進むと香ばしい匂いが漂ってくる
「さぁ、ご飯にしようか」
そういうとグウィンさんはテーブルに着く、僕もそれに連れてテーブル席に着くと、目の前には豪華な食事が並んでいる。
「わぁ、すごく美味しそう!」
「ほっほっほ、喜んでくれて嬉しいよ、では頂こうかのぉ」
そういうと食事に手を出した、テーブルにはパンとカボチャのスープと、何かの肉のステーキが並んでおり、パンは焼き立てなのかふかふかもっちりしていて、カボチャのスープはとても濃厚で喉を通るたびにカボチャの芳醇な香りが鼻を抜ける。次はステーキを味わってみようかな
それよりこれは・・・何の肉だろう?
「グウィンさん、これは何のお肉なんですか?」
「ん?これか?そうじゃのぉ、これはホーンラビットの肉じゃな」
「ホーンラビットですか・・・?」
「うむ、角の生えたウサギでのぉ、体長は15~30cm程の真っ白な魔物の事じゃ」
「魔物ですか・・・」
この世界には魔物なんてものが存在するのか
「そうじゃ、魔物といっても魔力が宿っているだけで動物と構造上は何ら変わらんよ、人は魔物の事を恐れておるが、私たちから歩み寄れば向こうも心を開いてくれる。じゃから魔物の事をあまり怖がらないでほしい。」
グウィンさんは遠くを見ながら優しい顔で語ってくれた。
「はい、僕は記憶を失くして魔物の事も覚えていませんが、もし優しい魔物がいたら自分から歩み寄ってみようと思います!」
「うむうむ、ギンならとても優しい子に育つとわしは思っておるよ」
食事を終えるとグウィンさんにこの世界について色々と話を聞いた
まず、大陸は3つに分かれており、1つはグランディア大陸、2つ目は魔人が住んでいるゼルディア大陸、そして3つ目はジャポルン大陸と呼ばれる全方位が海に囲まれた大陸だ。そして僕はグランディア大陸のセルディ村という場所にいるらしい。
通貨は銅貨、銀貨、金貨、白金貨まであり、100枚ごとに位が上がっていく仕組みらしい
そして最後にステータスというものを教えてもらった、ステータスはその人の年齢や性別、能力等が記されており、他人には見えないようになっているらしい。
だけど鑑定などのスキルを使われると覗かれてしまう、だけど鑑定はとても珍しいスキルらしく大抵の人は持っていないらしい。
ステータスを見るにはステータスと唱えると出てくる、ちなみに僕のステータスはこんな感じだ。
【名前】ギン
【種族】人間
【年齢】14
【性別】男
【職業】なし
【レベル】1
HP 120/120
MP 6/6
体力:7
筋力:3
魔力:4
敏捷:6
運:5
【称号】迷い人
【スキル】なし
【固有スキル】なし
【魔法】なし
低いのかな?高いのかな?普通の人の平均が分からないから判断つかないや・・・
グウィンさんに色々と話を聞いていたら夕方になってしまった。
「そうじゃ、ギンよお風呂を沸かすから入って来なさい」
「僕から入ってもいいんですか?」
「ほっほっ、よいよい、それよりも着替えが必要じゃのぉ」
そういうとグウィンさんは奥のタンスから僕の着れそうな服を持ってきてくれた
「お主の着れそうなものだとローブぐらいになってしまうのぉ、すまんが明日まではこれで我慢しておくれ」
それは布でできた深い青色のローブだった
「ありがとうございます、大丈夫ですよ!むしろ倒れている所を介抱していただき、そのうえご飯までご馳走してもらって申し訳ないです」
「なになに、こんな老人一人じゃ余ってたぐらいじゃ、遠慮せんでもよい。それより明日はお主の服とこれからについて考えるとするかのぉ」
「はい、お願いします。それではおやすみなさい」
「ふむ、おやすみなさい」
そう言うと僕は風呂場へ向かった
風呂場に着くと木で作られた大きなお風呂が湯気を立てている
服を脱ぎ、身体を洗ってからお風呂に浸かった
「ふぅ~、良い湯だなぁ~」
我ながら年寄り臭いことを言ってるな
「これからどうしようかな・・・、いつまでもここに居る訳にもいかないし・・・」
そういえばグウィンさんはどうしてモンスターじいさんなんて呼ばれているのだろうか
「また明日聞いてみようかな」
そういって風呂から出て青色のローブを纏うとベッドにダイブした
「ふぅ~おやすみなさい」
ギンはベッドに横になり少しずつ瞼を落としていった