寒空に月
何年ぶりかの雪が降り積もり、寮の自室に居ても寒くてしょうがない。
これが「地球温暖化のせい」だとか「異常気象」だとか、馬鹿な私は他人事の様に聞き流し 目の前にあるミニサイズのパズルを攻略していた。
出来上がると花畑に子犬が寝転んでいる姿があらわれるはず。
「あれっ?」
あと一つのピースが足りない…
机の上や下などを探したが、どこにも見当たらない。
「はぁ…」
コレ、どうしよう。
思わずため息がもれた。
99%完成していても、1%が手に入らなけれは永遠に未完成なのだから。
失意の中、何と無くつけていたテレビに目をやる。
ニュース番組のお天気お姉さんは、明日は朝から晴天との予想…
思い立ってベランダへ出てみた。
部屋着に裸足にスリッパにはとてもキツい冷んやりとした空気だ。
でも、嫌ではない……むしろ清々しい。
しかし、寒いのにはかわりないので直ぐに部屋へ引っ込もうとしたその時、
私は ふと空を仰いだんだ。
何も無いはずの空で、其れだけがポツンと一つ穴があいたように浮かんでいた。
綺麗な円形で、寒空の中で冷たい風の中 凛と美しく輝く…
「そっか、今日は満月…」
思わず独り言がこぼれた
しばらく見惚れていたが、一際冷たく強い風が吹き急いで部屋に戻る。
わからない
わからない、けど
私の頬には、涙が止まらず溢れつたっていた。
涙を流すなんて何年ぶりだろう?
わけもわからず、子供の様に泣きながら 心の中では冷静に「何故?」という疑問を考えていた。
何故なら私は、
記憶の一部分を失くしてしまっている。