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目が覚めると  作者:
9/30

side 香織

麗奈との買い物が終わり、電話をしたら尚くんが迎えに、逢いに着てくれた。

私に逢いたいと思ってた事が嬉しかった。他愛もない話をしながらドライブをした。




尚くんはいつも優しくて、小さいころから私に構ってくれていた。そんな彼だから小さいころから尚くんのことが好きになっていた。

私は私立の女子校を大学までエスカレーター式で上がって行ったから、共学の学校に通っていた尚くんのことは何も知らない・・・。尚くんは格好いいから学校でもモテてたんだと思う、帰り道の車の中から尚くんが楽しそうに帰っていたのを見たことがあった。

その時、帰ってすぐベットの上で瞼が腫れるまで泣いていたことをいまでも覚えている・・・。


そんな中大学に入った頃に、縁談の話が来ていた。縁談の話って言っても相手は尚くんで、パパが

『政略結婚ってわけじゃないから、嫌だったらお互い断ることも出来る』

って言ってたけど私には断る理由なんて持ち合わせてはいなかった。


だけど・・・。


尚くんはどうなんだろ・・・。


政略結婚とかじゃないんだから断る可能性もあるんだよね?


そんな不安があったなか縁談が決まって、晴れて私は尚くんの婚約者になることが出来た。

その報告を受けた時パパと私はおおいに喜びあっていた。

パパは最初から尚くんと何があっても結婚させようと思っていて断られたら政略結婚でも、脅してでもいいと思っていたらしい・・・・。パパ・・・。

ママは私が尚くんの事が好きなのを知っていたから『よかったね』と一声かけてくれて、その夜は私とママが行きたがっていたフレンチレストランで食事をした。もちろんパパの奢りで


パパは大企業の社長なんだけど・・・。お金をもってたら使い切るとかなんとかで、お小遣い制になっていたからその時、嬉しいはずなのにこっそりと泣いていたのを見かけてしまった。




尚くんと夜景を見ながらふとそんなことを思い出していた。


さっきは素直に『逢いたかった』って言えなかったけど素直に言わされた。

パパに聞いていたから尚くんがお父さんの仕事を手伝わされるって知ってた。忙しいのに尚くんに 逢いたい なんて我侭なんて言えなかった。



そろそろ帰るかって言われた時まだ一緒に居たかった。また今度いつ逢えるかわからないって思ったら自然と


「帰りたくないって言ったらだめ?」


って言っていた。尚くんが一瞬止まったように感じた・・。


「…その意味わかってる?」


って言われた時自分が言ったことの意味がわかったのと、初めて私と尚くんの唇が一瞬だけど重なったことで恥ずかしくて俯いてしまった。


「けど、さすがに今日は無理かな……親父さんに何も言わずにお泊まりはな…初めては記念に残るところがいいだろ?」


「う、うん……そーだね」


私は俯いたまま返事をした。恥ずかしくて顔を上げることが出来なかった・・。


だけど、それだけで・・・尚くんは私を大切に思っているんだなと感じた。そう思っていいよね尚くん?


行きと同じように話しながら私の家まで、尚くんは送ってくれた。


「尚くん!今日はありがとう!」


「あぁー」


「ねぇー・・・また逢えるよね?」


まだ少し不安だった・・・。同じ大学ってわけじゃないから今度いつ逢えるかわからないし


「逢えるよ?そんなに寂しいならメールでも電話でもして?」


「えっ、でも迷惑じゃ・・・」


「迷惑なんてことはないよ?婚約者でしょ?」


「う、うん」


「俺もメールとかするから・・出れなかったりしたら掛け直したりするから自由に連絡して?」


「うん!わかった!」

尚くんはやっぱ優しいですいつも私を思ってくれて・・・。


「じゃーな・・・。」


「うん。ばいばい」


「あ、」


「なに」

言い終わらないうちに尚くんに2回目のキスをされた


「気をつけて」


「うん・・」


車から降りて玄関の方に向った。

一度振り向いて、手を振ってから扉を開け玄関の中に入った


「ただいまー!」


「お帰りなさいませ香織お嬢様」


「香織お帰り。尚輝くんとでもデートしたの?」


「えっ!!」


ママには麗奈とのお買い物行くって言ってたのに・・。


「麗奈ちゃんとの買い物と尚輝くんとデートしたんでしょ?」

微笑みながら私に聞いてきた


「う、うん・・・・なんでわかったの?」


「勘よ。勘・・・。」

ママの勘は鋭いようです。

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