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最終章:ベランダの誓い、永久保証の愛

東京に戻った夜。

 アパートのベランダに出ると、春の夜風が心地よく火照った頬を撫でていった。遠くには東京タワーのオレンジ色の光が、この巨大な街の営みを優しく見守っている。

 隣には、今日買ってきたばかりの花を、大切そうに花瓶に生けている菜摘の姿がある。

「ねえ健太。明日、区役所に行くんだね」

「そうだね。いよいよ、名字が一緒になるんだ」

 菜摘が花瓶を置き、僕の隣に並んだ。

「私ね、自分でも分かってるの。急に不機嫌になるし、わがままだし、健太に甘えてばっかりで。取扱説明書があったら、きっと真っ赤な警告シールが貼ってあるような女だけど……」

 彼女はそこで言葉を切り、少しだけ潤んだ瞳で僕を見上げた。

「……私を選んでくれて、本当にありがとう。これからも、ずっと大切にしてね」

 僕は笑って、彼女の肩を抱き寄せた。

「何を今さら。そんなの、永久保証の契約済みだよ。君がどれだけ不機嫌になっても、わけを聞いても答えてくれなくても、僕は懲りずにとことん付き合うって決めてるんだ」

 広い心と深い愛――なんて言うとかっこよすぎるけれど、要は君がいない人生なんて、もう考えられないということだ。

「これからもよろしく。笑って許して、笑ってうなずいて、たまには二人で遠くへ行こう。僕が一生、君の隣でエスコートし続けるから」

 菜摘は照れ隠しのように僕の胸に顔を埋め、それから嬉しそうに、力強く頷いた。

 2025年、東京。

 世界で一番手がかかり、世界で一番愛おしい、僕だけの「一点物」との、最高の毎日が今ここから始まる。

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