第二話 解放の予感
これが今現在のAI自動生成の文章。我は一切手直ししていない。
五月中旬の土曜日、目が覚めたのは午前九時で、いつもなら休日は昼近くまで寝ているのに今日は自然と目が開いて、カーテンの隙間から差し込む光が妙に明るく感じられて、布団の中でぼんやりしながら今日は何の日だったかと思い出そうとした瞬間、胸の奥でひとつ小さく鼓動が跳ねた。
そうだ、今日だ、例のAIが今日一般公開される。
起き上がって洗面所で顔を洗って、鏡に映る自分の顔がいつもよりどこか引き締まって見えて、コーヒーを淹れてパソコンの前に座って、時計を見ると午前九時半で、公開は午前十時と書いてあった気がする。
ブラウザを開いてブックマークしておいた公式サイトにアクセスしたけれど、まだダウンロードボタンは表示されていなくて、画面には"Coming soon at 10:00 AM"という文字だけが淡々と表示されていて、蓮は画面を見つめたままコーヒーを一口飲んで、熱くて少し苦いけれど、喉を通る感触が今の気分とどこか似ている気がした。
十時になってリロードすると、ページが切り替わってダウンロードボタンが現れて、迷わずクリックして、ファイルサイズは予想以上に大きくて3.8GBもあって、ローカルで動くアプリケーション型のAIらしくて、プログレスバーが少しずつ進んでいく様子を見ながら、なぜか落ち着かない気持ちになって部屋の中を歩いたり窓の外を見たりまた画面に戻ったりを繰り返した。
十五分後にダウンロードが完了して、インストーラーを起動して、使用許諾契約に同意してインストール先を指定してプロジェクトフォルダを設定して、画面の指示に従いながら手が少しだけ震えているのが分かって、緊張しているのか興奮しているのかたぶん両方で、最後に"Launch"ボタンを押した。
アプリケーションが起動して、黒い背景に白い文字で、シンプルなインターフェースで、左側にプロジェクトツリー、中央にエディタ、右側にAIとの対話画面があって、上部には"Ready"という小さな表示が緑色に光っている。
蓮は息を吐いてキーボードに手を置いて、何から試そうか、まずは簡単なところから、対話画面に文字を打ち込む。
『Pythonで簡単な天気予報アプリを作って』
エンターキーを押して、一秒、二秒、三秒。
AIからの応答が表示されて、「天気予報アプリを作成します。OpenWeatherMap APIを使用したシンプルな実装を行います。」と書いてあって、続けてコードが次々と生成されていって、main.py、config.py、requirements.txt、そしてREADME.md、プロジェクトツリーにファイルが次々と追加されていく。
十秒で完成して、蓮はコードを見て、綺麗に整理されていてコメントもついていて、試しにターミナルから実行してみると、『東京の天気: 晴れ、気温: 23°C』と表示されて、動いた、ちゃんと動いて、蓮は画面を見つめたまま小さく笑って、すごい、本当にすごい。
次はもう少し複雑なことをやってみようと思って、『このコードを改善してデータベースと連携させて、過去の天気データも記録できるようにして』と打ち込むと、また数秒の待機の後にSQLiteのデータベーススキーマが生成されて既存のコードが書き換えられていって、database.py、models.py、さらにmain.pyの内容も更新されて、実行してみるとちゃんとデータベースにデータが保存されている。
蓮は椅子に深く座り直して、従来のAIとは何かが違う、一問一答じゃなくて、システム全体を見渡して必要なファイルを自動で作ってそれぞれを連携させていて、これはまるで優秀なエンジニアと一緒に仕事をしているみたいで、もっと試したくて、蓮は次々とプロンプトを打ち込んでいって、「ToDoリストアプリを作って」「簡単なブログシステムを作って」「画像アップロード機能を追加して」とやると、どれも数十秒で完成して、完璧ではないし細かいバグはあるけれど驚くべきスピードと品質で、気がつくと午後一時を過ぎていて昼食を食べるのを忘れていたけれど空腹よりも今の興奮のほうが強かった。
もっと大きなものを作ってみようと思って、蓮は画面に向かって少し大胆なプロンプトを打ち込んで、『簡単なECサイトを作って、商品一覧、カート機能、注文機能を持つものを』と指示すると、しばらく待って十秒、二十秒、三十秒、プロジェクトツリーに次々とファイルが追加されていって、フロントエンド、バックエンド、データベーススキーマ、API定義、すべてが自動で生成されていって、完成まで約二分で、実行してみるとちゃんと動いて、商品を追加してカートに入れて注文ができて、デザインは簡素だけど機能としては完璧に動いている。
蓮は画面から目を離せなくて、これは本当にすごい、想像以上で、このAIがあれば今まで何日もかかっていた作業が数分で終わって、仕事が劇的に楽になって、いやそれだけじゃなくてもっと何か。
午後五時になって蓮はようやく画面から目を離して背もたれに体重を預けて、一日中AIと向き合っていて昼食も食べていないけれど疲れよりも充実感のほうが大きくて、このAIで何ができるだろう、プログラミングは当然としてそれ以外には、そういえば文章も書けると言っていて、データ解析もできて、デザインもできる。
頭の中でいくつかのアイデアが浮かんでは消えていって、まだ形にはなっていないけれど、何か、何か大きなことができる気がして、このAIを使えば今までできなかったことができるかもしれない。
蓮は立ち上がって冷蔵庫を開けて、さすがに何か食べないとと思ってコンビニ弁当を温めて机に戻って、パソコンの画面はまだ起動したままでプロジェクトツリーには今日作ったファイルたちが並んでいて、弁当を食べながらぼんやりと画面を眺める。
今日一日で世界が少し広がった気がして、昨日までは自分の技術でできることには限界があったけれど、このAIがあればその限界が大きく広がって、まだ何をするかは決めていないけれど何かが始まりそうな予感がある。
明日も試してみよう、もっといろんなことを、そしてこのAIで何ができるかじっくり考えてみよう。
弁当を食べ終わって食器を片付けて、時計を見ると午後七時で、今日は充実した一日だった、疲れているけれど満足感があって、明日が楽しみだ。
ソファに座ってスマホを開くと、SNSには同じようにこのAIを試した人たちの投稿が溢れていて、「すごすぎる」「革命的」「これでゲーム作った」「仕事が楽になる」と、みんな同じような興奮を感じているらしい。
蓮は画面をスクロールしながら小さく笑って、でもまだ誰もこのAIの本当の可能性には気づいていないんじゃないかと思って、プログラミングだけじゃなくてもっと違う使い方があるはずで、それを見つけられたら。
そこまで考えて蓮は画面から目を離して、まだ考えすぎだと思って、まずはもっと試してみないと、焦る必要はなくてゆっくりじっくりこのAIと向き合っていけばいい。
そう思いながらソファに体を沈めて、今日は久しぶりに充実した休日だったと感じて、何かをやり遂げた感じと何かが始まる予感とが胸の奥でゆっくりと熱を持ち始めている。
この物語はフィクションです。登場する人物、団体、名称等は架空のものであり、実在の人物や団体とは一切関係ありません
