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夜明けの星の黙示録  作者: アレクサンドル・スケベスキ
第五章 vs赤竜編

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第085話 妖精の恩返し

朝日と共に竜が舞い降りたその日。

カナンの地は、早くも祝祭の熱気に包まれていた。

まだ日の高いうちから、広場には人々が集い、

歌と笑い声が絶え間なく響き渡る。


―――――――――――――――――――

[素材]

・猪(幻獣種):グリズルファング ×1

・猪(上位種):ゴールデンボア ×3

・鹿(幻獣種):エイクスニル ×1

・鹿(上位種):ドゥネイル ×3

・兎(幻獣種):カーバンクル ×1

・兎(上位種):ジャッカロープ ×3

[薬草]

・☆☆☆☆☆伝説の 『霧香むこうワサビ』 ×3

・☆☆☆☆奇跡の 〈メテオ・ガーリック〉 ×5

[淡水魚]

・☆☆☆☆☆伝説の 『幻泉イトウ』 ×10

・☆☆☆☆奇跡の 〈オーロラいわな〉 ×20

・☆☆☆希少な 「霜降り鮎」 ×100

・☆☆精良な [ニジマス] ×20

[キノコ]

・☆☆☆☆☆伝説の 『夢幻マツタケ』 ×5

・☆☆☆☆奇跡の 〈燻製トリュフ〉 ×10

・☆☆☆希少な 「蝋色椎茸」 ×30

[果物]

・☆☆☆☆☆伝説の 『王蜜メロン』 ×5

・☆☆☆☆奇跡の 〈プラチナ・ピーチ〉 ×10

・☆☆☆希少な 「ルビー・ブドウ」 ×100

[野菜]

・☆☆☆☆奇跡の 〈エメラルド・リーキ〉 ×10

・☆☆精良な [スイート・キャロット] ×10

―――――――――――――――――――


目の前に広がる食宝の数々に、ルベル=オーガは思わず舌を巻いた。

煌めく食材たちは威厳を放ち、まるで王族の宴を再現したかのよう。


かつてガルフ・バウ帰還の折、祝いの席に並べられた幻獣種の料理は、

ペンドラゴンが卸したものだと聞いていたが、

あれは、ほんの一端に過ぎなかったのだ。


ペンドラゴンの底知れぬ実力を認めつつ、

ルベル=オーガの女たちは、豪奢な美食を心ゆくまで堪能していった。


そんな豪華な宴の片隅では、

猫耳探検隊が"黒狼の牙"のリーダー、フェンリカに叱責を受けていた。


「心配をかけたニャ」


一応、反省の色を見せてはいるものの、結局はいつものこと。

聞いているようで、聞いていない。

さすがのフェンリカも手を焼いていた。


そこで紹介されたのは、“黒狼の牙”に所属する一人の女冒険者だった。

ゴールド級の実力者であり、同種別・同性の先輩にあたる存在だ。

猫耳探検隊はその先輩に身を預け、ひと月ほどみっちり鍛え直されることになった。


「苦労を掛けますニャ」

「……今から胃が痛いねぇ」


やがて説教から解放された猫耳探検隊の面々は、

ふとネイの首元に目を留める。

ネイの首輪に気付いたのは、その時だった。


「ネイ、なんニャ?その首輪?」


■【愛奴】ネイ

挿絵(By みてみん)


(しまった!忘れてた!)


俺は慌てて猫耳探検隊の元へ駆け寄ると、

勢いのままに交渉を切り出した。


「紆余曲折あってな。ネイは俺の女になった。

 ペンドラゴンへ移籍したいんだが、いけるか?」


!?

突如として告げられた言葉に、

猫耳探検隊は一瞬目を丸くするも、

すぐにいつもの調子で返す。


「チッチッチ!そう簡単に納得するほど

 ウチらの友情は軽く無いニャ」


そりゃそうだよな、と心の中で頷きながら、

アイテムボックスへと手を伸ばす。


「これは迷惑料なんだが…」


―――――――――――――――――――

・大金貨 ×4

・☆☆☆☆☆伝説の 『幻泉イトウ』 ×4

・☆☆☆☆奇跡の 〈オーロラいわな〉 ×4

・☆☆☆希少な 「霜降り鮎」 ×4

―――――――――――――――――――


取り出したのは、4,000万円相当の硬貨と、

彼女達の大好物である川魚の数々。


「!!…………

 ネイー!新天地でも頑張るニャー!!」


猫耳探検隊は、迷惑料を見ると

あっさりと移籍を承諾してくれた。


(ふぅ。これにて一件落着…あとは…)


「と、いう訳で…新しい愛奴のネイだ。

 みんな、仲良くしてくれ」


ネイを愛奴達に紹介した。


「皆さん…よろしくです…」


ネイは顔を強張らせながらも、かろうじて挨拶をする。

すると早速、イヴが目を輝かせて賞賛の声を上げた。


「さすがは旦那様です!

 よろしくお願いしますね、ネイ」


イヴは母親から、"男は女を侍らすほど立派"という

特殊な教育を受けているせいで、

価値観がバグり散らかしているのだ。


イヴが歓迎してくれたことで

ネイはスムーズに愛奴達の輪に加われた。

早速話に花が咲いている。仲良くやっていけそうだ。

よかったよかっ……ん?


リーシャが笑顔のままこちらに近づいてきたかと思うと、

ボソッと呟いた。

※ちょっと目を離したらこれですか…※

※さすがでございますね※


ぬぅ…やはり刺してきたか。

だが、俺も成長している。

こういった時はひらりと躱すのが吉。


「よし!そうと決まれば温泉だ!

 裸の付き合いで親睦を深めるぞ!

 みんな俺に続け!」


一旦はお茶を濁し、忘れたころに抱きに行く。

蝶のように舞い、蜂のようにチ〇コを刺すのだ。

グフフ。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「わぁ~」


土工職人のノーム達が造り上げたのは、

うんと壮大な天然の露天風呂だった。


(何という景観……ッ!)


俺たちは恥ずかしさを覚えながらも、

素っ裸のままその露天風呂の前に突っ立っていた。


■イヴ

挿絵(By みてみん)


■リーシャ

挿絵(By みてみん)


■アウラ

挿絵(By みてみん)


■フィズル

挿絵(By みてみん)


■ネイ

挿絵(By みてみん)


湯畑(ゆばたけ)から流れ落ちる白煙が、

まるで大地の息吹のように立ちのぼっていた。


その源泉を引き入れた露天風呂は、

肌を刺すような酸の香りを漂わせ、湯面は淡く乳白色に揺れている。


そして、時折風が運んでくる硫黄の匂いは、

不思議と心を落ち着かせた。

この刺激の中に、どこか懐かしい安らぎが潜んでいるのだ。


俺たちは大地がもたらした奇跡に感謝しつつ、まず身体を洗い流した。

そして、熱々の湯にそっと身を沈める。


「あちち!」


酸性の温泉の肌を刺すような刺激が骨の髄まで染みわたり、

積もり積もった疲れを一気にぶっ飛ばす。


湯煙の向こうには、クロエやラウザたちの姿も見えた。

すでにこの温泉を堪能し、顔を(とろ)けさせている。


「うお!すげぇ!」

けたたましい声と共に現れたのは、スカエルヴァとオリガだ。


■スカエルヴァ

挿絵(By みてみん)


■オリガ

挿絵(By みてみん)


ルベル=オーガの女たちも、浸かりに来たか。

驚きと歓喜の入り混じった表情を浮かべ、絶句している。


「あちちっ!」

「かっ~効く~っ!」


オーガにとってもこの温泉の効果は抜群のようだ。


「ラグナル、一緒に入ろうぜ~」


このご機嫌な声は…フェンリカだ!


■フェンリカ

挿絵(By みてみん)


フェンリカはラグナルと肩を寄せ合い、戯れながら湯殿へと姿を現した。

そして湯へ身を沈めるや否や、頬を(とろ)けさせ、恍惚の表情を浮かべる。


(まずいな…)


冒険者ギルドの酒場での喧騒を思い出す。

"黒狼の牙"と"ルベル=オーガ"が同じ場所に集っちまった。

喧嘩にならなければいいが…


だが、そんな心配とは裏腹に、場の空気は終始穏やかだった。

両者とも、大地がもたらした奇跡に身を委ね、その恵みを余すことなく堪能している。


人間、エルフ、妖精、獣人、そして魔人族――

多種多様な者たちが肩を並べ、

同じ湯に浸かりながら疲れを癒している。


種族の垣根を越え、共に憩う姿。

その光景に、カナンの将来を見た気がした。


(カナンを温泉街にしてもいいかもしれんな)


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


温泉を上がり、宴の食事を心ゆくまで堪能した後、

俺たちはドワーフ衆に連れられて歩き出した。

どうやら、完成した家を見せてくれるらしい。


その場所は、サクラの家から徒歩5分の場所にあった。

川のせせらぎが響くほとりに、巨大な石造りの城が姿を現す。


「な……なんじゃこりゃっ!!」


■アレク:城

挿絵(By みてみん)


岩石を積み上げ、磨き抜いた壁は重厚にして美麗。

赤レンガの屋根は、俺が初めてガルフ・バウへ行った時の感動を聞き届けて形にしてくれたのだろうか。


「我らの主に相応しい威厳に満ちた城ですじゃ」


ドワーフ衆は胸を張り、誇らしげに声を響かせた。

その仕上がりは予想を遥かに超えており、

目の当たりにした愛奴たちは言葉を失う。

ただ口を開け、息を呑むばかり――まさに絶句していた。


ドワーフ衆に案内され、城の扉を押し開ける。


【1F】

まず目に飛び込んで来たのは荘厳な大広間だった。

ここでは宴や儀式が行われるのだろうか。


壁際には巨大な暖炉が据えられており、

"火の魔法"を与えてやると、城全体に温もりを与え始めた。


奥の扉を開けると、広々とした調理場と食堂が現れる。

今にも香ばしい匂いと団欒(だんらん)が聞こえてきそうで、口元が緩む。


大広間の隣には応接室らしき部屋があり、

客人を迎えるための空間が整えられていた。


そして礼拝堂。イヴに配慮して造ってくれたのだろうか。

イヴは目を輝かせ、喜びを隠しきれない様子だった。


突き当たりには石造りの大浴場が待ち構えている。

湯煙が立ちのぼるその光景に、俺は思わず息を呑んだ。

ここでも奇跡の湯を味わえるとは……。


【2F】

この階全体が居住区とのことだ。


主の居室はひと際広く、

ひっそりとロアナ寝具店に特注したという

エンペラーサイズのベッドが鎮座する。


他にもいくつも豪勢な居室があり、

愛奴達の部屋にすることにした。


【3F】

客間や小規模な寝室が並ぶ。

どうやら、使用人を住まわせるスペースらしい。

といっても使用人を雇えるような宛ては今のところないのだが。


【地下】

男の夢、地下室だ。

さすがドワーフの仕事と言ったところだろうか。

鍛冶場に工房、武器庫に貯蔵庫まである。

そしてなんだここは…牢獄なんてあるのか……


ドワーフ衆の誇らしげな紹介が終わると、

俺はただその場に立ち尽くした。

感動に打ちひしがれ、思わず息を呑む。


(これが……俺の城なのか)


胸の奥から熱いものが込み上げ、

言葉にならない感動が広がっていく。


目の前にそびえる石壁も、煌めく装飾も、

すべてが夢ではなく現実なのだ。


「ありがとうよ……」

「礼なぞいりませぬぞ。儂らの恩返しですじゃ」


確か、カナン建設を依頼した際に支払った手付金は大金貨2枚。

おおよそ2,000万円程度。

この仕事っぷりには全く足りていないだろう。


(また稼がないとな)


胸の奥でそう呟き、己を奮い立たせる。

支払った金銭以上の働きを見せてくれた者たちに、恩を返さねばならない。


そして、俺は今一度決意した。

(必ず……必ず皆を豊にするぞ)

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