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夜明けの星の黙示録  作者: アレクサンドル・スケベスキ
第五章 vs赤竜編

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第082話 ☆【愛奴】ネイ

性描写があるため、改変しています。

改変前はミッドナイトノベルズへ↓ m(_ _)m

https://novel18.syosetu.com/n7662kr/

ガルフ・バウの冒険者ギルドへ帰還すると、

獣人たちが何やら集まっているのが目に入った。


その中心にはイヴがいて、

★ 巫女鈴 【聖鈴・神楽(せいれい・かぐら)】で回復を施している。


「ありがとうございます…」

「聖女様…」


獣人たちは、まるでイヴを崇拝しているかの様だ。

以前絡んてきたチンピラでさえ、アヘ顔で回復を受けてやがる。


やがて俺の姿を見つけたイヴは、心配そうに駆け寄ってきた。


「旦那様!ご無事でしたか!」


澄み切った光のような声が響き渡る。

あまりにも純粋無垢なその姿に、俺は思わず目を逸らした。


(……しっぽりと楽しんで来たとは言えんな)

急に後ろめたくなってしまったのだ。


「お…おう。

 ルベル=オーガとは"平和的な会議"で話がついてな、

 うむ。実に有意義な会議であったぞ」


その言葉に、イヴはほっと腕を撫で下ろす。

だが、他の愛奴たちには見抜かれていたのだろう。

彼女たちの視線は冷ややかで、どこか蔑むように俺を射抜いてくる。


特にフィズル、そのジト目は癖になるからヤメてくれ。

居心地の悪さに耐えかねて、俺は慌てて話題を変えた。


「それより賑やかだな。何の騒ぎだ?」


愛奴たち曰く、

猫耳探検隊二名の行方不明を報告したところ、

"黒狼の牙"は緊急クエストを発行。


現在はフェンリカが旗を振り、

捜索隊を編成している所らしい。


それでこの獣人たちの集まり様か。

フェンリカの統率力はさすがだな。

"黒狼の牙"は700人規模らしいし、

ここから先、俺達の出番はなさそうだ。


腹も減ったし、家に帰って飯にするかと思っていた所に、

フェンリカに声を掛けられた。


「おお、アレク!

 ウチの者がすまなかったな。

 またペンドラゴンに借りが出来ちまった」


「なに、いいってことよ」


フェンリカにエールを送って退散しようとしたその時、

イヴが誇らしげに言い放った。


「旦那様が戻られたので、もう安心です」


!?

どうしたんだ?イヴ。

そんなにハードル上げちゃって……


「おお、そうだな。アレクなら問題ないだろう。

 実は本命の最深層方面に不安があってな」


!?

フェンリカまでどうした?

俺は無敵超人じゃないぞ。


ふぅ。やれやれ。

夢見がちな子猫ちゃん達に、

ここは一つ、ガツンと言ってやる必要があるな。

"現実"ってやつをな。


「おう。俺が来たからにはもう安心だ。

 最深層…?俺の庭だな。任せておけ。

 ガハハハ!」


またやってしまった……

どうしても女の前では見栄をはってしまう。

それが男の悲しいサガなのだ。


イヴは尊敬の眼差しが突き刺さる。

獣人たちも"アレクさんパネェ"なんて言ってやがるし、

もう後には引けない。


イヴ以外の愛奴達は戦々恐々としている。

それもそうだろう。夜の最深層は俺でもきつい。

行動するだけでままならないだろう。

まずは愛奴達を安心させてやるか。


「安心しろ。捜索には俺一人で出る。

 お前らはカナンで待機だ」


それを伝えると、愛奴達はほっと胸を撫で下ろした。

ところが…


「私はアレクについて行く!」


ネイが立候補してきた。

が、すぐにフェンリカが咎める。


「ダメだ。これ以上、アレクに迷惑を掛けるな」


「これがあれば私だって戦えるもん」


そういって貸し出した短刀を見せる。

―――――――――――――――――――

★ 短刀 【地獄痺刃じごくびじん】

└突撃+80 / 斬撃+50 / ☆貫通+80 / ★麻痺+100

―――――――――――――――――――


その武器はお守り程度だ。過信されても困る。

…イヤ、過信しているということでもないか。


逆の立場だったら。

イヴたちが行方不明になっているとして、

俺は寝つけないだろう。


北の深層方面に向かったと聞いている。

勝手に最深層まで入り込み、二重遭難になりかねん。


フェンリカにこそっと相談する。


「待機を言いつけたところで、

 勝手に飛び出しかねん。そうなるよりかは、

 俺の目の届く範囲で行動を共にした方がいいだろう」


「それもそうかもしれんが…

 分かった。ネイをよろしく頼む」


こうして、役割分担は以下の通り決まった。


〇ドラコニス山脈

・表層:黒狼の牙

・中層:黒狼の牙(戦闘員)

・深層:黒狼の牙(精鋭)

・最深層:アレク(ネイ)


(この分担おかしいだろ!)


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


"ワープ"でイヴ達をサクラの家まで送り届けた後、

俺とネイは夜の最深層に踏み込んでいた。


常に"探知魔法(サーチ)"と"光の魔法(ルクス・マギア)"の

二重奏を展開しながら、

魔獣の居ない場所を見つけては、"空間魔法(ワープ)"で移動する。


「この辺りにもおらんか…」


"探知魔法(サーチ)"の精査を終えて、

ネイに告げる。


「フゥーフゥー」


まだ捜索を始めて30分も経っていないが、

ネイの方は随分息が荒くなっている。


無理もない。

夜の森というのは、完全に獣の領域だ。


光で切り開いた視界はそれでも狭く、

絶え間なく響く自然の音が神経を削る。

風のせせらぎでさえ、

まるで自分を狙う気配のように錯覚してしまう。


いや、実際狙われているのだ。

ドラコニス山脈:最深層における最大の懸念―――


―――――――――――――――――――

・悪魔(幻獣種):デーモン Lv.65

・悪魔(上位種):ガーゴイル Lv.58

・悪魔(上位種):ガーゴイル Lv.49

・悪魔(上位種):ガーゴイル Lv.42

―――――――――――――――――――


現れやがった。

音も無く、突如召喚される"幻獣種"デーモン。


問答無用で大激震(だいげきしん)をブチかます。

―――――――――――――――――――

★ 大金棒 【大激震(だいげきしん)

└打撃+100 / ☆破砕+80 / ★衝撃波+100

―――――――――――――――――――


「オラァアア!!」

※ドゴオオオオオ!※


ガーゴイルが一体残った。

具合が悪いことにネイの方に向かっている。


「ネイ!」


※グサッ!※

―――――――――――――――――――

★ 短刀 【地獄痺刃(じごくびじん)

└突撃+80 / 斬撃+50 / ☆貫通+80 / ★麻痺+100

―――――――――――――――――――


何とかガーゴイルに短刀を突き刺し、動きを止めた。

この隙を逃さず、大激震(だいげきしん)をぶち込む。


「大丈夫か?ネイ?」

「フゥー、フゥー…うんっ」


身体的には問題ないが、精神的にかなり苦しそうだ。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


あれから、デーモンを何度か退けた。

捜索を始めてからどれだけの時が経ったのだろうか?


「ハァッハァッ」


いつの間にか俺の方も息が上がって来た。

この森にやられつつあるようだ。


いい感じの洞穴を見つけたので、

そこでいったん休むことにした。


簡素な焚火を用意し、簡素な調理をする。

―――――――――――――――――――

・☆☆☆希少な スクヴェイダーの「丸焼き」 ×2

・☆☆☆希少な 「ルビー・ブドウ」 ×4

―――――――――――――――――――


「ありがとう。いただきます」

「おう」


食い物を腹に入れ、何とか腹を満たす。

調理器具が無いので、満足に料理はできなかったが、

素材は良かったので旨かった。


自分の状態を確認する。


■アレク

―――――――――――――――――――

名前:アレク Lv.158

HP:1858↑ / 2390 MP:1153↑ / 2390

状態:

 ・▽『呪い:災禍級』

―――――――――――――――――――


HPはまだ問題ない。

ずっと魔法を展開し続けたせいで、

MPが半分位になっている。


そして、また呪いに掛かったようだ。

"解析"

―――――――――――――――――――

・▽『呪い:災禍級』

   └効果:病弱・魔力減衰・体力減衰

―――――――――――――――――――


呪の効果は、持続性はあるが、即効性は無い。

今すぐ慌てる必要はないだろう。

帰ったらイヴに解いてもらおう。


"探索魔法"で中層方面を確認する。


"黒狼の牙"の連中はまだ探索を続けているようだ。

まだ見つからないか…


"探索魔法"を使えば、すぐに見つかると思っていたが、

考えが甘かった。いよいよ終わりが見えなくなってきた。


こんなことになるなら、

ルベル=オーガとしっぽりと楽しまずに、

すぐに捜索していればよかった。


自分の撒いた種ではあるが、

今更ながら、後悔が押し寄せて来た。


―――もう死んでるのかもな。

ふと、考えないようにしてきた言葉が頭に浮かぶ。

ダメだ、気が滅入っている証拠だ。


その時、ネイがポツリと呟く。

「もう死んでいるのかな」


ネイも随分やられている様だ。

無理はないか…


「アホか!

 必ず探し出してやるから、安心しろ」


根拠のない、その場しのぎの言葉を吐くと、

ネイを抱き寄せた。


その時だった。

ネイの中の"発情"のスイッチが入った。


瞳は(とろ)けたように揺らぎ、

吐き出す息には艶めいた熱を帯びる。


「ハァー♡」


……そこからは言葉はいらなかった。

狭い洞窟で身を寄せ合った雄と雌。

むき出しの生存本能が、強烈にお互いを求める。


…そこからの記憶は薄い。

俺達は一心不乱に、獣のような交尾をし続けた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「もうすぐ日が昇っちゃうね……」

「ああ…そうだな……」


久しぶりに、人間らしい言葉を交わした気がする。


「ネイ……俺の女になれ」


もう、ネイが"黒狼の牙"だとか関係ない。

力ずくでも、俺の女にする。


返事を聞く前に、【アドニス】のスキルで任命する。


"任命:【愛奴】"

・任命:◆【愛奴】(3)→(2)


ネイに首輪が装着されると、

"エヘヘ♡"と照れ笑いしてきた。


この天使は俺のものだ。


■ネイ:ステータス

―――――――――――――――――――

名前:ネイ Lv.29

HP:312 / 640 MP:272 / 340

種類:亜人類 種族:獣人 種族:ウェアキャット

性別:♀ 年齢:14歳 身長:135cm

ジョブ:

 ・「山菜採集士」 Lv.2

 ・斥候 Lv.6

 ・戦士 Lv.5

 ・◆【愛奴】

スキル:

 ・「希少採集」

 ・感知

 ・闘争心

称号:

 ・カッパー級:冒険者

―――――――――――――――――――


"光の魔法"で身を綺麗にして、身支度整えた。


「おし、気合いを入れなおして、捜索を再開しよう」


そう言った瞬間――。

耳をつんざく咆哮が森を震わせた。


※グォォォォォォォォォ!!※


「っ……!?この咆哮は…まさか!?」


すぐさま"探知魔法(サーチ)"を展開する。

この山脈の神――”赤竜”の居る場所へ。


予想通り、強力な反応が一つ……

そして近くに、弱い反応が二つ。


「嘘だろ!?」


胸の奥に冷たいものが走る。

まさか、最深層を突破し、"赤竜"までたどり着いたのか?


「アレク…」


ネイが不安そうにこちらを見つめてきた。


「大丈夫だ。全て俺に任せておけ」


男には、引けない時ってもんがある。

女に不安そうに見つめられた時は

その一つだ。


MPは半分、さらに呪いか…

……最高のコンディションだ。


”ワープ”


移転先は、"赤竜"《アルバストラス》


光が収束し、空間が歪むと、

戦場への扉が静かに開かれた―――

丁度、今日(11/15)は狩猟解禁日ですね。


書きながら、ふと二十年前の今日を思い出していました。

まだ十代だった頃、夜の山へ猪狩りに出かけた時の記憶です。


自分は狩る側のつもりで山に入ったのですが、

・自分の掌より大きい熊の足跡。

・破壊された民家。

・ねじ曲がった鉄格子の罠。


これらを見て目が覚めました。

自然の中では人は狩られる側なんですね…


ブクマ・評価いただけると大変助かります(>ㅅ<)

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