第081話 ☆蹂躙
※全員居るな?※
※はい※
俺たちは、ゴブリンの巣からおよそ50m離れた地点に転移すると、
音も気配も殺して、慎重に前進を始めた。
※パンッパンッパンッ※
乾いた音が響き渡る。何の音だこれ?
「~※~~※※!」
声も混じってきた。
これは………?人の声か!?
俺たちは警戒を強め、足を速めて音の発生源へと向かう。
そして……ゴブリンの巣を視界に捉えた。
だが、そこで繰り広げられていた光景は、
予想の斜め上を行くものだった。
まず目に飛び込んできたのは、
ゴブリンに跨った巨体の赤鬼。
「イクぞ!オラァアア!!」
スカエルヴァだ。
マウントポジションを取り、
ゴブリンをぶん殴りながら"可愛がって"いる。
気分が最高潮に達したのだろうか。
振り上げた拳を、顔面めがけて思いっきり振り下ろした。
※グチャッ※
ゴブリンの身体は一瞬、ビクンと跳ねてから動かなくなった。
……即死だ。遠目で見てもわかる。
「うぃ~♪デスア〇メ決めちまったなぁ~♡
…次!」
■スカエルヴァ
彼女のすぐ傍には、ゴブリン達が大の字に張り付けられており、
オーガの女たちが、何やらはしゃぎながらサッカーボールキックをお見舞いしている。
……〇玉を潰しているのだ。
乱暴に去勢され、生殖能力を失ったゴブリンがスカエルヴァの元に運ばれていく。
「あ~癒された♪」
そして上機嫌な声と共に、粗末な木の建物から姿を現したのは、
もう一人の巨体の赤鬼、オリガだった。
■オリガ
探知魔法で捉えた2体の強力な反応は、
赤鬼姉妹のものだったのだ。
彼女たちを含め、8人のオーガの女たちが、
20体を超えるゴブリンを捕縛している。
周囲には、すでに息絶えたゴブリンの死体がいくつも転がっており、
その中には、上位種の姿も混じっている。
―――――――――――――――――――
・小鬼(上位種):ゴブリン・ファイター
・小鬼(上位種):ゴブリン・アーチャー
・小鬼(上位種):ゴブリン・メイジ
―――――――――――――――――――
槍で串刺しになった死体、
全身が腫れ上がり、原形を留めていない死体。
そして顔が潰された死体…これは棍棒によるものだろうか。
ゴブリンの巣は、木材を組み合わせて作られた粗末な拠点のようだが、
すぐ傍には、小さな洞穴が口を開けており、
入口には、つい先ほどまで火が焚かれていたことを思わせる炭が積まれていた。
そして死体はそこに集中していた。
煙攻めが行われたのだろう。
いずれにせよ、徹底的な蹂躙が行われたようだ。
「……!?姉貴!!」
「あん?……!!」
赤鬼姉妹に発見された。
…仕方ない。俺達はルベル=オーガの前に姿した。
「よう」
俺は惜しげもなく、股間を膨らませながら赤鬼姉妹に話しかけた。
オーガたちの魅力的な裸を見て、興奮しない方がおかしいのだ。
まったく、こんな危険な状況でも元気になっちまうとは…
我ながら恐ろしい息子だぜ。
スカエルヴァは笑みを浮かべながら言い放つ。
「なんだぁ?混ざりに来たのかぁ?」
何だかピエロのような気分だが、
尻尾は出しても、頭は隠し通す。
それが漢というものだ。
慌てず、クールに対応する。
「猫耳探検隊の4人が行方不明でな、探しに来た。
お前ら、何か知らないか?」
まるで、”勃起などさせておりませんが?”とでも言うように、澄ました態度で応じると、
粗末な木の建物の奥から、二人のウェアキャットがふらりと姿を現した。
その姿を見るや否や、ネイが叫んだ。
「ミャリス!シャミル!」
「ネイー!!」
どうやら、彼女たちは探していた猫耳探検隊のメンバーらしい。
だが、服を着ておらず、随分ヘトヘトの様子だ。
それを見たイヴが、すぐに回復を掛ける。
「ゴブリン共に可愛がられてたもんだからよー、
上書きしてやったんだよ。感謝しろよな?」
オリガがふてくされたように呟く。
男にも女にも可愛がられるなんて…
掛ける言葉が見つからないな。
「……大丈夫か?」
「生きてるだけで丸儲けニャ」
「そんな事より腹減ったニャ」
思ってた反応と違う。
逞しい奴らだ。
「あと二人はどうした?」
「北の深層方面に逃げたニャ」
「うちらじゃ危険ニャ。あとは任せたニャ」
太々しい奴らだ。
いや、これくらい割り切ってる方が、
この世界じゃ生き残れるのかもしれんな。
「ああ、残りの二人は任せておけ。
ひとまず、ギルドまで送るぞ」
そう言いかけて、スカエルヴァに呼び止められた。
「おい」
…ああ、やっぱりか。
「何勝手に話進めてんだ?コラ?」
ただで帰すつもりは無いらしい。
スカエルヴァはニヤリと笑う。
「てめーはこれからオ〇ペットになるんだよ。
〇玉を潰してな♪」
その言葉にオリガも追従する。
「安心しろよ。
女たちは全員アタシが可愛がってやるからさ♡」
もはや争いは避けられんか。
俺は2人を無視すると、愛奴達に伝えた。
「ここは俺一人で対処する。
冒険者ギルドにワープホールを開くから、
全員飛び込め。俺も暗くなる前に戻る」
「旦那様…分かりました」
珍しくイヴが素直に従ってくれて、正直助かった。
いつもと語気が違うことを感じ取ってくれたのだろうか。
パーティ同士の戦いになれば、命のやり取りは避けられない。
一度始まってしまえば、もう後戻りはできないだろう。
それに、全員を守り切りながら戦う自信は、まだない。
1人で対処した方が安心なのだ。
「逃がすと――」
スカエルヴァが言い終えるより早く、空間魔法を念じる。
"ワープ"
!?
突如として現れた空間の裂け目に、
ルベル=オーガたちは目を見開く。
その表情には、明らかな動揺が浮かんでいた。
「行け!」
号令と同時に、愛奴たちが次々とワープホールへと駆け込んでいく。
救出された猫耳探検隊の面々も、半ば押し込まれるようにして転送された。
次の瞬間には、我に返ったルベル=オーガたちが一斉に襲い掛かって来た。
「逃げんじゃねぇ!」
俺は左手に軽く魔力を込めると、
神話級の指輪を振りかざした。
―――――――――――――――――――
☆☆☆☆☆☆ 指輪 《エルネード・リング》
└打撃+50 / ☆破砕+50 / ☆衝撃波+50
―――――――――――――――――――
「フンッ」
※ドゴォ※
空間が破裂し、その衝撃波で数人が吹っ飛ぶと、
ルベル=オーガは足を止めて距離を取った。
「チッ…!」
…さすがだな。
敵ながら、思わず関心してしまった。
数人吹っ飛んだところで、誰一人乱れることなく、
隊列を崩さない。戦いの経験値が圧倒的に違う。
最後に残ったネイがワープホールを潜ると、女たちの撤退が完了した。
この場に残されたのは、俺一人だけだ。
スカエルヴァが、悪そうな笑みを浮かべて言う。
「女を逃がすなんて…泣けて来るじゃねーか」
「何…勘違いしてんだ?」
アイテムボックスに手を伸ばし、
ゆっくりと大金棒を取り出す。
―――――――――――――――――――
★ 大金棒 【大激震】
└打撃+100 / ☆破砕+80 / ★衝撃波+100
―――――――――――――――――――
「女を逃がしたのはな…
お前ら全員を抱くためだ。ガハハハ!」
直後、俺の第六感は次の危機を告げていた。
"避けろ"
大慌てで体を逸らす。
同時に、スカエルヴァの豪速のジャベリン…
投げ槍が地面に突き刺さった。
!!
地面を抉り、石を砕き、空気を震わせた一撃。
もし、僅かに行動が遅れていたら
今頃、俺の胸には穴が開いていたのだろう。
(おいおい。殺しに来て―――)
安堵する暇もなく、突進してくるのは巨体の赤鬼。
オリガだ。
その手には、常人では持ち上げることすら困難な巨大な棍棒。
目に宿るのは、紛れもない殺意。
「オラァァア!」
俺は即座に構え、【大激震】 で迎え撃つ。
「フンッ!」
※ドンッ※
☆破砕+80
棍棒同士が激突した瞬間、
鋭い音とともにオリガの武器が粉砕された。
★衝撃波+100
そして衝撃波がオリガを突き抜け、
その余波がゴブリンの拠点まで到達。
粗末な木の建物は音を立てて崩れ落ちた。
「かはっ……!!」
オリガはその一撃で失神した。
これには、さすがのルベル=オーガたちも腰が引けたようだ。
「なっ…!」
女をいたぶるのは趣味じゃないが、仕方ねぇ。
ある程度可愛がってやらねぇと、こいつらは抱けそうにない。
「てめえら…ヤラれる準備はできたかよ?」
そして雷を纏う。
—――"雷の魔法"
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
電撃と、いくつかの衝撃波が突き抜けた後、
ゴブリンの拠点は、跡形もなく吹っ飛んでいた。
焦げ臭い土の匂いが立ち込める中、
俺はゴブリン捕縛用のロープを拝借し、
気絶しているルベル=オーガの女たちを次々と縛り上げていった。
ただ一人、スカエルヴァを残して。
「て…てめぇ…」
スカエルヴァは体力が尽きかけながらも、
まだ反抗的な目つきで睨んで来る。
「グフフ♡…お仕置きの時間だ!
ガハハハ!!」
そう言ってスカエルヴァに抱きつくと、
激しく抵抗された。
まだ諦めないとは…しぶとい女だ。
レスリングのような攻防になってしまった。
「誰が…てめえ如きにヤラれるかよ」
俺はスカエルヴァのバックを取ると、
☆☆☆☆☆☆ !見せられないよ! ☆☆☆☆☆☆
ミッドナイトノベルズで掲載↓
https://novel18.syosetu.com/n7662kr/86/
☆☆☆☆☆☆ !見せられないよ! ☆☆☆☆☆☆
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ふぃ~~ヤッたヤッた」
女6人に、2発ずつ。
最後の方は腰が抜けるかと思ったぜ。
気づけば、飯を食うのも忘れて夢中になっていたらしい。
空はすっかり赤く染まり、日も傾き始めている。
なぜ人は争うのだろうか―――
おっと、つい"平和"について考えちまったぜ。
そんな俺を褒めるかのように、
森のそよ風が頬を優しく撫でる。
「ん~~、そろそろ帰るか♡」
アヘ顔の女たちを背に、俺はガルフ・バウへと帰還した。
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