第070話 ☆熱帯夜
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サクラの家には、寝室が三つある。
どの部屋にも、ふかふかのベッドが備えられており、
疲れた身体を迎え入れる準備が整っている。
今夜は、二人ずつ部屋を分けて休むことになった。
アレクとフィズル。
サクラとイヴ。
リーシャとアウラ。
各々が寝室へと向かうと、
長い一日の終わりを迎えようとしていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
―――サクラとイヴの寝室にて
先ほど、フィズルがしっかりと“可愛がられた”様子を目にしたことで、
サクラの胸には、ある種の焦りが芽生えていた。
どこかのんびりとした空気をまとったイヴ。
その無頓着さに、サクラは危機感を抱いていたのだ。
「ねえ、イヴ。
フィズルは“旦那様”って呼んでたわよ。
あなたは…二人きりのとき、
ちゃんと“旦那様”って呼んでるの?」
母の問いかけに、イヴは気まずそうに視線を逸らす。
「それは……その…」
サクラの眉がぴくりと動いた。
「"アレク様"は、人前で名を指す時の呼称でしょう!
本人には…特に二人っきりの時は"旦那様"と呼びなさい!」
教育に力が入る。
「そもそも!寝床を共にする時、
しっかりと努めは果たしているの!?」
イヴはますます居心地悪そうに、
ぽつりと答える。
「それは…寝そべって…
あとは…流れに身を任せて…」
それを聞いた瞬間、サクラの視界はぐらりと揺れた。
まるで足元から力が抜けるような感覚に襲われ、
倒れ込みそうになる。
「何てこと……私の教育が悪かったのね…」
サクラは深くため息をつき、決意を改めた。
娘に真の気品と心得を叩き込まねばならない。
ひれ伏した支配者。その高等教育を施す―――
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
リーシャとアウラは寝室を共にしていた。
リーシャは両性愛である。
男にも、女にも情欲を向けることができる。
リーシャ:
ー淫乱 Lv.38
ー両性愛 Lv.28
淡い光が揺れる寝室で、
リーシャは熱を帯びた眼差しをアウラに向けていた。
「ねえ、アウラ……
ご主人様との夜は、うまくいっているの?」
アウラは一瞬言葉に詰まりながらも、
照れくさそうに答える。
「ええ…う~ん。
いっつもやられっぱなしって感じかな…
アレクってば、ほんと野獣なんだもん」
頬を赤らめるアウラの様子に、リーシャはくすりと笑う。
その笑みには、どこか企みめいた色が混じっていた。
「なら……私たちも特訓しなきゃね♡」
「えっ―――」
☆☆☆☆☆☆ !見せられないよ! ☆☆☆☆☆☆
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もはやアウラには、思考する力も気力も残っていなかった。
虚ろな瞳で、ただ天井を見つめている。
「Qちゃん…♡」
「キュキュー!」
リーシャが、使役するスライムをそっと呼び寄せる。
「アウラ……忘れられない夜にしようね♡
…"ジェル・マギア"♡」
ふたりの本格的な夜は、始まったばかりだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
―――アレクとフィズルの寝室にて
「旦那様…優しくしてください…
お願いします…」
フィズルは、アレクとサクラのぶつかり稽古を見て、
すっかり怯えていた。
あんな獣のようにぶつかり合ったら、
華奢な自分の体などすぐに壊されてしまう。
「ああ、優しくするぞ」
アレクは、風呂場で交わした約束を思い出しながらそう答えた。
しかし、これほどまでに怯えた目で見られると、
さすがに少し傷つくな…
(自分のほうから、欲しがらせてやる…)
アレクはそう決心すると、フィズルを抱き寄せた。
優しく胸をマッサージしながら、フィズルへ問う。
「なあ、どうして魔法の才能を伸ばしたいんだ?」
フィズルは頬を赤らめながら答える。
「あっ…昔から、周りのノームは魔法が使えました。
んっ…私だけ落ちこぼれだったので…」
コンプレックスのようなものか。
■フィズル_魔法
確かにフィズルは魔力が低い。
しかし、魔法のレベル自体は高い。
かなり努力してきたのだろう。
■フィズル_身体
そして、フィズルは
集中――特段、"知力"の能力が高い。
これは天賦の才だろう。
「そうか。でも努力してきたんだな。
それにフィズルには知力の才能があるじゃないか
人が持っていないものを、既に持っているぞ」
「…私は才能が無いので人一倍努力しないといけません。
それに、まだまだ勉学に励む身です。
私など――」
やたらと自分と貶めようとするので
キスをしてやめさせる。
「わかるんだ…俺にはわかるんだぞ
…フィズル…お前の頑張りもな」
そう言ってフィズルの頭を撫でると、
フィズルの目は一段と蕩けた。
「あ…ああ」
どうやらフィズルは褒められるのに弱いらしい。
「…こんな貧相な体ですが…醜くないですか?」
また自分を下げようとする。
「フィズルの体は美しいぞ。
決して他人に見せるなよ。俺だけのものだ」
そうして首元に、胸に…そして体中にキスをする。
「ハァ…♡ハァ…♡」
フィズルも興奮している様だ。
「愛しているぞ、フィズル」
「~~~♡♡」
ゾクゾクとしていることが読み取れる。
すると、鉄壁を思わせるフィズルの岩の扉が開いた。
自ら、その奥に隠された秘所をさらけ出している。
(た…たまらんっ!)
だが、快楽だけを求めるような乱暴なことは、決してしない。
ただ心を重ね合わせるように、
ゆっくりとフィズルを抱き合った。
これにて四章完結です。
ここまで読んでくれてありがとネ!
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