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夢の先で
今、いわゆる悪夢を見ている。
誰かが誰かに殺されそうになる夢。
景色は真っ暗で見えるのは魔法のような技が交わったときに生じる火花で光る緑の瞳と黒い髪。緑の目をした少年が黒髪の青年に圧倒されていた。僕は近づいて争いを止めようとした。しかし、足は鎖をまかれたように全く動けなかった。
いつの間にか緑の目をした少年が仰向けに倒れていた。そこにスポットライトが当たったかのように光り、先ほどの争いで出た血痕がたくさん地面にあった。
黒髪の青年は少年を跨いで少年の片目を取り出した。少年の唸り声と言えばよいのか、泣き声と言えばよいのか分からない声がして自分の目でもないのに痛いと感じた。青年は自らの片目も取り出し息を吐いた。白い息だった。
「一生忘るるな。その瞳はいつもお前を見張っている。」
ー『コロクルム』ー
その声と共に僕は目を覚ました。